JOIN 移住・交流&地域おこしフェア 2023 レポート

JOIN 移住・交流&地域おこしフェア 2023 レポート

全国から200を超える団体が出展した「JOIN移住・交流&地域おこし フェア2023」が、2023年1月14日(土)〜15日(日)の2日間、東京ビッグサイト南1ホールで開催されました。会場には、「移住・交流相談ブース」、「地域おこし協力隊募集ブース」に加えて、ワーケーションやふるさと納税などについて知れる「関係人口ブース」、就職・就農相談や地域活性化につながるサービスを紹介する「企業ブース」が設けられ、2日間延べ535ブースが出展!
今回はなかでも勢いのあったブースや、地域おこし協力隊の現役・OB・OG隊員、熱心に話を聞いていた来場者の声をレポートします!

協力隊員

直撃 01 現役協力隊
静岡県浜松市

田代さん

(写真:右から2番目)
写真:田代さん

協力隊に応募したきっかけはなんですか?

もともと沼津市から浜松市に移住が決まっていて、それから地域おこし協力隊の存在を知ったのですが、その時は空きがなかったので協力隊にはなれませんでした。
その後、自分の仕事を考えている時、募集のタイミングと重なったので応募しました。

協力隊になってみて良かったこと、大変だったことはありますか?

8年間企業に勤めてから移住してきました。毎日、地域の人とコミュニケーションを取りながら働くというのは、企業に勤めていた頃とは全く違うので、いつも刺激をもらっています。
浜松の人は世話上手な人が多いです。距離感を大事にしながら、僕らを気にかけてくれます。田舎って、都会の人からするとそういうところがちょっと鬱陶しいと思われがちですが、浜松の人は、本当に困ったな、助けてほしいなと思っている時に現れたりします。ピンチの時に心配して駆けつけてくれるような人が多いので、ありがたいです。

今後、どのような活動を考えていますか?

協力隊が終わっても浜松に残るつもりなので、みんなのためにいろいろな活動をしていきたいです。
今住んでいる場所でゲストハウスをして地域の良さを知ってもらったり、空き商店をコミュニティスペースにして、地域の人同士や地域外から来た人との交流できる場所をつくりたいです。
自分が感じた人の良さを体験してもらいたいというのがあるので、そういう場所作りをしていきたいなと思っています。

地域おこし協力隊に興味を持っている方にメッセージをお願いします!

やりたいと思ったら思い切って飛び込むのが大事だと思います。少しでも興味が湧いたら、ぜひ浜松に来てください!

直撃 02 現役協力隊
山形県小国町

西村さん

(写真:左)
写真:西村さん

協力隊に応募したきっかけはなんですか?

出身が福井県なのですが、大学生の時から町おこしに興味がありました。福井県の魅力が県外の人に伝わっていないな、という課題意識があって、大学では町おこしについて学んでいました。
一度、東京のIT企業に勤めたのですが、コロナになって出勤もできないし、すごく窮屈でした。東京に行ってデメリットしかないなと思ったり、田舎にも帰ってくるなみたいなことを言われたこともあったので、それだったら、どこかの自治体に入って、実地で地域との関わり方を学んでみたいと思うようになりました。フェアなどにも参加して、地域おこし協力隊になろうと思いました。

協力隊としてどのような活動をしていますか?

私は商業振興の部門で採用していただきました。大きくわけると二つにわかれていて、町外向けのPRと町内の活性化があります。町外向けだと、ふるさと納税や、小国町の特産品を使っている通販サイトの更新、また、観光物産展などに物を売りに行ったりします。
町内向けだと、街の飲食店さんのサポートというか、結構おじいちゃんおばあちゃんが多いので、電子決済のやり方や、「本当はインスタをやってみたいけどどうやるのかわからない」といった相談に乗ったりしています。
町にショッピングセンターがあるのですが、活性化の一環で、餅つきイベントやったりもしています。

今後のプランはありますか?

もともと福井に帰りたいみたいなことは言っていたのですが、小国に住んでみて、本当に嫌な人が全然いないのと、おかえりと言ってくれる温かさみたいなのがあって、離れると考えると悲しくなるような場所になりました。もし離れることになってもPRはしていきたいですし、月1で通うという選択肢もありだなと思っています。これからも長く繋がっていきたいです!

協力隊になって良かったことはなんですか?

