インタビュー隊員インタビュー
最近の楽しみの1つは、マルシェへの出店です!
Vol.97 埼玉県小鹿野町【現役隊員】 - 本 奈代子 さん 都内まで100km圏内の秘境。年に200ものお祭りが行われる小さな町に魅せられて。
Q1. 地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
小鹿野町の協力隊に着任したのは、2018年7月になります。
以前は、東京都内に約12年間、住んでいました。
2016年夏に、ある離島で田舎の子どもたちと関わるボランティアした経験があまりに楽しくて、忘れられず、移住を考え始めるようになりました。
情報収集するうちに地域おこし協力隊という制度を知り、JOINに掲載されている自治体の募集要項の中で、興味を抱いた地域に実際に足を運び始めました。
全国13か所くらいの自治体(北は茨城、南は愛媛)を回ったと思います。
そんな中で、埼玉県秩父郡にある小鹿野町との出会いは、印象的でした。
自然が豊かで人が温かい、そういう田舎はたくさんあります。
でも、東京から100km圏内という立地でありながら、町内に電車の駅がなくて不便。交通の便が良くなくても、それ以上に、みんなで知恵を出し合い、独自の文化が守られ、宿場町だった時代から続く農村歌舞伎が今もなお町民の手によって受け継がれていて…。
町民は楽しいことが大好きで、なんと年間200ものお祭りがある。2回目に訪れた時に、「こんな個性的な町はなかなか、ない」と直感しました。
「みんなで分かち合う豊かさがここにある」「ここで新しいチャレンジをしてみたい」という根拠なくともポジティブな印象を抱いたのが、応募のきっかけとなりました。
町長(森真太郎氏)も歌舞伎役者なんです!町民の7人に1人は役者と言われおり、子ども歌舞伎は必見です。

小鹿野町は、江戸時代に、宿場町として栄えました。今でも当時の風情が街中に残っています。「銘仙」という絹織物も有名です。
Q2. 日々の活動内容や嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。
現在は、主に「移住促進」や「小鹿野高校魅力化プロジェクト」に携わっています。
予め決まっている業務をやるのではなく、裁量が大きく、自ら提案したものに添って活動させてもらえる点が、やりがいです。
私が従事している活動は、ゴールもやり方も明確ではないものばかりですが、私にとっては、答えのない課題に取組みながら、想定していなかった何かが生まれる瞬間を味わうことが喜びだからです。
例えば、任期後の自立のためにと受講した起業セミナーで出会った家族が、たまたま移住を視野に入れていて、今では小鹿野町への移住を希望してくれているという展開もあります。とても嬉しいことです。
一方で、行政という組織の中で動くので、仕事の進め方や仕事に対する価値観の違いを感じて、戸惑うことはあります。
ちなみに、任期後は、自分の好きなことを活かした『小商い』を複数組み合わせて自立したいと考えています。
移住1年目は、地域の人に味噌づくりや柏餅づくりを教えてもらったり、田植えを経験させてもらったり、スタッドレスタイヤの交換を自分でやってみたりと、とにかく、新しい体験が新鮮だったので、最近では、そうやって教えていただいた知恵も活かしつつ、時々、町内外のマルシェに出て、将来の自分の小商いのタネを発展させることが楽しみの一つになっています。
今は、コーヒー焙煎ワークショップにはまっています。

小鹿野高校の生徒会と一緒に、元協力隊員の『竹あかり』を製作し、尾ノ内氷柱をライトアップしました。

那須の起業セミナーで一緒になった仲間が、小鹿野町の味噌づくりワークショップに参加してくれました☺
Q3. その町の魅力について教えてください。
色んな特徴をもつ地域が集まっていて、それぞれの地域が、自分たちの手で地域を盛り上げようとしているところ。
そして、それらが集まった「小鹿野町」という人口11,500人の自治体の、サイズ感がちょうどよいところが、魅力です。
両神地区には、関東最大級の「ダリア園」や両神山があり、
群馬との県境にある三田川地区には、町民手作りの観光名所「尾ノ内氷柱」やロッククライマーたちの聖地「二子山」があり、
「合角ダム」がある倉尾地区は、水が綺麗で夏でも涼しく、しいたけの産地であり、
「ジオパーク」がある奈倉地区は、景観も美しく移住者と地元住民が仲良く暮らしていて、
腰ノ根地区には、立派な鳥居の「小鹿神社」があり、そこから続く散歩道は四季折々の花が美しく、
札所「法性寺」のある長若地区は、ブランドきゅうりの栽培が盛んで、移住してきた芸術家さんも多く…。
一つ一つの地域の誇りが、移住者の自分にも伝わってくるから、
「あぁ、この誇りを守るためには、自分に何ができるんだろう」と考えさせてくれる。
そして、こんなに多彩な町ですが、人口は11,500人程なので、町民と町政の距離も近い。
みんな町長とも仲良しで、よく飲みに行ったりカラオケ行ったりもするんです!!

町長と育児中のママさんたちの座談会。
展望台から見渡した小鹿野町の景色です。ぐるりと山に囲まれたコンパクトな町です。
PROFILE / 埼玉県小鹿野町【現役隊員】 本 奈代子 さん(2019年9月掲載)

総合政策課のメンバーと。
- 年齢
- 40
- 着任年月
- 2018年7月
- 出身地
- 石川県金沢市
- 前職
- 幼児向けの算数教室の運営
- 小鹿野町で協力隊として働くお勧めポイント
- 自分で「町のために何ができるか」「任期後にそれをどう自分の仕事に繋げるか」を考えながら、活動することができます。キャリアやノウハウを活かしたい方はもちろん、経験には自信がなくても意欲や行動力がある方には、向いていると思います。