JOIN COLUMN 空き家で生み出す新しいライフスタイル

LIFULLの持続可能な地域社会づくり
~人、もの、お金、知恵をワンパッケージで~

不動産・住宅情報サービス事業を展開する株式会社LIFULLは、「不動産業界における情報の非対称性をなくしたい」との思いで、1997年に設立しました。不動産・住宅情報の総合サイト「LIFULL HOME'S」のほか、空き家の再生による新しいライフスタイルの提案事業「LIFULL 地方創生」を展開し、空き家情報のプラットフォーム化、空き家活用の資金調達支援やプロデュース、空き家活用の人材育成とマッチングを進めています。
LIFULLだからできる地域社会づくりとは何か、株式会社LIFULL 地方創生推進部 部長・渡辺昌宏(わたなべ まさひろ)様に話を伺いました。

地域課題解決のサイクルを生み出すには“人”や“知恵”が欠かせない

全国版空き家バンクの運営だけでは、「持続可能な地域社会づくりにつながらない」と話す渡辺さん。LIFULLが地方創生に携わる以上、人、モノ、お金、知恵を一気通貫で提供できる仕組みが大切だといいます。

「空き家問題の解決には、“使っていただける人”が欠かせません。
そこで、“人”に関しては、空き家相談員兼移住コーディネーターの育成につなげる地域おこし協力隊の採用支援や、空き家活用の専門家から講義を受けられる育成カレッジを実施。自治体と移住関心層をつなぐマッチングの仕組みも作っています」

“モノ”では、「LIFULL HOME'S 空き家バンク」のほかに、遊休地を宿泊地化し予備防災としても活用できるインスタントハウスの販売を手掛けているLIFULL。“お金”においては、地域活性への資本投資を募る「LIFULL 地方創生ファンド」の創設により、遊休施設のリノベーション事例も生まれているといいます。

そして“知恵”として展開しているのが、空き家をリノベーションして宿泊施設(ゲストハウスなど)に再生するプロデュース事業や、大型の遊休施設をコワーキング&コリビング施設として活用する「LivingAnywhere Commons(以下LAC)」です。

「LIFULLが手掛けているのは、空き家や遊休不動産に付加価値をつけ、魅力を発信することで興味関心層につなげていく、ワンストップな仕組みです。
ただ情報発信するだけではなく、人とのつながり、情報共有の場を設けながら、地域と連携して課題解決に取り組んでいる。この一連の流れがなければ、持続可能な地域社会づくりは難しいと考えています」

そんなワンストップな仕組みでの展開事例として挙げられるのが、静岡県下田市です。
LACの拠点での地域体験を通して下田市のファンになっていく方が口コミで広がり、多くの関係人口の創出につながったといいます。

「下田市では、職員の方々と地域の魅力を伝えるオンラインイベントを開催しました。受けていただいた方には、実際のLACの拠点にお試しテレワークや短期滞在で来ていただけるようアプローチし、コミュニティづくりのお手伝いをさせていただきました。
目指したのは、イベントに参加しLACに来てくれた方が地域のファンになってくれること。そのために地域の魅力を伝えるイベントや体験プログラムを用意し、地域の方々との交流につなげていきました」

より専門的に学びたい方には、自治体職員や地域で活躍している方、専門家に空き家のプロデュースノウハウを学ぶ「LIFULL 地方創生スクール」(有料)を開催。実際に空き家を活用したカフェや宿泊施設経営、空き地を利用したグランピング施設の立ち上げなど、事業をスタートさせた方もいるそうです。

次のコラムでは、LIFULLの特徴的な取り組みである「LivingAnywhere Commons」について、詳しく見ていきます。