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田舎暮らし特集

「山形県鮭川村×日本生命保険相互会社」交流会レポート

山形県鮭川村×日本生命保険相互会社(ニッセイ)の交流のはじまり

山形県北部に位置する人口約4,300人の鮭川村。毎年80人から100人ほど人口が減っているこの村で、昨年度から日本生命保険相互会社(以下、ニッセイ)との交流が始まっています。きっかけは村に「ニッセイ鮭川の森」があったこと。人口減少が進む中でにぎわいを取り戻したい鮭川村と森林保護活動を盛り上げたいニッセイとがタッグを組み、両者の課題に取り組んでいます。
平成28年7月29日~7月31日までのプログラムにはニッセイ東京本部から20代~50代の職員計13人が参加しました。

村の人が駅まで迎えに来てくれ、駅前で庭月観音の住職による安全祈願が行われた。

村の人が駅まで迎えに来てくれ、駅前で庭月観音の住職による安全祈願が行われた。

プログラム内容

<1日目>
出発→みやまの里(廃校を活用した施設)で手打ちそばを食べながら鮭川村の勉強→米地区で夕食交流会

<2日目>
米地区散策→ニッセイ鮭川の森で育樹活動→みなもとや(古民家)で昼食→羽根沢温泉入浴→イモ煮会

<3日目>
庭月観音参拝→産地直売所「さけまるくん」でお買い物→帰宅

地域に入り込むことで地域を知る

米地区のみなさんは社交的で交流会は大盛り上がり!

米地区のみなさんは社交的で交流会は大盛り上がり!

アイヌ語で鮭が遡上するところという意味の“ゆんない”が由来とされる米(よね)地区。ちなみに米は「よね」の当て字だそうですが、米地区のお米は業者が納品を待っているほど評価の高いお米なのだとか。

そんな米地区でお母さんたちの手料理が参加者に振舞われ、村の人と一緒に食卓を囲みました。家庭で採れた新鮮な食材を使った料理に、参加者から次々に「おいしい!!」という声が。自慢のゼンマイ炒りを「都会じゃこんなの食べられないよ!」と振舞うお母さんにつられ、何杯もご飯をおかわりしている参加者もいました。「都会から人が来てくれると、料理をするのが楽しい。今日も楽しみながらみんなで準備したんだよ」とお母さんたちもニコニコ。

即席で披露してくれた鮭川歌舞伎の一幕!

即席で披露してくれた鮭川歌舞伎の一幕!

会の途中では、参加者の要望に応えて役場職員や地域おこし協力隊のみなさんが山形県の無形民俗文化財に指定されている鮭川歌舞伎を披露してくれました。村の人との交流がなければ触れることはなかったかもしれない鮭川歌舞伎に、参加者はとても感動した様子でした。
交流会後に宿泊先の農家や民宿にそれぞれ戻った後も、地元のお酒を交えながら夜遅くまで村の人と参加者とで話が盛り上がったようです。

みんなで汗だくになりながら行なった育樹活動

昨年植樹した苗木が元気に育っているのを見て、嬉しそうな職員の表情が見られた。

昨年植樹した苗木が元気に育っているのを見て、嬉しそうな職員の表情が見られた。

約15年前にスタートした「ニッセイ鮭川の森」。うまく育っていなかった部分を昨年改めて植樹し、今年は育樹活動として下草刈りを行いました。県内のニッセイ支社職員も合流し、村の人も合わせ総勢80人ほどで炎天下の中、チームに分かれての作業となりました。
きれいになった森の様子を見る職員の表情からは、満足感が伺えました。「別部署で普段関わらない職員ばかりなので、村の人だけではなく職員同士の交流もでき面白かった」との声も。

また、活動でびっしょり汗をかいた後は「羽根沢温泉」でスッキリ!羽根沢温泉はぬるぬるとした泉質が特徴の秘湯で“美神の湯”としてリピーターも多いとのこと。参加者も大満足の様子でした。

復活!村の中でも知る人ぞ知る真夏のイモ煮会

村の人たちとイモ煮の準備中、新鮮なじゃがいもは軍手だけで皮がむけることにびっくり!!

村の人たちとイモ煮の準備中、新鮮なじゃがいもは軍手だけで皮がむけることにびっくり!!

