JOIN 移住・交流&地域おこしフェア 2024 レポート

JOIN 移住・交流&地域おこしフェア 2024 レポート

全国から300を超える団体が出展した「JOIN移住・交流&地域おこし フェア2024」が、2024年1月13日(土)〜14日(日)の2日間、東京ビッグサイト南1ホールで開催されました。
会場には、「移住・交流相談ブース」、「地域おこし協力隊募集ブース」に加えて、ワーケーションやふるさと納税などについて知れる「関係人口ブース」、就職・就農相談や地域活性化につながるサービスを紹介する「企業ブース」が設けられ、2日間延べ520ブースが出展!
今回はなかでも勢いのあったブースや、地域おこし協力隊の現役・OB・OG隊員、熱心に話を聞いていた来場者の声をレポートします!

現役協力隊

青森県むつ市

小池さん (写真:左)

村上さん (写真:右)

写真

どのような業務をしていますか?

小池さん:「むつ市海と森ふれあい体験館」の管理業務のほか、子どもたちにジオパークの話をしたり、SUPやカヤックを教えたりとさまざまなアクティビティを担当しています。

村上さん:いるかウォッチングのナビゲーターをしたり、子どもたちに向けて海洋生物を学ぶ講座を開いたりしています。

協力隊になってよかったことはなんですか?

小池さん:私たちは、NPO法人シェルフォレスト川内に所属する形で隊員を務めています。
やってみたいアクティビティを発案して、実行に移せる自由さが大きな魅力です。

村上さん:協力隊だからこそ、地域の方もとてもあたたかく歓迎してくださり、日々多くの方に出会えます。そして何よりも、大自然に囲まれた環境が素晴らしいです。夜は満天の星空、目の前には真っ青な海があり、海と生き物が大好きな私にはこの上ない場所!ご飯もおいしくて幸せです。

退任後のイメージや、今後の活動はどのように考えていますか?

小池さん:NPO法人に就職し、むつ市に定住したいと思っています。協力隊の活動を終えたあとも、みんなが長く住み続けられるように、事業収入を持続的に得られるビジネスの仕組みを作っていきたいです。

村上さん:現在隊員1年目なので、まだ定まっていません。暮らしの中で、継承していきたい文化を見つけて事業化していくなど、動きながら考えていきたいです。

協力隊希望の方へ、メッセージをお願いします!

小池さん:地域の方は「むつ市には何もないでしょう」とおっしゃるのですが、大自然と温泉とあたたかい人柄と…。むつ市に関わらず、外から来たからこそ、その地域にある豊かさ、良さをたくさん見つけられるはずだと思います。

村上さん:むつ市には、生態系の豊かさなど、人が作れないものがたくさんあります。“私はここが好き”と思える、自分なりの観点で移住したい地域を見つけていってほしいです。

埼玉県秩父市

西村さん

写真

どのような業務をしていますか?

移住支援金や空き家バンクの受付、現地案内のガイドや、移住検討者に向けたイベント企画運営も行っており、秩父初心者ツアーや交流イベントなども開催しています。
また、副業で映像制作の仕事もしていることから、そのスキルを活用して、秩父のPR動画や移住者インタビュー動画なども制作しています。

協力隊になってよかったことはなんですか?

地域の方と交流できることです。秩父には国の重要無形民俗文化財に指定された「秩父夜祭」、埼玉県の無形民俗文化財に指定された「秩父川瀬祭」など、非常に大規模なお祭りが行われており、その文化に触れられるところも大きな魅力です。
“新参者”に対してとてもオープンなのも秩父の良さ。御神輿に参加させてもらったときは、「受け入れてもらえた!」という喜びが大きかったです。

退任後のイメージや、今後の活動はどのように考えていますか?

秩父に暮らしながら、映像制作の仕事を続けていきたいと思っています。
協力隊の活動の中で地域とのつながりが強くなり、「そのスキルを使って、こんな業務を任せたい」と仕事の話が舞い込むことも少なくありません。培ったネットワークを生かして次のキャリアにつなげられるのも、協力隊での3年間があるからこそだと思っています。

協力隊希望の方へ、メッセージをお願いします!

移住予定の地域に対して、“ここが好き!”と思う気持ちが何よりも大切です。その気持ちがあれば、地域の人たちのために、地域の魅力をもっと広めていくために…とアイデアも出てくるのではないでしょうか。地域イベントへの参加を通じて、新しいコミュニティとの出会いを楽しめる人は向いていると思います。

高知県高知市

吉田さん

写真

どのような業務をしていますか?

ミッションは、市の沿岸部の活性化です。閉校になった小学校を「地域おこし学校」(こうちみませ楽舎)として運営しており、教室内容の企画・運営を担当しています。
その他の活動は、大学時代に出演した特撮ドラマの20周年記念映画の制作に携わりました。本作の高知ロケ誘致を企画し「映画×地方創生」を前面に打ち出したプロジェクトを進行中です。

協力隊になってよかったことはなんですか?

