2010年12月09日
この地の言葉: のめる。

うちには大きな鬼胡桃の木があって、毎年沢山の実をつけます。
鬼胡桃は縄文の時代から日本に自生していた和胡桃で、洋菓子に使うカリフォルニア産の胡桃とは違って殻がとっても硬く、おしゃれな胡桃割りでは割れません。 鬼胡桃専用の胡桃割り(大工道具のような)が河童橋に売っています。
近所のお年寄りは昔はよく胡桃味噌を作ったとおっしゃいます。 金槌で割ったそうです。
田舎でも都会と変わらない食生活が出来るこの頃は、もう鬼胡桃を拾って割って食べようなんて人はそういません。
私は折角の我が家の収穫物ですので、せっせと拾い集め、一年中胡桃入りパンやケーキ、クッキーを焼きます。
割り方は大昔の縄文人の方法。 彼らは湿した胡桃を土器に入れ、囲炉裏の火の上で炒ったのです。
ただ私は現代風にオーブンでローストします。
うちの鬼胡桃はニホンリス、野ネズミ、ハシボソガラスなどにも大のご馳走です。
彼らはこの固い殻をそれぞれ固有の方法で割ります。
先日、アスファルトの農道で胡桃を銜えたハシボソカラスを見ました。 彼は道路に胡桃を下ろすや否や、片足で抑えながら尖った嘴で烈しく連打しました。次に嘴を少し開けて胡桃を盛んにいじくり回しましたあげく、銜えて1,2mの高さに飛び上がり、パッと胡桃を落しました。ヒビが入っていないかと調べる風にした後、再び烈しく嘴で突きました。この一連の動作を3,4回繰り返した後、胡桃を銜えて飛び立ちました。 その後どうしたと思いますか? 田んぼの脇に“のめた”のです。
“のめる”とは“埋める”ことです。
土の湿気で殻が柔らかくなるのを待つのでしょうか、春に芽が出て、殻が割れるのを待つのでしょうか?
現に、実生の鬼胡桃の苗の根元がほじくられ、苗の栄養となるはずの実がなくなっていることがよくあります。
カラスは発芽胡桃を食べるのです。
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