ベンチャー企業で2年勤めていましたが、広く浅くのスキルしかなく、あまり自信がありませんでした。そのぐらいのスキルでも、「こういうことやってくれ」とか、頼みの綱みたいにしてもらえるのがありがたいです。自信がなかった部分が、逆に自信になりました。それは、東京じゃなくて小国だったからこそなのかなと思います。

地域おこし協力隊に興味を持っている方にメッセージをお願いします!

移住する前は、友達できないだろうなとか、給料少なくなったらどうしようと思いましたが、すぐ友達はできるし、給料も見合った分いただけています。とりあえず、一度町に来ていただけたら良いなと思います!

直撃 03 現役協力隊
岡山県倉敷市

吉田さん

写真:吉田さん

協力隊に応募したきっかけはなんですか?

大学の先輩が倉敷市の協力隊(前任者)をしており、話を聞いていて面白いことをやっているなと思いました。そこから色々調べたり、引き続き先輩の話を聞いているうちに、私自身協力隊になることが自分の人生を振り返るきっかけになると思いました。そしてちょうど先輩が退任される際に後任としてお声がけいただいたこともあって倉敷市の協力隊になることを決めました。

協力隊としてどのような活動をしていますか?

倉敷市の真備町というところが4年前の西日本大豪雨で水害に見舞われました。すでに復興は進んでいる状態ではありますが、次のステップとして「わくわくを創り出す」というテーマを掲げ、アウトドアやスポーツ関連のイベントの企画・運営を通して町を盛り上げる活動を中心に行なっています。

協力隊として活動してみて、いかがですか?

楽しいというところが一番ですね。自分で考えて自分で行動しないといけないので大変な部分もありますが、その分やりがいをとても感じていて、サラリーマン時代よりも生き生きしています。

移住することに抵抗はなかったですか?

私はもともと千葉に住んでいて、縁もゆかりもない倉敷に来たのですが、特に抵抗はなかったです。これまで色々な地域に遊びに行っていた影響もあるのかもしれませんが、日本であればどこでもやっていけるかなという気持ちがありました。

地域おこし協力隊に興味を持っている方にメッセージをお願いします!

地域によってミッションはありますが、基本的には自分のやりたいことにチャレンジできるいい機会だと思います。私もまだ着任して半年しか経っていませんが、すでにやりがいを感じていますし、自分を振り返るきっかけにもなっているので、興味をお持ちの方はぜひチャレンジしてみてほしいです!

直撃 04 OB隊員
兵庫県

上田さん

(写真:一番左)
写真:上田さん

協力隊に応募したきっかけはなんですか?

植木屋で仕事をしている時に、とある幼稚園から木の端切れを工作で使いたいという相談がありました。そこで、兵庫県の竹野町という場所の森林組合に相談してみると「捨てるほどあるから持っていってくれるならタダでもいい」と譲っていただきました。その時に、とある場所では不要なものがとある場所では必要なものになるというところに面白さを感じ、もしかしたらこれで地域貢献ができるのではないかと思い協力隊を志しました。

協力隊としてどのような活動をしていましたか?

私は、兵庫県の豊岡市というところで活動していたのですが、その時は規格外、いわゆるB級の農産物を生産地から消費地に持って行き、付加価値をつけて販売するという仕事をしていました。生産者さんからすると、商品にならなかったものが、商品になるのはとても助かるというお声もいただきましたし、そんな日々のコミュニケーションの中で、自分自身も温かみを感じられて非常に良い経験だったと感じています。

退任後はどのようなことをされていますか?

3年前に協力隊を退任し、今は豊岡市で「地域コミュニティ組織(旧地区公民館区域)」と、行政を繋ぐ中間支援組織を立ち上げ、そこの支援を市から委託を受けて行なっています。その活動をしている中で、兵庫県からも「協力隊個々は頑張ってくれているが横の繋がりが少ない」というご相談をいただき、現在は兵庫県地域おこし協力隊ネットワークとしても関わらせていただいているという状況です。

地域おこし協力隊に興味を持っている方にメッセージをお願いします!

どの地域を選ぶのかは自由ですし、どこでも大丈夫だとは思います。
そして、それが全てではないということを心のどこかにしまっておいてもらえればなと思います。
失敗したからと言って責任を問われることもありませんし、まずは自分ががやりたいことに挑戦する一つのきっかけにしてほしいです。まずはやってみたいと思う気持ちが大事です!

