ホーム > 瀬戸内海・直島のアートをめぐる冒険~お年寄りが誇りを持つ、地域活性化のカギを探る~

特集

直島町観光協会副会長・奥田俊彦さんに聞く “直島のこれまでとこれから”

年々増える観光客、「アートの島」を誇りに思う島民たち。

きっかけは“産業廃棄物の不法投棄問題”

直島に観光協会ができたのは、2003年です。そのきっかけになったのが、産廃処理施設の建設でした。当時、豊島に産業廃棄物の不法投棄問題が起きて、それを解決するために「豊島産業廃棄物等中間処理施設」を直島に作ったんですわ。普通の土地だったら「産廃処理施設を建設する」ということになれば住民の反対運動が起こりそうなもんですが、直島の島民は表立って反対する人はいなかった。もともと製錬所があったから、そういうことに島民は慣れておったのかもしれない。直島は他の島のゴミ処理を気持ちよく引き受けたことによって、県の離島振興策もすぐにやってもらえたように思います。直島町観光協会がスタートした当初は、産廃処理施設の問い合わせ対応がほとんどでしたね。

島民みんなが「アートの島」を誇りに

観光協会がスタートした翌年、2004年に地中美術館がオープンして、観光客が5万9千人から10万7千人に倍増したんですわ。それからは毎年うなぎ上り、2009年は36万人の観光客の方々が島を訪れてます。もともと島内に旅館は2軒しかなかったのが、今は30軒に増えました。もともと空き家だった家を改造して泊れるようにした民宿も多く、島民のみんなが観光客を受け入れようとしています。家プロジェクトのある本村地区の人たちは、家の周りをきれいにするようになった。観光客に見られるようになって、意識するようになったんだね。みんな「アートの島」を誇りに思っています。

SANAA“海の駅 なおしま”
写真:渡邉修

住民との対話

島で最初にカフェをオープンした「まるや」の大塚さんには、「アルコールは売るな」というアドバイスをしました。あの辺りは昔からの風習で飲んだり食べたりするお金は「ツケで払う」ところで、店がなかなか立ち行かない。だから、そこだけは気をつけるように言ったんです。今は「移住して商売をやりたい」という人たちが増えて来ているから、そういう人たちには、とにかくお金をかけず、物件は買わずに借りて商売をやるようにと言っています。元がとれなくては困るでしょう。移住してくる方は大歓迎ですが、物件探しは自力でやってもらうように言っています。まずは住民と話してみる。そこから始めてもらえればと思いますね。

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