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田舎暮らし特集

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  • 子どもが自分と向き合える場所~サドベリースクールで、自ら学ぶ力を育む~

子どものために決意した移住

移住を考え始めたきっかけ

精神科医という哲久さんの仕事柄、離島診療やホスピス診療のため、島根県や鹿児島県で生活していた小栗家。それまでの引っ越しはあくまでも「仕事のため」。それが「子育てのための移住」に変わったのは、次男の小学校入学がきっかけでした。

「教室で先生の指示に従って学ぶ、というスタイルが合わず、“どうしてこんなことをしなくちゃいけないんだろう”と疑問を持ってしまう次男。学校に通うのを見ているだけで苦しく、“学校は休まずに行くもの”という私たちの価値観がゆさぶられていきました」

移住の経緯

何とかのびのび学べる環境はないか、必死の思いで探したのが、長野県にある、教科書を使わない自由な学校『グリーンヒルズ』でした。仕事も順調だった中、子どものためだけに縁のない地に行くことには、不安はなかったのでしょうか。

「医師という“資格のある仕事”に就いていたのは大きかったですね。優先順位はとにかく、次男の苦しみを解放させたい、ということ。無我夢中でしたね」

八ヶ岳サドベリースクールの立ち上げ

八ヶ岳に移住するきっかけとなったのは、長野での、教育観の合う家族との出会いでした。

「グリーンスクールに3年間通ったのち、2年間は自宅教育だったんです。家で自ら教材をやったり、本を読み耽ったり、地域の将棋大会に出場したり……、集中して何かを学び取ろうという子どもたちの意欲を感じ、『枠にとらわれるのはやめよう』と吹っ切れたのもこの時期でした。そんなとき、『一緒にスクールをつくろう』という仲間ができて、サドベリースクール創設の話が進んでいくことになりました」

教師もいなければカリキュラムもなく、子どもが自分のやりたいことを選び、自分のペースで学ぶ。そんなサドベリー教育のスタイルは、自由と引き換えに自分の人生と向き合う責任も負うものです。 「厳しくて苦しい面もあるけれど、うちの子どもたちには、それが合っているのではないかと考えました」

  • ※2013年10月執筆

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