鮭川村のイモ煮会はかつて新じゃがと皮クジラを使って真夏に行なわれていたそうですが、今では秋に作る里芋のイモ煮が一般的で、村の人でも50代以上の人たちにしか馴染みがないそう。幻ともいえる夏の風物詩が今回のプログラムで復活しました。

村の人が懐かしそうに話すイモ煮の思い出に参加者も熱心に耳を傾けていました。「昔は子どもたちだけで鍋と味噌を持って川原に行って、川でめいいっぱい遊んだ後に、近くの畑に植えてあったじゃがいもと川で捕ったアユやカジカを川の水で一緒に煮て、お金をかけずお腹を満たしていたよ」思い出だけではなく、鮭川村にどうしたら人が来てくれるのか、いつの間にか輪になって語り合っている光景も見られました。

気温の暑さイモ煮の熱さ人の熱さのトリプルで熱気に満ちたイモ煮会でした。

イモ煮が完成!一緒に入れた「ミズ」という山菜は山形周辺では一般的なんだそう。

イモ煮が完成!一緒に入れた「ミズ」という山菜は山形周辺では一般的なんだそう。

イモ煮を片手に参加者と語る村の人、話も汗も止まりませんでした!

イモ煮を片手に参加者と語る村の人、話も汗も止まりませんでした!

交流を通じた農村と都市のwin-winな関係づくり

参加者からは「来年はいつやるの?」「鮭の遡上シーズンに来てみたい!」と早速来年に向けての意見・質問が飛び出すほど好評だった今回の交流会。ニッセイ側も職員が参加したいと思えるプログラムを提供することによって森林保護活動をさらに盛り上げていきたいと意気込んでいます。

村の人が地域のことを教えてくれたことで、何気なく目にしたものへの価値や意味を知ることができ、また、村の人と交流することで村にいる“人”に惹かれて、いつの間にか鮭川村のファンになっていた参加者も多かったようです。村の人からも「もう恒例イベントになりつつある。来てくれるのが楽しみ」「来年はバラの摘み取りに来てもらいたい」と来年に向け熱の入った声が聞こえました。

村の人が主体的に関わろうとする姿勢と背伸びをせず今あるものでおもてなしをしていることが、息切れせず交流事業を継続していける秘訣なのかもしれません。まだまだ始まったばかりの鮭川村とニッセイの交流ですが、少しづつ両者に変化が出てきているようです。

ミニインタビュー

鮭川村役場担当者 山科裕一さん(むらづくり推進課)

鮭川村役場担当者

山科 裕一 さん

(むらづくり推進課)

交流後の村の人たちの反応を教えてください!

今年で2回目となるニッセイさんとの交流事業を実施することができ、とてもうれしく感じています。参加した村の人たちもニッセイの皆さんと交流会などで楽しくお話しすることができ、大変喜んでいました。

実施前&実施中に苦労したことはありますか?

地域おこし協力隊員が中心となって地域の方々との打ち合わせやスケジュール作り、 準備を行いました。また、細かい調整や当日の運営も含め、頑張ってくれました。 村の人たちも、交流会等の食事のメニューをはじめ、当日の準備等でも大変だったと思いますが、参加してくれたニッセイの方々に喜んでもらえて、苦労も楽しさに変わったのではないかと思います。

来年に向けての一言をお願いします

来年以降も交流が続くことで、一人でも多くの方に鮭川村を知ってもらい、ファンになっていただけたら嬉しいです。
今回の交流をきっかけに、是非また鮭川村にお越しいただきたいです。

<鮭川村HP>
http://www.vill.sakegawa.yamagata.jp

ニッセイ担当者 白川遼さん(CSR推進部)

ニッセイ担当者

白川 遼 さん

(CSR推進部)

交流後の社員のみなさんの反応はどうですか?

どの社員も「とても良い経験が出来た」と言っており、充実した時間を過ごせたようでした。何よりも村の“人”と深く交流できたことで、全員が鮭川村のファンになったと思います。

実施前&実施中に苦労したことはありますか?

当社側では13名の参加者も自然と集まり、大きな苦労はありませんでした。鮭川村の方には色々と無理なお願いをし、山科さんをはじめ村の皆さんに苦労をかけてしまったかもしれません。

来年に向けての一言をお願いします

交流のきっかけでもある「ニッセイ鮭川の森」での育樹活動を地道に継続し、当社と鮭川村の関係を息長いものにしていきたいです。

<ニッセイHP>
http://www.nissay.co.jp/kaisha/csr/

レポート作成者

私が書きました!

北澤 美沙

北アルプスの麓、長野県大町市よりJOINに出向中。
鮭川村の人の明るさとニッセイのみなさんの好奇心が相まって、充実した交流プログラムでした!世代と地域を超えた交流の魅力を実感!

  • ※2016年8月執筆

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