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農業分野における移住の実態レポートレポート結果移住者を紹介!

移住者数は全国で6~7万人以上!?

移住については色々と注目されていますが、都会から地方にどのくらい移住をしているのかは自治体によって把握の状況が様々で、マクロデータが整備されてきませんでした。そこでこの調査では、まず移住関連マクロデータに関する分析・検討を行いました。2014年度の住民基本台帳移動報告のデータを用いて、移動前の住所を、「3大都市圏」「21大都市」として、移動後の住所を各県の「市部」と「郡部」に分けて移動数を推計しました。 その結果、3大都市圏から郡部への移動は約6万人、21大都市から郡部への移動は7万人であり、「農村地域」を「郡部」、「都市地域」を「3大都市圏」または「21大都市」と想定すると移動数の規模は6~7万人程度であることが示されました。
とはいえ、移住前の住所が大都市であればいいのか、移住後の郡部がそのまま農村地域になるかどうかはまだまだ、社会的な共通認識ができていない状況です。この数字はあくまで参考としつつ、次は各自治体にアンケートにより移住の状況を聞くことにしました。

100人以上の移住者がいる自治体も!ちゃんと取り組めば、移住者は増える!?

アンケートは平成27年7月~8月にかけてJOINの会員自治体1191市町村に実施し、622の市町村から回答を得ました。 移住者数やその理由等の実態を把握している自治体の割合は24%と意外と低めでしたが、青森県、岐阜県、新潟県、長野県、岡山県などの自治体で多く調査されていて、県が主導して調査をしているところでは把握できていることが明らかとなりました。 移住者数を把握している自治体に、移住者の数を聞いたところ、把握できていないところが大半であったものの、移住者数が100人を超える自治体も多数見受けられました。

移住者数はどのくらいいますか?

取り組んでいる移住施策として、最も多いのは「相談窓口・担当者の設置」で60%、次いで「出産・育児・教育・医療」関連の支援制度の実施で52%でした。10以上の移住施策を実施している市町村は41もあり、転入者における移住者の割合が多い地域が複数見られました。

どんな移住施策を実施していますか?
移住者の農業等への従事

平成26年度転入者のうち販売農家、自給的農家、農業研修生、農業に関わりを持つ人の人数の平均は、販売農家:1.5人、自給的農家:0.4人、農業研修生:1.3人、農業に関わりを持つ人:0.4人で合計すると3.7人でした。こちらには子供など農業に従事していない家族の人数は含まれていないため、家族を含めた移住者数では2倍近い数字となるのではないかと考えられます。また、農林水産業等への従事者数について、市町村では把握できていない可能性も考えられました。

どんな移住施策を実施していますか?
新規就農に向けて、どんな制度を使っていますか?

新規就農に向けた支援制度の利用状況を聞いたところ、青年就農給付金(経営開始型)を活用している市町村が最も多く77%でした。青年就農給付金のなかでも(経営開始型)(以前の特集へのリンクを張る)は、就農するのに強いサポートとなっているということですね。

712名の移住者が就農して大活躍中!

これまでの移住者で、農業あるいは農作物を活用した事業にチャレンジしている人がたくさんいることが明らかになりました。抜粋された70名近い方の情報はレポートの詳細をご覧いただくとして、ここでは何名かを簡単に紹介したいと思います。

  • 岩手県八幡平市 40代男性、神奈川県出身 移住歴6年

    神奈川県在住時、八幡平に住む妻の両親より年齢的な問題で農地の維持が難しいとの話を聞き、平成21年に移住を決意。農地を受け継ぎ「これからの農家」を目指し、6次産業に取組む。自農園の山ぶどうをジュース加工し、独自で販売。不足分は市内の農家からも果実を買い付けている。今後は自農園を拡大し、併せて他農家からの買い付け量も増やし、商品ラインナップを充実させることで県内外へ積極的に山ぶどうを広めていく予定。

  • 宮城県栗原市 40代男性、愛知県出身 移住歴15年

    学生時代に宮城県に住んでいたことと妻が宮城県出身で移住先を宮城にした。農業法人の就職説明会で、栗原市内の法人へ就職が決まり、愛知県でのサラリーマン生活を辞め、栗原市を選んだ。現在は、栗原市金成地区でイチゴ農家として、イチゴのハウス栽培から収穫、自宅の横に直売所を設置し、販売までを手掛ける。近隣の直売所にも卸している。大粒の甘いイチゴは人気で、栗原市内外からお客さんが訪れる。

