- 注目の特集
- 協力隊って何をしているの?地域おこし協力隊の日常を深掘り!
全国で約7,200人※が活躍する「地域おこし協力隊員」は、地域によってさまざまな「地域協力活動」をおこないながら、その地域への定住・定着を目標に日々活動しています。
今回は、実際に協力隊員として活躍中のおふたりに、活動のミッションや毎日の過ごし方、やりがいや大変なことなど、お話を伺いました。
自治体担当者の声も聞いてみたので、よりリアルな隊員生活をチェックしてみてください!
※令和5年度時点
吹かせる町のこうじやを目指す!
協力隊になる前はどんな仕事をしていましたか?
テレビっ子だったことから大学入学で上京ののち、15年以上テレビ番組の制作に携わっていました。
協力隊になろうと思ったきっかけは?
長らく首都圏に住んで働いていましたが、コロナ禍に入り人と会っての取材が出来なくなり、都会での生活と仕事の限界を感じたことがきっかけです。そこから地方移住を考えるようになり、その過程で地域おこし協力隊の制度を知りました。協力隊であれば仕事ありきではない形で地域や住民の方々と関わることができるのではないかと思い、応募に至りました。
どのような活動をしていますか?
半島地域に住みながら、松江市内の色んな地域で「地域資源活用コーディネーター」として日々動き回っています。麹(こうじ)やそれを使った甘酒作りにも取り組んでいます。
- 9:00~
- オンラインにて朝礼
- 9:30~
- こうじづくり
- 11:30~
- 休憩・移動
- 13:00~
- 安部榮四郎記念館と
プロジェクトの打ち合わせ - 15:00~
- 地元の農家さんを回り、
情報収集・販売の打ち合わせ - 16:00~
- 地域のまちなみ研究会に
参加・意見交換
- 7;30~
- 洗濯
- 8:00~
- 朝食を食べて少しダラダラ
- 10:00~
- マルシェイベントなどに
遊びに行く - 12:00~
- 行きつけの喫茶店でランチ
- 14:00~
- 産直があるスーパーで
地元の農家さんの野菜を購入 - 16:00~
- 自宅で夕食作り
協力隊として大変だったことは?
着任してすぐの頃は、協力隊とはいったいどういう役割なのか、これを掴むまでの葛藤がありました。全く知り合いもいないIターンの地で、何から始めればいいのか悩んだこともありましたが、地域にある課題を自分ごとにしたときに、今のやりたいことに繋がったと思いました。
協力隊になってよかったことは?
とても多くの方々とのつながりが出来、仲間が出来たこと。分野が違っても同じ目標に向かって、プロジェクトを進められること。これらは地域おこし協力隊だからこそ、得られるものなのだと思います。
もともと、ものを作って顔が見える人たちに届けたいと思っていたことが、こうじを作るという形で実現することができました。自分のやりたいと思っていたことをこの短期間で見つけることができ、卒業後の人生も楽しみになりました。
協力隊卒業後の展望はありますか?
2024年4月(協力隊3年目)にこうじや「甘酸辛苦(かんさんしんく)」を開業しました。
今後は工場を持つべく地域の方と一緒に場所を探したり、安定的なこうじの供給に向けて設備を整えていきます。地域に根付いたこうじやとして皆さまの認知度を上げていく商品開発に取り組んでいきます。
私自身、地域としては十数年ぶりの移住者であるため、地域活動や神事などをより理解し、これから住みたいと思ってくれる方と地域とのつなぎ役になれるといいなと考えています。
松江市では協力隊員とどのように連携していますか?
松江市では、協力隊も担当も、皆が同じ部署のメンバーとして活動します。地域資源活用や地域課題解決に、一緒に取り組む「仲間」といったイメージです。
協力隊どうしの交流のみならず、協力隊OB・OGとのつながりも強いです。
高い起業率も特徴の一つで、スキルを磨く研修の機会を多く設けています。
担当だけでなく、協力隊専属のコーディネーターを配置しており、地域の案内や顔つなぎを市が全力でサポートします。
どのような協力隊員を募集していますか?
2025年4月採用の、フリーミッション型の地域おこし協力隊を4名募集しています(締切:2024年11月1日)。
フリーミッション型は「地域資源活用コーディネーター」として、農水産物等の販路拡大や中山間・半島地域の活性化、地域コミュニティの再生など、松江市の資源活用や課題解決に対して、自身で決めたテーマに取り組んでいただきます。
ご応募やお問い合わせを、心よりお待ちしております!
移住定住促進
協力隊になる前はどんな仕事をしていましたか?
会津若松市で、大学事務員として大学生の起業支援をしながら、個人事業で「お金をかけない空き家活用・イベント運営」と「会津若松市内歓楽街ど真ん中のゲストハウス」の経営をしていました。
また、協力隊になるのと同時期ぐらいに、会津若松市内で空き家対策から出てくる古道具の回収と販売をする店舗を建設事業者と共同で開業しました。ゲストハウスは協力隊任期中に事業譲渡しましたが、他の事業は継続しています。
協力隊になろうと思ったきっかけは?
