JOIN 移住・交流&地域おこしフェア 2019
地域おこし協力隊募集ブース レポート

JOINフェアレポート 地方に新しい暮らしを探しに行こう 地域おこし協力隊募集ブース編隊員インタビュー
JOINフェアレポート 地方に新しい暮らしを探しに行こう 地域おこし協力隊募集ブース編隊員インタビュー

北海道から沖縄まで全国約500団体が出展した「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」が、今年も東京ビッグサイトで開催されました。会場は「移住・交流相談ブース」と「地域おこし協力隊募集ブース」に分かれ、興味のある自治体の話を、自治体担当者や地域おこし協力隊員に直接相談できるのが特徴です。
地域おこし協力隊募集ブースでは、実際に協力隊として活動している方に活動内容や待遇などを直接聞くことができました。来場者は、すでに地域を絞り込んでいる人から、地方移住時の選択肢のひとつとして話を聞いておきたいといった人などさまざま。真剣に話し込む来場者が多く見られました。

地域おこし協力隊員直撃インタビュー

  • Interview 01新潟県 新発田市
  • 川辺 直子さん
  • 2016年5月着任/神奈川県出身/
    前職:主婦、パン教室の先生
  • 佃 健太朗さん
  • 2016年4月着任/東京都出身/前職:会社員
協力隊に応募したきっかけはなんですか?
川辺さん:2015年の「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」がきっかけでした。子育てが落ち着き、人生を大きく変えてみよう!と思い立ってフェアに来てみたんです。地域おこし協力隊が何をしているのかもまったく知らず、まずは自治体の方の話を聞いてみようと。新潟県には縁もゆかりもありませんでしたが、「新発田市って何て読むんだろう」と気になってブースを眺めていたところを担当者さんに声をかけられました。「来週、地域見学ツアーがあるので来ませんか?」と誘われ、せっかくのご縁とタイミングだし…と軽い気持ちで行ってみることに。そこで新発田市の地域の人々のあたたかさに触れて一気に魅了されてしまいました。ほかにもいろいろな地域を検討しましたが、移住前に地域を見学できるツアーはほかになくて。生活のイメージを具体的に持てたことで、ここで暮らしてみようと気持ちが固まりました。

佃さん:僕は、地域おこし協力隊になりたいというより「新潟に移住したい」が先にありました。
前職の会社員時代に転勤で新潟に住んだことがあり、東京に戻ってきてからも「また新潟で暮らしたい」という思いをずっと持っていたんです。 きっかけは、都内で開催された「農業人フェア」に行き、新発田市の自治体の方と知り合えたことです。話をする中で地域おこし協力隊の存在を知り「農業を学びながら生活できる」ことに魅力を感じて、移住を決めました。
現在の活動とは?
川辺さん:パン教室の先生をやっていた経験を生かし、新発田市でも月に2回、地元の方を対象にパン作りを教えています。集まるのは平均年齢70歳以上の方々で、現在メンバーは22人。ほかにも、地域の女性の皆さんを中心に「趣味の会」を立ち上げ、毎週月曜日にものづくりを楽しんでいます。クルミを輪切りにしたアクセサリーを作っているのですが、皆さん手先の器用な方ばかりで、私も一緒になって楽しんでいます。作品は地元のお祭りで販売し、売上をお祭りの協賛金に寄付するなど、地元を盛り上げる資金にしています。

佃さん:僕は「農業の後継者を育てる」というミッションに参加しているので、地元の農家さんから農業を教わりながら地域活動のお手伝いをしています。育てているのは、お米をメインに野菜を数種類。3年みっちり研修を受けさせてもらい、任期終了後はその農家さんに就職します。
地域おこし協力隊になってよかったと思うときは?
川辺さん:地域の方から「川辺さんが来てくれてよかった」「ありがとう」と言っていただいたとき。活動はすべて地域の方から意見をもらいながら進めているので、アイデアを出し合って一緒に行動できたと感じるときも、とてもうれしいです。

佃さん:僕も地域の方との交流が一番うれしい。「もうすっかり地域の人だね」「まだ3年しかいないの? ずっといるみたいだね」と言っていただけると、馴染めているのかなとほっとします。新発田市は、人があたたかくて時間の流れが穏やか。東京にいたときは仕事でもプライベートでもいつもせかせかしていましたが、移住してからは、何かに追われているような感覚が一切なくなりましたね。
これから協力隊になる人へのアドバイスはありますか?
川辺さん:大きなことを成し遂げようとしなくていいと思います。やりすぎてしまうと地域の方もついてこられなくなってしまう。小さなことの積み重ねで地域の声を少しずつ吸い上げていくだけで、周りは十分喜んでくれます。

佃さん:地域おこし協力隊といっても活動のイメージが湧かず、なかなか行動に移せない方は多いと思います。でも、フェアに足を運んでみると、人とのつながりが生まれ、情報が入ってくるようになり、一気に話が進んでいきます。迷っていたら、まずは一歩踏み出してみては。リアルな情報に触れてみると、「挑戦したいな」というアンテナが動くかどうかが分かりますよ。

