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父親の作るいちごの味に魅了され、今年3月に新規就農した八木岡岳暁さん。自らECサイトを立ち上げ、いちごや乾燥いちごの販売を行っているほか、人気パティシエ・鎧塚俊彦さんの店舗と契約を結んだり、いちごを使ったアイスやコンフィチュールの開発など、積極的に事業を拡大している。一見、順風満帆に見えるが、その裏には、農業の新たなるスタイルを確立すべく奔走するひたむきな姿と、未来の農業に対する確固たるビジョンがある。彼自身が見据えるビジネス論について、話をきいた。
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僕が就農してから約半年でここまでこれたのは、一言で言うと運がいいとしか言いようがないんです。けれど、考え方がある程度的を得ていたとも思うんです。
僕が就農する前の時点で、同期の方がどんどん起業をしているのを目の当たりにして、僕自身はどんどん落ちぶれていってるように感じたんです。一人でやろうとするのは無理だから、協力者とか仲間とかと協力し合いながらやっていくしか成功する道はないなと感じていて。
そんなとき、ある方から、「農家のこせがれネットワーク」(「これからの農業標準をつくる」をコンセプトに活動する団体)代表の宮治(勇輔)さんを紹介されたんです。「農家のこせがれネットワーク」の仲間がものすごいポジティブで、モチベーションが高くて、実行力があって。そういう人の中で、切磋琢磨しながら行動できたから、いい方向に向かっていったんだと思います。
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以前に比べて、やりがいは増えました。サラリーマンの時にいただいた名刺の数に比べると、約半年で3倍以上の名刺を交換しています。いろんな人と交流して、お話をして、名刺交換して――っていうのは、今あるべき農業のスタイルなんじゃないかと思うんです。
僕が本当に目指したい農業というのは、経営40%・マネージメント40%・ものづくり20%で農業をやることなんですね。これは、ある本 (『農で起業する! 脱サラ農業のススメ』杉山経昌著)のなかの言葉なんですけど、その数字にものすごく納得してるんです。今までの農業というのは、販売は専門の卸売業者の方々にお任せしていたから、自分でどういう風に販売して、自分の作った作物の魅力を伝えていくかということは、やってる暇もなかったんです。
僕もものづくりの精神はすごく大事だと思っているけど、品質を維持した上で、マネージメントと経営にしっかりと力を注いでいかないと、企業がどんどん農業に参入してくる中で、一農家として存続が難しい状態になってきます。そういうことを考えると、コスト管理もしっかりとしていきたいんです。

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僕が今までに手掛けた加工品は、干しイチゴとジャムです。それは、家族の協力とちょっとした発想の転換で、なんとかできた。けれど、今回新たに作ったアイスの品質は、家族だけではできないんです。
僕が今の農家さんに声を大にして言いたいひとつの要素が、このアイスの中に凝縮されているんです。それは、いろんな方とタッグを組んで良い物を作るためには、農家の従来の壁を乗り越えないといけない。従来の壁を超えて、農家が企業とコラボレーションできるような体制を整えると、こんなにすごいものができるんだよっていうことなんです。僕の務めは、こういうことをやりたかったけどできなかった農家に、出来るということを伝えていくことだと思っています。これは、決して、ただのアイスクリームではないんです。僕の夢の塊なんです。

鎧塚さんとの契約で、いろいろなメディアに出る機会も増えました。純粋に応援してくれる方もいますし、見むきもしないような方もいますし、面白くないと思ってる方もいらっしゃると思います。けれど、成功されてる方は、必ず衝突があった上で、それを乗り越えてる方がほとんどです。自分の私利私欲のためだけじゃなく、一生懸命さが徐々に伝わっていくと、みんなが一丸となって良い方向にいく。それが最終的な目的です。けれど、それは本当に難しい。まだまだ先は長いですね。
ハートフルファーム 土の香 http://www.tonoka.net
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