Interview隊員インタビュー

Vol.82 鳥取県琴浦町   -   高橋 龍太・太雅 さん ご兄弟兄弟で刺激し合える関係性を目指して

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

<兄:龍太さん>鳥取大学生時代に参加した「子どもたちと海で遊ぶボランティア」で町のことを知りました。町の皆さんが温かく、いつかこんな人たちと住んでみたいと思っていた時に地域の方から地域おこし協力隊の募集を紹介してもらったのがきっかけです。
協力隊の制度や内容からこのタイミングがベストだと感じ、応募しました。受験までの数日間はお試し住宅を利用したり、任期前から町内に住み始めて情報収集や地域の方々と交流したりもしました。
以前勤めていた職場の方からは、反対されたり応援していただいたり色々でしたが、家族は弟しかいないので特に反対はなかったです。

捕獲された鹿角とともに。

捕獲された鹿角とともに。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

<兄:龍太さん>主に3つの活動を行っています。
①狩猟活動
田畑を荒らす猪を中心に捕獲・解体・調理まで行います。家から車で10分のところに日本猪牧場という食肉解体場があるため、毎週通って解体の修行をしています。
②狩猟者団体設立
鳥取県内の若手狩猟者やジビエ・野生鳥獣に関心のある若者を中心に「カサドール」という団体を設立しました。狩猟技術の向上やジビエ料理研究、皮なめしなど活動の企画・運営をしています。詳しくはQ6に記載しています。
③日替わり店長の店
地域内外の人たちが日替わりで店長をする店、Café&Bar「鳥の巣」を後輩の河島匠隊員と運営しています。「バーをしてみたい」「将来レストランを開きたい」という思いをもった方々に1日店長になってもらい毎日日替わりで違うメニューを出すという方式です。1番人気は「坊主バー」という現役のお坊さんが厨房に立ち、カウンター越しに何でも話せる日です。

<弟:太雅さん>民泊やゲストハウスのような簡易宿所の開業運営を目指しています。入隊直後から町内の空き家を探していて、現在はいくつかの物件を見つけ、候補を絞りながら開業に向けて準備しています。また先輩・河島匠隊員と兄が運営するCafé&Bar「鳥の巣」で「こどもえがお食堂」をしています。今後「鳥の巣」だけでなく町内の施設を利用して、子どもたちの居場所づくりをしていきたいと考えています。

猪を解体する様子。撮影用の特別写真です。

猪を解体する様子。撮影用の特別写真です。

Cafe&Bar「鳥の巣」にてこども食堂を月一回営業しています。

Cafe&Bar「鳥の巣」にてこども食堂を月一回営業しています。

<兄:龍太さん>
ある一日の活動
8:00起床 → 8:30山へ → 10:30ジビエ料理試作 → 13:30猪解体の修行 → Café&Bar「鳥の巣」店舗整備 → 19:00会議 → 21:00夕食 → 22:00twitter → 24:00就寝
<弟:太雅さん>
ある一日の活動
8:30起床 → 9:00出勤 → 12:00民泊物件探し → 13:00こども食堂準備 → 17:00食堂開店 → 20:00閉店、夕食 → 21:00片付 → 23:00家事 → 24:30就寝

Q3.実際に暮らしてみた印象を教えてください。

<兄:龍太さん>冬寒いことと夜暗いこと以外は最高です。暮らす前のイメージ通り、温かい人が多いのが特徴的です。健康を気にかけてくれて夕飯に招いてもらったり、畑で採れた野菜などをくださったり。海も山もあるので様々な野外活動ができるし豊富な食材で各シーズン毎に旬で美味しいご飯が食べられます。めちゃくちゃ住み心地が良いです。

<弟:太雅さん>協力隊になる前に何度か兄の家に泊まることがありました。「冬が寒いこと以外は最高」と兄から聞いていたので、琴浦町に住んでみたいと思っていました。実際に住んでみて、大阪にいた頃より6kg減量できました。ご近所さんに野菜をいただけたり、徒歩圏内に飲食店やコンビニがない(笑)ことで毎日自炊するようになり、健康的な食生活を送られるようになりました。

