- 注目の特集
- Pick up! 特色のある学校と移住
昨年度JOINが実施した調査で、子どもに合った環境や学校を中心に移住を検討されている方が多く見られました。
そこで今回の特集では、様々な特色を持つ学校をピックアップして紹介します。
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POINT芸術的なアプローチで、豊かな心を育てるシュタイナー教育の学校。
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POINT町全体で子どもたちの未来を作る、幼小中一貫教育の公立学校。
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POINT問題解決能力の発達に重点を置いた、バカロレア認定の探求型学習。
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POINTひとりひとりの発達に合った環境を目指す日本初のイエナプランの学校。


1 more baby 応援団
専務理事 秋山開
みなさんは子どもの幸せを願っていますか?「ノー」という方はいないですよね。では、どうすれば子どもの将来を明るいものにしてあげられるのでしょうか。そのヒントが「世界一子どもが幸せ」といわれるオランダに隠されていました。
昨秋、私たちは実際にオランダへと行き、学校や子育て世帯へのインタビューを通して、人々の生き方や働き方、子育ての仕方には類まれな多様性があることがわかりました。
*そのあたりの詳しい内容については、拙著『18時に帰る』でも書いています。
オランダのほとんどの企業では、個人は自らのタスクをこなしていれば、いつ・どこで・どのようにして働いても問題ありません。だからといって個人至上主義というわけではなく、お互いを尊重し、助け合うチーム主義もあります。端的にいえば、働き方において、多様性が許容されやすい社会であるということです。
私たちは先の調査を通して、オランダ社会の多様性は「多様性のある教育」から来ているのではないかと考えています。
オランダといえば、イエナプラン教育やモンテッソーリ教育が取り挙げられることもありますが、実はどちらもオランダでは多数派ではありません。「100の学校があれば100の教育法がある」と言われるほど、オランダには多様な教育法があり、親と子ども(ときに先生)が相談しながら選択しています。
私たちはその中でイエナプラン教育を実施する学校を訪れました。その学校では、4つの興味深い教育方針が見られました。
1つ目は、自分でその週のカリキュラムを決めるという点です。特に驚くべき点は、入学したての小さな子どもたちも、自ら取り組みたい授業を主体的に決めているというところです。
2つ目は、カリキュラムをこなす(学習する)ための場所が、各個人に委ねられているということです。廊下を含め、自分が集中できるところを自ら決めています。
3つ目は、学年ごとではなく、2つの学年が一緒になって授業が進められるという点です。上級生が下級生をサポートし、サポートされた下級生は、自分たちが上級生になったとき、自然と下級生をサポートしてあげるのです。
4つ目は、小学生のうちから、生徒個人個人の長所に合わせて、授業や進路を選択し、ときに転校、年度途中の進級や留年までを含めて、学校と親、そして子どもの三者で話し合って決めていることです。
このような教育方針の中で、個人の主体性と多様性、そしてチーム主義を学んでいるのだと感じました。
日本を含めたこれからの世界は、働く時間の長短や場所が重要ではなく、いかに効率よく新しい発想で何かを創造していくかが大切な社会になっていくことが予想されます。そうした中、多様性は大きなキーワードになることは間違いありません。そう考えると、オランダの教育、ひいては教育を含めた子育て環境には、大いに子どもの幸せのためのヒントが隠されているといえるのです。
私たちが日本の子育て世代約3000人に対し行った調査結果では、5人に1人は子育てを目的とした移住に関する情報収集を行ったことがあり、さらに、情報収集をした半数が実際に移住していました。この調査からもわかるように、すでに将来を見据え、動き出している人は少なくありませんし、今後も増え続けていくと思います。
理想の数だけ子どもを産める社会を実現するため、結婚・妊娠・出産・子育て支援に関する情報提供及びその実現に必要な事業を行い、将来の活力ある社会環境の維持・発展のために寄与する団体です。
【公益財団法人 1 more baby 応援団のホームページ】
http://www.1morebaby.jp/