個人事業で行なっていた空き家対策について、行政と一緒に行う業務経験を得ることで、自分のスキルアップを図ろうと考えました。
前職の任期満了や、個人事業のゲストハウス事業拡大の見直し、また、婚約を機に今後の居住地を会津若松市か妻の職場のある磐梯町かで悩んでおり、様々なことがきっかけとなり、磐梯町の協力隊に応募しました。
どのような活動をしていますか?
メインの業務は空き家対策全般で、特に空き家バンクの運営推進が中心です。要項の見直しや、補助金の新設などを行い、着任時1件から今は13件まで登録が増加しました。
また、町内の空き家を自分でDIYリノベした活動拠点「未日常」を着任1年目に開設しました。こちらは、空き家と移住の相談窓口に加え、コワーキングスペースを併設し、卒業後の拠点を見据えた活用をしています。未日常という名前は「日常で非ず」ではなく、これから生まれる「未だ見ぬ日常」が生まれる場所にしたいという思いから付けた施設名です。
その他には、住宅政策を軸とした磐梯町の移住定住の環境の整備のための戦略会議などのPMもおこなっています。
- 7:45~
- 起床/妻と二人で子供の離乳食
- 8:30~
- 役場出勤/情報共有
- 9:00~
- 活動拠点「未日常」で
空き家と移住の相談窓口の開始 - 12:00~
- 昼食で帰宅/
妻と二人で子供の離乳食 - 13:00~
- 相談窓口の再開/
所有者と一緒に町内の
空き家の現地確認 - 16:30~
- 帰宅/
子供のお風呂の準備 - 18:00~
- 夕食
- 7:45~
- 起床/妻と二人で子供の離乳食
- 8:30~
- 家族の時間
- 11:30~
- 早めの昼食/
妻と二人で子供の離乳食 - 12:30~
- 古道具店の営業準備
- 13:00~
- 古道具店の営業
16時過ぎから他スタッフに
引継ぎ - 16:30~
- 帰宅/
子供のお風呂の準備 - 18:00~
- 夕食
協力隊として大変だったことは?
今運営している空き家を活用した拠点「未日常」の開設に当たり、これまでの磐梯町ではなかなかない事例だったので、理解していただくことや、予算の使い方などに関して時間がかかり大変でした。町職員と協力してやり方を考えたことで、無事開設につながりました。
また、着任時から3年目までは会計年度任用職員の雇用で、平日8:30-16:30勤務だったので、個人事業と兼業するのに時間が限られており、バランスを取るのに苦労しました。
しかし、4年目の今年からは委託型に切り替えとなり、協力隊業務と個人事業をうまく両立することができています。
協力隊になってよかったことは?
空き家対策は、行政の政策的な側面が強くあるため、協力隊の業務を通して現状、課題やその対策などをしっかり学び、自身のスキルアップにつながりました。
また、協力隊という役職だからこそ、磐梯町の人との繋がりをもったり、県内の協力隊と繋がりを持てたりしたので、移住者としても本当に良いきっかけになったと思います。
元々の個人事業と親和性の高い業務で協力隊になったことで、個人事業の方でも協力隊の仕事から得たスキルを十分に活用することができるので、よかったです。
将来的に考えている事業や仕事を、町の課題解決を通してチャレンジすることもできるため、「町のためでもあり、自分のためでもある」というスタンスで様々な取り組みをおこなうことができました。
協力隊卒業後の展望はありますか?
役場には採用面接時からずっと、「空き家対策や移住定住に取り組む会社を立ち上げ、町と一緒に仕事をしたい」と伝えており、卒隊後も町の空き家対策に携われるような関係づくりを任期中から構築しています。
また、任期中はなかなかおこなえなかった、空き家改修ワークショップや、空き家の間取りワークショップ、空き家イベントの開催サポートなどをおこない、お金や時間、知識などハードルが高いイメージのある空き家問題を、「とりあえず使ってみて、みんなで考える」「いきなり100点を目指さない、50点の空き家活用」のような、気楽な空き家対策を広げていきたいです。
宿泊施設を通した移住定住の推進も考えており、こちらは、今月から今の活動拠点の2階を使用した移住体験施設を設置して、移住希望者の宿泊受け入れを予定しています。しばらくはプレオープンで、体験コンテンツや施設機能を充実させていき、卒業後に正式オープンできればと思います。
磐梯町では協力隊員とどのように連携していますか?
磐梯町では、地域おこし協力隊の全体ミーティングを月1回開催し、隊員同士が活動状況や近況を話し合える場を提供し情報共有しています。また、各隊員はそれぞれの所属課があるため、所属課ごとに隊員と連携しています。
地域おこし協力隊として活動しながら、地域への定住を目指しているおふたりのお話しはいかがでしたでしょうか。
今回のおふたりの協力隊活動内容は、「こうじ」と「空き家」でしたが、各地域ではさまざまなミッションや活動内容があり、全国でたくさんの協力隊員が活躍しています。
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