
我が国は、いよいよ人口減少時代を迎えました。人口減少社会は、社会経済システムのみならず、家族や個人のライフスタイルに至るまで、さまざまな影響を及ぼすものと考えられます。特に、多くの地方においては、引き続く人口減少により活力の低下が懸念されるなど、一層厳しい状況が見込まれています。一方で、発想を転換すれば、私たち日本人に新しい豊かさをもたらすチャンスでもあるといえます。
振り返ってみますと、20世紀の我が国は、全体の人口が増加する中にあって、地方から都市への著しい人口移動により都市化が進展し、「工業輸出立国」として、世界的にも類まれな高度成長を実現しました。その一方で、自然環境に恵まれた山紫水明の国土は大きなダメージを受け、また、物質的な豊かさを追い求めるあまり、人びとの間の心のゆとりや、きずなが失われるといった問題も生じました。
このような中、我が国は、都市と地方が共生し、国民一人ひとりが健康で心の豊かさを実感できる社会の実現を目指すべき時代を迎えています。生活の質や多様な価値観が重視されるようになった今日、豊かな自然環境に恵まれた地方は、いわば21世紀の「ニューフロンティア(新天地)」と言えます。このニューフロンティアは、健康で人間らしい生活や新たなロマンを求める人びとにとっての理想郷であり、また、企業にとっては、新たなビジネスチャンスの宝庫でもあります。
団塊の世代の大量退職の時期を迎え、都市から地方への移住や地域間の交流の気運が高まっている今こそ、私たちは、このうねりを国民的な運動に高めていくことにより、この国に住むすべての人が健康で心豊かになり、また、この国を支えるすべての地域に活力がみなぎるようにしたいと考えます。
そのためには、移住・交流希望者の多様なニーズに的確に対応し、魅力的な生活サービスを総合的に提供できる体制が必要です。このため、従来の取組にはないビジネスの視点を取り入れ、民間と自治体の連携・協力のもと、住民の方々が積極的に参画する仕組みを構築することを目的として、広く各界の知恵と力を結集し、ここに「移住・交流推進機構」を設立するものです。
平成19年8月30日
発起人代表 島田 晴雄