受け入れ自治体

直撃 01
新潟県糸魚川市

回答者 高橋さん

(写真:真ん中)
写真:回答者 高橋さん

糸魚川市の魅力を教えてください。

糸魚川市は日本の国石“ヒスイ”の産地であり「石のまち」として知られています。
また、日本海から3,000m級の山まで、海と山両方の美味しい食材に恵まれた地域でもあります。特に能生漁港で獲れる“ベニズワイガニ”やブランドにもなっている“越の丸茄子”は、さまざまなところで評価をいただいています!

協力隊の活動内容を教えてください。

主に2つの募集を行っており、その一つが地域農業の担い手です。お米やブランドにもなっている越の丸茄子づくりの後継者となっていただける方を2名募集しています。そして、もう一つが地域活性化につながる活動を一緒に行ってくれる方。こちらは決まった活動内容はありませんが、地域に入っていただき皆さんと一緒に楽しめる企画などを考えていただければ嬉しいなと思っています。

現在、協力隊として活躍されているのはどのような方ですか?

現在は7名の方が協力隊として糸魚川市に来ていただいており、2月からはさらに2名が新しく着任予定となっています。
海も山もあるという自然に魅力を感じられた方や、大火復興のために地域を盛り上げたいという想いを持って着任していただいた方がいらっしゃいます。

協力隊を希望される方へのメッセージをお願いします!

糸魚川市は自然も食も豊かな上、地域の方もあたたかいまちです。協力隊として来ていただいた方には、ぜひそんな糸魚川の魅力を満喫してもらい、楽しんで活動を行っていただきたいと思っています!
(募集中の協力隊:https://www.city.itoigawa.lg.jp/6401.htm

来場者

直撃 01
東京都

谷田川さん

(福島県郡山市出身)
写真:谷田川さん

フェアに来たきっかけはなんですか?

地域おこし協力隊に興味を持っており、より多くの選択肢の中から移住先を決めたいと思ったので今回フェアに参加しました。

希望の地域はありますか?

出身が福島なので、福島県か、もともと繋がりのあった岩手県で良いところがあればいいなと思っています。

希望されている活動内容はありますか?

今は教育関係の仕事に就いていて、主に人と関わる仕事をしているのですが、移住したあとは全く違う分野の仕事がしたいなと思っています。
その中でも興味を持っているのが、じびえや山、林業といった分野です。

移住に対して不安なことはありますか?

雪やネット環境など、生活する上での住環境については不安がありますね。田舎は都内と比べて家賃が安いというイメージですが、実際お話を聞いてみるとそうでもなかったり…。あと自分は車を持っていないので、移動手段などにも不安があります。

フェアに来てみていかがですか?

直接地域に関係のある方々から、地域おこし協力隊のお話などを聞けたのはとても大きかったなと思います。実際、今日お話を聞いた自治体さんの中には、自分の興味を持っている分野に積極的に取り組まれているところもありました。また、自分が知らなかった地域のお話を聞けたことも、移住先を検討する上での比較材料になり、自分の視野が広がるきっかけにもなったので、とても良かったです!

直撃 02

川口さん

(京都府出身)
写真:川口さん

フェアに来たきっかけはなんですか?

知り合いで地域おこし協力隊をされている方がいて、お話を聞いてこういう仕事もあるんだなと知って、今回のイベントの開催を知ったので、いろんな自治体さんに詳しく話を聞いてみたいと思って来ました。

希望の地域はありますか?

検討しているのは北海道と、今日お話伺った福井のところがいいかなと思っています。
北海道はもともと興味があったのですが、福井は、今やりたいと思っている観光のPRの仕事ができそうなのと、自分が今やっている仕事が写真関係の仕事なので、何かそこで繋がるのかなということもあり、興味があります。

移住に対する不安はありますか?

あまりなくて、給料も発生しているし、地域によっては車などの公用車の貸し出しがあるというのも教えていただきました。制度もきちんとあるので、むしろ楽しそうだなという方が強いです。

移住時期はもう決めていますか?

まだ検討し始めたばかりなので、すぐではないですが、年内には具体的に動ければなと思っています。

フェアに来てみていかがですか?

