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特集

編集部みんなで移住!東京から南魚沼へ 雑誌『自遊人』逆転の発想
南魚沼移住は、軽井沢での実験的な試みからはじまったと語る岩佐社長。インタビュー中でも、常に新しいチャレンジを、意欲的にすすめようとするパワフルなオーラを感じさせて頂いた。
現在のオフィスは、元製パン工場兼、私設青果市場だった場所をリノベーションしてオフィスに転用。 広い倉庫を書庫や自社で運営する食材販売サイトの倉庫として使用。休憩所を編集室に。広くて気持ちが良い空間。

軽井沢にオフィスを実験的に借りたことが今につながる

うちはもともと編集プロダクションとしてスタートした会社ですが、創業11年目に新たに雑誌『自遊人』を創刊し、出版社となりました。編集部を全面的に新潟に移転させたのは2006年のことですが、実は、それよりも前から、会社としては今につながる試みをおこなってきた背景があります。

随分前からSOHOやサテライトオフィスという言葉はありますが、なかなか実際に実現している企業は少なかった。そんな中「いつもと違う場所で仕事したら、何か面白そう」と単なる興味本位で、実験的に軽井沢にマンションを一室借りてみたんです。部屋にコピーとファックスの複合機と電話回線、パソコンを持ち込んで、会社のサーバーにアクセスし、ニフティなどのパソコン通信で原稿のやりとりをしたり……。

とはいえ、当時はまだ回線がダイヤルアップで、データを送るのにも受け取るにも時間がかかってひと苦労でしたね(笑)。長野オリンピックの数年前、1994年頃のことです。当時の印象としては「回線のスピードさえ解決すれば、あとはどうにでもなる」という実感を持ちました。南魚沼への移転構想は、この軽井沢の実験サテライトオフィス体験が原型になっています。

コスト削減が全面移転の第一理由

2006年に編集部の全面移転を決断した背景には「コスト削減」という非常に現実的な理由が第一にありました。僕らのような小さな会社が、大手出版社から出される競合誌との熾烈な戦いに勝って生き残っていくためには「コスト削減」が絶対条件。簡単に言うと、高い固定費が発生する都心を離れなければならない状況に追い込まれていた(笑)。

まず、いくつかの候補地が挙げられました。最初に話に出たのはタイのプーケット、次に中国の大連。大連は日本語を話す人がたくさんいるからいいんじゃないかという話まで発展したのですが、中国で会社を作るにはいろいろと大変なことがわかり、やはり日本国内で候補地を探すことに。?

東京からのアクセスの良さなどを考えて、候補地は那須塩原、軽井沢、越後湯沢、熱海の4ヵ所に絞り込まれました。中でも軽井沢は以前の経験があったのと、取引先の野菜農家さんがいらっしゃって馴染みがありました。一方、越後湯沢にも取引先の農家さんがいらっしゃって、こちらはお米が専門。最終的には、現地の物価や現地のパートさんの時給までくまなく調べていったところ、圧倒的に越後湯沢の方がコストダウンできるということがわかったんです。それで新潟に移転することを決意しました。

社員はその時 編集部チーフ・吉澤早苗さんの場合
九段下まれの都会っ子。最初は虫がとにかく苦手だったが、今は結構平気ですと、編集部チーフの吉澤早苗さん

Q.南魚沼に移住されて、周りの反応は?ご自分では何が変わったと思われますか?

26歳の頃にこちらにやってきた私は、移転したメンバーの中で最年少でした。私は生まれも育ちも東京の九段下で、根っからの都会っ子。新潟への転居を決めた時も周りは半信半疑でしたね。両親もすぐに音を上げて帰ってくると思っていたようで(笑)。今でも「なんで引っ越したの?」と言われることがありますが、なんとなく流れに乗って……という感じでしょうか。雑誌への思い入れもありましたし、20代のうちに、こういうチャレンジをするのも面白いなと思っていました。?

新潟に来て何が変わったかというと、まず“アウトドアな人”になりました。それまでは完全にインドア派だったんですけど、山登りが趣味に。それとスキー場の目の前に住んでいるので、冬はスキー、さらにバックカントリースキーもやるようになりました。東京に住んでいる時に比べたら、豊かに暮らしていると思います。こちらは時間の流れがゆっくりなんですよ。

次のページでは、移住の際の不安や、移住して劇的に変わったとおっしゃられる、生活環境のことをお聞きしました。

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