地域住民の方との、心の距離が近くなったことです。地域の課題や歴史を教えてもらう機会が多く、地域内と外を結ぶ役割を少しはできているかなと思っています。
映画制作では、高知城や市の沿岸部など、地域の皆さんにとってなじみある場所をロケ地にしたことで、自治体職員の方もとても喜んでくれて、その姿を見られたことが何よりもうれしかったです。

協力隊希望の方へ、メッセージをお願いします!

高知市は30分以内で海にも山にも行けるコンパクトシティ。1泊2日でも十分楽しめるので、ぜひ一度訪れて、おいしいごはんをめいっぱい食べていってほしいです。
移住を決めるのは人生でも一大イベントだと思います。自分の強みをしっかり理解した上で、何ができるのか、どんな形で地域に還元できるのかを考えることが大切です。どんなスキルも発揮できる土壌はあると思うので、皆さんからのご応募をお待ちしています!

出展団体

島根県 一般財団法人
地域・教育魅力化
プラットフォーム

丸谷さん (写真:左)

写真

活動内容を教えてください

地⽅の⾼校に⾃由に進学できる「地域みらい留学事業」を⼿掛けています。現在、提携しているのは全国110校以上。⾃分が⽣まれ育った場所に関係なく、学びたいところで学べる、という機会を提供したいと考えています。

事業ができたきっかけや、島根県を拠点に活動している理由はなんですか︖

地域みらい留学事業の前⾝となった活動が、島根県隠岐の島でスタートしたからです。⼈⼝減少や少⼦化に悩んでいた中、「島全体が1つの学校」というコンセプトを打ち出し、全国から⾼校⽣を募集。学校の外に⾶び出して地域のリアルな魅⼒や課題、多様な⼈の中で学べる環境に魅⼒を感じて⾼校⽣たちが来てくれるようになりました。地域の外から多様な⽣徒が来ることで刺激にもなり、地域も魅⼒を再認識できることから、このような活動を全国に広げよう団体が⽴ち上がりました。

どんな人を募集していますか?

地域と学校をつなぐ「地域教育コーディネーター」を募集しています。仕事内容は、生徒募集のための活動と、留学生の子どもたちが学校を飛び出して地域でも学びの機会を得られるような、橋渡しをすることなど、地域や学校によって様々です。
募集にあたり、合同説明会を実施しているので、興味のある自治体や業務内容を検討してもらい、ぜひ、自分にあった地域を選んでほしいです。

今後の展開について教えてください

現在は、各地域でコーディネーターが魅力を発信していますが、これからは地域同士がつながりあい、学び合えるような連携を増やしていきたいと思っています。
いろんな年代の人と出会い、地域のリアルな課題に触れ、「どうしたら解決できるだろう」「もっと魅力を伝えるにはどうしたらいいだろう」と自由に発想し動ける方に来ていただきたいです。

福島県玉川村

田村さん

写真

福島県玉川村の魅力を教えてください

福島県の中通りに位置する、人口6200人の小さな村です。基幹産業は農業で、ごはんのおいしさが自慢です。

地域おこし協力隊の仕事内容はなんですか?

2024年2月現在、13人の隊員が活動しており、2024年4月以降も8人募集予定です。
12人それぞれがミッションを持っており、交流人口・関係人口を増やすための事業促進を担っています。その一つが、自転車を使った観光事業。「サイクルヴィレッジたまかわ」というコンセプトを打ち出し、BMXやスケートボードなどのアーバンスポーツの推進も行っています。

移住を希望されている方にメッセージをお願いします!

隊員を多く受け入れてきた経験値に基づき、一人ひとりの個性や強みを発揮できるフィールドを用意して全力でサポートしていきます。村内には、隊員活動を終えた後に起業した方や、特産品PRの仕事で定住を決めた方もいます。一緒に地域を盛り上げていきたいと思ってくださるバイタリティのある方に、ぜひ玉川村を訪れてほしいです。

協力隊希望者

大学生

石川さん

写真

協力隊に興味を持ったきっかけは?

旅行が趣味で、これまでいろんな地域を一人旅で巡ってきました。地域の良さに気づき、何かできることがないかなと考えるようになり、地域おこし協力隊の存在を知りました。
現在大学3年生なので、将来の選択肢の一つとして話を聞きたいと思いました。

希望している地域はありますか?

とくに定めておらず、その地域で「どんなプロジェクトの仕事があるのか」の方が大事です。
新たな取り組みに挑戦し、柔軟なアイデアや企画に積極的な地域に行きたいですね。
個人的にやりたいことは、大好きなサウナを作ること。3年間の隊員の活動を終えたときには、その地域でサウナ事業ができるくらいまで動いていきたいです。

移住に対して不安なことはありますか?