  • 群馬県南牧村 30代男性、横浜市出身 移住歴2年

    エスニック輸入雑貨業者退社後、環境循環型、持続可能な農業に深い関心を持ち、自転車で4年間日本一周農家巡りの旅をして、農業のノウハウを学び、自分の農業スタイルに適している場所を探し、群馬県南牧村に移住した。新規就農支援制度を活用し、自然農法野菜の卸販売で生計を立てる。また、地産地消の六次産業化事業の取組を行い、人の繋がりを活かした地域交流人口を増やすことを目的とした場として古民家を改装しカフェをOPENした。

  • 千葉県匝瑳市 30代女性、茨城県出身 移住歴3年

    IT関係の仕事をしていた夫(50代)の希望もあり農業を志向。多様な作物が栽培できる環境や、首都圏に位置し成田空港も近い立地、数多く残る田園と里山の風景が決め手となり移住を決めた。自家野菜は、自身が経営するカフェでの提供、直売所での販売の他、ピクルスなどに加工して販売される。マルシェなどのイベントにも精力的に参加している。

  • 新潟県南魚沼市 40代男性、茨城県出身 移住歴1.5年

    ザンビアでの協力隊(農業)を経て、タンザニアでのマカデミアナッツの栽培やアジアでの海外勤務を経験し、茨城で有機野菜農家となる。有畜複合(採卵養鶏)経営で循環型農業を13年営農。東日本大震災後、宮古島へ移住し、そこで妻(当地出身)と出会い、2014年5月にIターンする。休耕の畑を借受し、夫婦で有機野菜、大豆を栽培する。今年6月には有機豆腐の加工所兼店舗をオープン。木綿豆腐のほかに、おぼろ豆腐、油揚げ、がんもなども販売。自然食品のお店や地元のマルシェでも購入できる。

  • 長野県小布施町 30代男性、愛知県出身 移住歴4年

    新規就農支援制度を利用し、小布施へUターン移住。新規就農のリーダー的存在で新規就農と有性微生物を使った農薬、化学肥料不使用の元気野菜づくりを進めている。また、小布施町づくり委員会環境を考える部会では、副部長を務め、生ごみの減量化に向けた堆肥化の推進や保育園、幼稚園の園児、小学校の児童を対象にした食育学習の講師を行っている。

  • 兵庫県市川町 40代男性、大阪府出身 移住歴3.5年

    自営で工務店をしていた頃に仕事が激減し、料理屋でアルバイトを始めた。そのときの仕入先の農家の方と話をするうちに農業に興味を持ち始めたことがきっかけとなり、2012年に市川町上牛尾へIターン。有機栽培農家での農業研修を始める。その研修を通じて、土づくりや野菜づくりの奥深さを痛感し、10ヵ月後には独立して同地区で農業経営を開始する。当初は、作った野菜をネット販売や店頭販売を中心に経営していたが、限界を感じ、今では収穫した大豆を加工し、納豆を作って販売している。

  • 島根県奥出雲町 40代男性、千葉県出身 移住歴3年

    オリエンタルランド勤務、飲食経営、林業研修を経て奥出雲町へ移住。現在は、認定就農者に向けて制度を活用しながら農業で生計を営み、築100年以上の古民家にて奥様と居住。ガスはなく、囲炉裏の火で料理をし、自給自足に近い生活。その古民家で民泊もしており、自然農で育ったお米や野菜を使いお客様をもてなす。奥出雲オーガニックコットンプロジェクトでコットンの生産やタオルを都市部で販売している。また、ロハスデザイン大賞コト部門しまね田舎ツーリズムの顔として東京へ行かれ出店されるなど島根の顔として活動している。

  • 長崎県対馬市 30代女性、青森県出身 移住歴4年

    宮城県の大学院を修了後、東北大学大学院生態適応グローバルCOEフェローを経て、地域おこし協力隊(総務省)制度を活用して平成23年にIターン。限界集落である対馬市上県町志多留地区をモデルに、自然共生・資源循環・古民家及び農地再生・移住交流をキーワードに持続可能な集落づくりに取り組む。起業定住を図るため、独自に「一般社団法人MIT」を設立しつつ、循環型社会を自ら実践すべく、水稲生産なども行っている。

移住して農業に取り組まれている方が大勢いらっしゃることに勇気づけられますね。
これらの中でも、参考となる事例を東日本編、西日本編としてまとめました。どうぞご覧ください。

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  • ※2016年3月執筆

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