  • Interview 02島根県 飯南町
  • 丸山 誉宝さん
  • 2016年4月着任/新潟県出身/前職:大学生
協力隊に応募したきっかけはなんですか?
都内の移住促進センターで、島根県飯南町の「高校魅力化コーディネーター」という仕事を知ったことです。
大学が教育学部だったので、将来は教育に関わる仕事をしたいと思っていました。また、高校時代に島根県内の高校に通っていたこともあり、第二の故郷にまた戻りたいという気持ちもありました。
「高校魅力化コーディネーター」って!?と興味を引かれ、センターのブースで具体的に話を聞くうちに、この仕事をやりたい!と思うようになって。これができるのが協力隊員なら挑戦しようと決めました。
そもそもなぜ島根県の高校に進学したんですか?
少し年上の友人が島根の高校に通っていたのですが、その方がとても大人びていて憧れの存在だったんです。「あんな女性になりたい。同じ高校に通ったら近づけるかもしれない」という単純な理由で、自ら島根留学しました(笑)。
大学は東京だったのですが、島根にいるときの方がのびのび過ごせていた気がして、どこかで戻れる機会を探していたのかもしれません。
現在の活動とは?
学校と地域をつなぐコーディネーターとして、私のように“島根留学”をする高校生の誘致、通学後の生活のフォローをしています。
飯南町は人口がすごく少ないので、まずは地元の高校に通う生徒募集が大きなミッションです。県内外で“島根留学フェア”が開催されているので、飯南町のブースを出し、中学生とその保護者の方に地域の魅力や学校生活について説明します。ほかにも、飯南町のホームページにPR記事をアップしたり、いろいろな地域の中学校にいって説明会を開かせてもらったり。私自身が県外からの留学経験者という強みを生かし、自分の経験を語ることでより具体的に学校生活をイメージしてもらおうと意識しています。
地域おこし協力隊になってよかったと思うときは?
サポートしている生徒が笑顔になったとき。私の話を聞いて留学を決めた生徒さんが「丸山さんのおかげで楽しく過ごせています」「卒業してもまた飯南町に戻ってきたい」と言ってくれたときは、ガッツポーズしたくなるくらい、本当にうれしかったですね。
生徒さんと年齢も近いからか、先生には言いにくい悩みや相談ごとを打ち明けてくれることも。地道で成果が見えにくい仕事ですが、信頼関係が築けたなと実感できるときはやりがいを感じます。
飯南町は人が少ないからこそ、私のような若造にも仕事を任せてくれるし、頼ってくれます。大学時代は、東京の人の多さに、自分がすごくちっぽけな存在だと自信を失うこともありました。でもこっちだと、いるだけで有り難がってもらえる(笑)。自己肯定感がかなり高まって、もっと自分の活動を発信しよう!という積極性が出ました。
3年の任期完了後には、島根の地元企業で事務職に就くことが決まっています。いつか戻りたい…と思っていた島根にこれからもずっといられるのも、協力隊員になったからこそです。
これから協力隊になる人へのアドバイスはありますか?
私は、挑戦したい仕事ありきで協力隊になることを決めました。自分なりに大事にしているものを芯として持っていれば、少し大変なことがあっても「でも、自分はこれをやりたくて、この道を選んだんだ」と立ち戻れます。何でもいいので、選択の軸を大事にしてほしいなと思います。

  • Interview 03福井県 高浜町
  • 松本 悠さん
  • 2017年4月着任/富山県出身/
    前職:ライフセーバー、プールのインストラクター
協力隊に応募したきっかけはなんですか?
前職はプールのインストラクターをしながら、ライフセーバーとして大会にも出場していました。あるとき、大会出場のための必須資格講習会に参加するために、初めて高浜町の海を訪れました。
そのとき目にした海の透明さに衝撃を受け、「こんなにキレイな海が北陸にあるなんて!」と一目惚れしてしまったんです。ほぼ同時期に、ライフセーバーの仲間が「高浜町でライフセーバーの仕事がある」とフェイスブックで地域おこし協力隊の募集を告知。それを見て「これだ」と確信しました。高浜町はライフセービングの先進的な取り組みをしている海として全国的にも有名な地域。自分の強みを生かしながら、ライフセーバーとしての成長にもつながるだろうと、移住を決意しました。
現在の活動とは?
夏はライフセーバーとして働き、それ以外には、地元の子どもたちへの“海教育”を進めています。高浜町の海がこれほど美しい理由、高浜町の海にいる魚の特徴などを、海辺のイベントスペースを使ってレクチャーしたり、小中学校で出張授業をしたり。キレイな貝殻を使ったものづくりワークショップも定期的に開催しています。
地域おこし協力隊になってよかったと思うときは?
白い砂浜と青く透明な海に囲まれて生活できていること。山も近くて自然が豊かなこと。いい環境だなと日々思っています。
何より、子どもたちが海遊びを全力で楽しんでいる姿を見られるのがとてもうれしいですね。今は「海は危険だから一人で遊んじゃダメ」という社会になってきています。確かに危険なところもあるけれど、しっかり知識を得て危機管理ができれば、海はとても魅力的な場所です。そんな良さを伝えて「海って楽しいね」という言葉をもらうと、高浜町に来てよかったなと思いますね。
また、高浜町は観光地だからか外部の人に抵抗がなく、地元の方がすごくオープンに僕を受け入れてくれます。仕事をどんどん任せてくれる懐の広さ、あたたかさに支えられています。
これから協力隊になる人へのアドバイスはありますか?
自分が本当にやりたいことと、その地域が求めていることをしっかりマッチングさせた上で行動した方がいいと思います。そして、移住前に現地に足を運び、地域の魅力を肌で感じること。できれば、地域の方ともやりとりを重ね「こんなことをやりたい」という思いも伝えられるといいですね。いざ動こうとなったときに、スムーズに物事が進むと思います。

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