地域によっては、少子高齢化が進み、人口の少ないところもあると思います。そこに若者が入っていって受け入れてもらえるのかな…という不安は少しあります。

フェアに来てみてどうですか?

多くの自治体の話、隊員の活動の話を聞けたからこそ、自分の興味が惹かれるところと、惹かれないところがはっきり分かれるんだな…と気づくことができました。
話を聞くだけではなく現地に行くことが大事だと思えたので、次は“お試し定住制度”などを利用してみたいです。地域おこし協力隊になるために、やるべきことが明確になったのが収穫でした!

大学生

田垣内さん

写真

協力隊に興味を持ったきっかけは?

将来は、食品関係で特産品を使った開発や食のイベント企画に携わりたいと思っています。大学の先生に就職相談をしたところ、協力隊という存在を教えてもらい興味を持ちました。どんな活動内容なのか具体的に知りたいと思い、フェアに来ました。

希望している地域はありますか?

今は特になく、情報収集のために福島県や新潟県など10以上のブースで話を聞きました。どの地域にも特徴があり面白かったです。地域課題に向き合いながらも、自分がやりたい食関連の仕事ができるところを見つけたいです。

移住に対して不安なことはありますか?

地域社会に馴染めなかったらどうしよう、行っても何の貢献もできなかったらどうしよう…という不安があります。でも、自分が決めた道であれば、最後まで責任をもって任務を全うしたいです。

フェアに来てみてどうですか?

規模が大きく、回っているだけで楽しいなというのが純粋な感想です。全国300もの地域が一つの会場に集ってくれるなんて、移住先を絞っていない私にはとてもいい情報収集のチャンスだなと思いました。

ステージ登壇者

先輩移住者に聞く!
本音の地方暮らし

わかやま地域おこし協力隊
ネットワーク

橋本 美奈

NPO 法人 MEGURU

横山 暁一

地域おこし協力隊として移住し、その後も定住している二人がステージに登壇。
ステージでは、移住のきっかけや、移住先を決めた経緯など、盛りだくさんのエピソードを交えてリアルな体験談を教えてくれました。登壇直後の二人に、あらためてお話を伺いました。

写真

現在の活動内容を教えてください。

橋本さん:わかやま地域おこし協力隊ネットワークを仲間と設立して、 地域おこし協力隊制度に関わる方々のサポートをしています。

横山さん:長野県塩尻市を拠点に「NPO 法人 MEGURU」を立ち上げ、地域企業の人材育成、中高生のキャリア教育や大学生のインターンシップサポート、関係人口と一緒に地域課題解決する関係人口創出活動を進めています。

地域おこし協力隊に応募し、移住しようと思ったきっかけは?

橋本さん:アパレル業界で働いていた28歳のとき、「30歳以降の人生このままでいいのかな」と考え、仕事も住む場所も変えたいと思って動きました。アパレルは流行に敏感な業界で、流行にのるということも楽しいですが、それが自分自身の選択なのか…という部分に疑問を持つようになり、「私が自分の判断で選択していく」という場所に身を置こうと思いました。

横山さん:以前は愛知で暮らしていましたが、自宅と職場を往復する毎日で、ほかにコミュニティがありませんでした。あるとき、鳥取県の地域の方とかかわる機会があり、家と仕事のほかに、一緒に活動する地域仲間のコミュニティがあることに感動。豊かな人生だなと思いました。
長野県塩尻市とはたまたまご縁があり、妻が長野出身だったこともあり、親近感がありました。地域の方と実際に話したときに、「この方たちとなら一緒に活動できる」というフィーリングの良さを感じ、移住を決めました。

協力隊になって、忘れられない印象的なエピソードとは?

橋本さん:3年の協力隊の任期を終えるとき、「地域おこし協力隊が来て地域がどう変わったか」を、いろんな方にインタビューし動画を作成しました。そのとき、ある農家さんが「意識が変わった」と言ってくれたことが印象に残っています。「地域外の方からの“本当においしい!”という声は、自信につながる」と、とてもうれしい言葉をいただきました。 これから協力隊を目指す方の中には、何のスキルもなくて大丈夫かなと不安に思う方もいると思います。 ですが、それよりも大切なのは、柔軟な発想でその地域の良さに気づくことであったり、地域の方と一緒に未来を考えていこうという姿勢なんじゃないかな、と思います。

横山さん:あるとき、塩尻市内の66の区長を集めて講演を行ったことがありました。どんな感想をもたれるだろうと不安でしたが、終わったあとに、皆さんがとても感動してくれたんです。「外から来た方が、こんな熱量で地域活動に取り組んでいる」「本来は私たちがやらなくてはだめだ!何か一緒にできることはないか」と熱い言葉をいただけて、地域活性への可能性を感じました。これからもこの地域に住む一員として協力し合っていきたいと改めて思いました。