各ブースごとに全然違うなと感じていて、面白いなと思います。どの地域もいろんな工夫をされていて、素敵だなと思いました。

ステージ

直撃 01
元会津美里町地域おこし協力隊

長谷川さん

(一般社団法人TORCH)
写真:長谷川さん

長谷川さん経歴:

福島県会津出身。その後東京で進学・就職を行い結婚。
東京での生活を送っている中、旦那さまの「東京以外で暮らしてみたい」という一言をきっかけに移住を決意。会津美里町地域おこし協力隊として活動を始める。
地域おこし協力隊退任後は任期中に立ち上げた「一般社団法人 TORCH」で会津美里町に移住を検討されている方の支援活動などを行なっている。

講演テーマ : 経験者は伝えたい!地域で働く「地域おこし協力隊」から広がる可能性

講演お疲れ様でした。改めて、移住を決意されたきっかけを教えてください。

長谷川さん : 移住のきっかけは、私ではなく夫でした。ある日、東京出身の夫が「東京23区外に住んでみたい」と言い出したんです。はじめは話半分で聴いていましたが、田舎の生活に憧れだけでなく地方への移住に熱を持っていることがわかり、夫婦で移住を検討しはじめました。

移住先を会津美里町に決めた理由はなんですか?

長谷川さん : 私の地元なので、これをきっかけに帰るのが良いかなと思って、まずは会津の中で探していました。夫は、大阪や沖縄など、何度か行ったことのある場所も候補地として検討していたのですが、決め手は義母が岩手出身ということもあり、一度は東北に住んでみなよ、とプッシュしてくださったことが大きかったように思います。

協力隊に興味を持ったきっかけはなんですか?

長谷川さん : ネットなどで求人情報をいろいろ見ていました。その時目にとまったのが、地域おこし協力隊の募集です。当時はあまり協力隊のことを知らなかったので、JOINのHPで調べて「ふーん、こんな制度もあるんだ」という感じで興味を持ちました。

そこから長谷川さんの協力隊として活動が始まっていったのですね。

長谷川さん : そうですね。でも、もしかしたら皆さんは協力隊というと農業やモノづくり、あとは少しクリエイティブな仕事を想像される方も多いのではないでしょうか。
私も、実際に求人を見ている時、お米づくりや職人系の募集が出ていたのですが、東京で普通の会社員をしていた私に、そんなことはできる気がしませんでした。当時、会津地域で移住定住のサポートをする協力隊を募集していたのが会津美里町で、これなら私にもできるかもって思いましたね。

協力隊としてはどのような活動をしていましたか?

長谷川さん : 役場内のデスクで、移住の相談を受けたり、空き家バンクの運営といったことをメインに行なっていました。協力隊は町の人に会うのが仕事だから、と外出しやすい空気をつくってくれたのが、ありがたかったです。役職付の職員さんに案内してもらって出歩いたりもしていました。

写真

協力隊になって、良かったエピソード、大変だったエピソードを教えてください。

長谷川さん : 移住の相談に来てくださった方が、実際に移住して来てくださるのは、とてもやりがいを感じたと同時に責任もありましたね。人の人生の中でも、大きな決断に携わっているのですから当たり前ですよね。でも、ありがたいことに会津美里町は移住して来てくださった方の定住率も高いです。すると、地域の方からも「来てくれてありがとう」「来てくれてから町の見え方が違ってきた!」というお声や、応援の言葉をもらえるようになって非常に嬉しかったです。

大変だったことは、協力隊になった最初の1年ですね。勉強と趣味もかねて、全ての地域行事に参加したのですが、好きなことをしているはずなのにとても疲れました。その時に、地域の方から自分のペースで、自分なりにやればいいとアドバイスをいただいて、肩の力が抜けましたね。

退任後の現在について教えてください。

長谷川さん : 東京に戻るという選択肢はなかったので、会津美里町に残って引き続き移住・定住の支援を行なっています。私は今の生活にもだいぶ馴染んで来ているのですが、相談にいらっしゃる方は何かしらの不安を抱えていらっしゃる方が多いので、私自身も外からきた時の気持ちを忘れず、相手の立場に立ってお話ができるよう心がけています。

最後に、これから地域おこし協力隊を目指す方にメッセージをお願いします。

長谷川さん : 地域おこし協力隊って、文字通り地域に協力していくものと思っています。だから、主役は地域の方で、大事なのはその中で自分がどう力になれるかだと思っています。自分自分というよりは、地域の歴史やこれまでの経緯を理解し、活動に取り組んでほしいと思います。そして、何より責任感のある仕事ではありますが、肩肘を張らずに自分のペースでやってもらえればなと思います!
田舎だからこそ、支えられながら、という人と人との繋がりを強く感じる充実した毎日を、是非楽しんでください!