兄弟仲良く活動しています。

兄弟仲良く活動しています。

Q4.兄弟で同じ時期に活動してみてどうですか。

<兄:龍太さん>活動をサポートしてもらえたりと助かっている部分が多々ありますが、今後も傷の舐めあいではなく、お互いに刺激しあえる関係性を目指していきます。現在古民家でシェアハウス中なので、情報交換や困りごとの相談なども気軽に行うことができています。太雅も狩猟免許取得に動いているので、これからは兄弟で狩猟に出かけたいです。

<弟:太雅さん>兄は変人ですが(笑)、町内の交友関係が広く、弟である僕も以前からいたかのようにスッ!と町に馴染むことができたのはとてもありがたいことです。兄が変人(面白い人)であることを地域にもっと知ってもらうため、しっかり兄の引き立て役を務めたいと思います。またこれからは兄と同様に狩猟をします。互いに技術を高めていける存在になりたいです。

猪と鹿の皮なめし体験会を開催。京都の皮なめし職人・山口さんにご指導いただきました。

猪と鹿の皮なめし体験会を開催。京都の皮なめし職人・山口さんにご指導いただきました。

DIYでポストを作成する様子。

DIYでポストを作成する様子。

Q5.今後取り組んでみたいことと地域おこし協力隊への参加を考えている方へアドバイスをください。

<兄:龍太さん>まず、今後取り組みたいことですが、今年の2月から「カサドール」という団体を立ち上げました。狩猟技術の向上や情報交換を目的に、鳥取県内の新人狩猟者3人でスタートしました。
鳥取県内のハンターさんに罠の講習をしていただいたり、ジビエ料理店に行ってジビエの勉強をしたりしています。現在は、30代男女を中心に30名ほどで集まっています。狩猟免許を持っていなくても、ジビエ料理や野生鳥獣に関心のある人が集まっていますが、今後は狩猟者育成や皮・角・蹄の加工、全国の狩猟や有害鳥獣対策を行う団体と連携していきたいと考えています。また個人としては一人前の狩猟者を目標にしています。
協力隊を考えている方へのアドバイスは、現地の協力隊員に直接会ったり、twitterなどのSNSでコンタクト取るなどして情報収集をするのが良いと思います。

<弟:太雅さん>今後、町にある古民家をゲストハウスのような簡易宿泊所として開業することを目指しています。時期は来年を目標にしています。また今期12月に狩猟免許の試験を受けます。任期後は、宿と狩猟と子どもの居場所づくりをしたいと考えています。
協力隊に関するアドバイスですが、入隊直後はまず町内に挨拶周りをし、できるだけ町民の方々に顔と名前を覚えてもらうようにすると、行動を起こしやすいと思います。また町内イベントに積極的に参加することもオススメします。ブログやツイッターでの情報発信も大切です。

廃校になった保育園を活用したカフェで月一回ジビエ料理を提供。地域のお母さん達と作ります。この日はハンバーグ。

廃校になった保育園を活用したカフェで月一回ジビエ料理を提供。地域のお母さん達と作ります。この日はハンバーグ。

地域イベントで使う竹灯籠を作る様子。

地域イベントで使う竹灯籠を作る様子。

PROFILE / 高橋 龍太 さん

高橋 龍太 さん
年齢
27歳
着任年月
2015年4月
出身地
大阪府藤井寺市
前職
大阪いずみ生協
隊員になって良かった事は?
全国のおもしろい活動をする人たちに出会えること。仕事がめちゃくちゃ楽しいと思えるなど常識に捉われない自分らしい価値観を見つけられること。

PROFILE / 高橋 太雅 さん

高橋 太雅 さん
年齢
24歳
着任年月
2017年4月
出身地
大阪府藤井寺市
前職
市労働組合
隊員になって良かった事は?
新鮮な野菜をご近所さんからいただくことがあり、健康的な食生活ができるようになったこと。都会に住んでいる時にはなかった、地域の方々との交流が楽しいこと。

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