インタビュー隊員インタビュー

なかまち会

Vol.94 三重県鳥羽市【現役隊員】    -   佐藤 創 さん 場所は変えても仕事は変えず。他人事から当事者へ

Q1. 地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

前の職場で働いていた時から、将来的にはフリーランスとして映像制作の仕事をしてゆきたいと考えていたのですが、映像制作に関わる仕事の多くは都市部に集中している傾向があり、多くの制作会社やフリーランス、映像作家などがひしめいており、協力し合ったり仕事を奪い合ったり、また、有名な作品のスタッフロールに名前が載ることに一喜一憂するなど、割と騒がしい環境に居たという思い出があります。

私はそういった環境に価値観が合わず、違和感を少し感じていたのですが、ちょうどそんな時期に地域おこし協力隊の制度について知る機会があり、また地方では映像に関する仕事フィールドもまだ開拓されていない地域が多く、自ら仕事を生み出してゆくことができるのでは?と考え協力隊に対する興味を持ちました。

地域おこし協力隊は着任した地域を舞台に活動するため、フリーのクリエイターという信用・人脈が重要視される仕事をする上で必要な土台が作れる良いステップだと思い、協力隊への応募を決めました。

しかし、ネット上では何かと悪い噂が目立つ部分もあるため、自分のスキルの需要、受け入れ態勢、やりがいのある協力隊活動が可能かなど、トラブル無く仕事ができそうな地域を個人的に見定め、鳥羽市の協力隊に応募しました。

東京で人形アニメーション作家として活動していた頃の創作物。現在は休止中。

東京で人形アニメーション作家として活動していた頃の創作物。現在は休止中。

鳥羽へ来てからは地域のために映像を作るため、どこへでもカメラを持ってゆきます。

鳥羽へ来てからは地域のために映像を作るため、どこへでもカメラを持ってゆきます。

Q2. 日々の活動内容や嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。

鳥羽なかまちをメインに鳥羽市のPR動画やイベントのCM、またその紙媒体のデザインなど、情報発信に関係の業務や、他にもイラストから造形など様々なものづくりに関する活動をしています。

・嬉しかったこと「自分の好きな仕事が出来る」「よそ者に対する理解」                                   基本的に鳥羽なかまち会(まちづくり団体)や市役所からのオーダーを受け制作を開始するのですが、映像の手法や、ビジュアルに関する部分は任せてもらえることが多いので、自分の得意分野や挑戦してみたい表現などを仕事に取り入れることができます。
また、きちんと業務をこなすことで少しづつ信頼関係が築かれてゆくのか「よそ者」という印象が良い方向に理解され、意見を求められたりする機会が増え、徐々に環境や周りからの視線が変わってゆくのが分かります。


・大変だったこと「車が無いとどこへも行けない」
どこへ行くにも鳥羽中心街を出るとすぐに歩道が無くなります。
さらに交通量が多く徒歩も自転車も危険な道ばかりなので、ちょっとした趣味だったサイクリングは諦めました。


・ある一日の活動
3:00起床 → 3:30動画制作など、のんびり仕事 → 6:30自由時間 → 8:00市役所で動画制作・打ち合わせなど
→ 17:30帰宅・料理 →18:30お酒のんでスッキリ(片手間にできること) → 9:30就寝

年に数回行われる「鳥羽なかまちマーケット」のCMをアニメーションで制作。

年に数回行われる「鳥羽なかまちマーケット」のCMをアニメーションで制作。

車が必須なため、しぶしぶペーパードライバーを卒業します。

車が必須なため、しぶしぶペーパードライバーを卒業します。
 

Q3. その町の魅力について教えてください。

・まちについて
鳥羽は小さなまちなので至るところで人のつながりを実感することがあります。
市内どこへ行っても、知り合いの知り合いは知り合いの状態なのですぐに友達の輪が広がり、それぞれのコミュニティへ参加することによって、仕事でもプライベートでも色々なまちおこし企画の話が出ます。

また、まちの人の多くが自分のまちのことを考えており、様々な立場の人間から地域の問題に対する考えを聞くことができるのも魅力のひとつです。
東京で暮らしていたころは「これからの○○区はこんな問題があって~」なんて話は誰も口にせず、地域のことは他人事であり、当事者意識が欠けていた、もしくは持つ必要が無かったのではないかと思います。

・生活について
東京出身と言うと「娯楽が少ない環境で退屈やろ?」と度々聞かれますが、好きなことを仕事にできている自身にとっては目移りすることが少なく、予定が無ければすぐに寝て明日の仕事に備えるというメリハリのある暮らしが可能です。

しかし利便性は良く、海と山に挟まれた小さな環境の中にコンビニからスーパー、喫茶店やレストラン、居酒屋と色々揃っており、よく目にする「ちょうど良い田舎」というワードにぴったりの暮らしやすい環境で、生活面で大きな抵抗感を抱くことはありません。

鳥羽なかまちマーケットの様子。なかまち外からも出展してくれる方も多くいます。

鳥羽なかまちマーケットの様子。なかまち外からも出展してくれる方も多くいます。

鳥羽なかまち会が住民主体で企画、運営した竹灯り。もちろん制作も住民と協力隊で行っています。

鳥羽なかまち会が住民主体で企画、運営した竹灯り。もちろん制作も住民と協力隊で行っています。

PROFILE /  三重県鳥羽市【現役隊員】 佐藤 創 さん(2019年3月掲載)

年齢
30歳
着任年月
2017年7月
出身地
東京都
前職
テレビ制作会社・映像作家
隊員になってよかったことは?
一般的な移住とは大きく異なる仕事、人とのつながり、周りからの視線、それぞれ全てが新鮮に感じます。
また、生活の中で選択肢が少ないので無駄な時間を過ごすことが減り、自分が何のために活動しているのかという当事者意識が芽生えました。

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