インタビュー隊員インタビュー
Vol.122 秋田県井川町【現役隊員】 橋野隊員インタビュー
Q1. 地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
キャンプ場で働きたかったんです。
私は幸せが好きです。他人の幸せも、自分の幸せと同じくらい大好きです。
私はとても不器用な人間です。どうすれば可能な限り多くの時間を幸福に過ごせるのかを考えました。人間は一日のほとんどを労働時間に割きます。ならば労働において、私の好きなことで他者を喜ばせることができれば、死ぬまでの幸せの総量が、最も高効率で増えます。
私はキャンパーですので、キャンプ場の顧客心理を理解しています。井川町の募集を見たときに、私ならきっと役に立てる。私を雇っていただくことで効率的に幸せを創造できると確信し、縁あって移住する運びとなりました。
井川町の「日本国花苑キャンプ場」は、広大な面積の芝生サイトが魅力です。春には咲き誇る桜に抱かれ、芝生に寝そべり星を眺める。私が大阪で得られたどんな体験も、この贅沢には届きません。私はこの場所を、さらに魅力的にするために活動しています。


Q2. 日々の活動内容や嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。
基本は役場に出勤します。
月に一度ほど、キャンプ場で管理人の仕事に混ざり、改善点を模索します。それを役場に持ち帰り、整理・分析していくのです。
あるとき、管理人から、利用者マナーが悪いという相談を受けました。私は来場者を増やすことばかりを考えていたのですが、マナーが悪いまま人が増えると、作業量の増加だけでなく、管理人に精神的な負担がかかることが問題になると気づきました。
そこで、以下の改善提案を行いました。
- 無料キャンプ場を有料化。
- 施設注意事項の可読性をアップ。
キャンプ場の利用方法は町政に則っているため、容易には変更できません。意図を綿密に組み上げて、話合いへ臨みました。
そして低迷していた利用者数は、令和6年度で前年比180%となり、その上で利用者層の好転を感じています。
別のところでは、施設の真ん中にファイヤーサークルを設営したり。
いずれは施設のシンボルへと成長させます!


Q3. その町の魅力について教えてください。
こどもたちの笑顔が素晴らしいです。
町の小学生や中学生と関わる機会を多く持つのですが、警戒心を持たれません。決して彼らに落ち着きがないのではなく、素直な子たちがとても多いのです。
それまで都会に住む私が関わってきた人たちは、老若男女問わず、他人との間に境界線を深く設けているものでした。井川のこどもたちとの間に、私はそれを感じません。町の大人たちが、こどもたちとの信頼関係を築いている証拠です。
こどもは未来そのものです。この町で未来を創造する一助となる現在の仕事を、私はとても誇らしく思います。
町の大人たちも、素直な方が多いと感じます。シャイな県民性は大阪とは真逆ですが、こちらが安心感を醸し出すと、緊張を解いてくれます。
井川町に限ったことではありませんが、住環境を変えることは、多くの学びを与えてくれます。自然豊かなこの町で、人間力を深めていく日々はとても心地よいものだと感じられます。



- 年齢
- 27歳
- 着任年月
- 2023年11月
- 出身地
- 大阪
- 前職
- ケーキ屋
- 隊員になって良かったことは?
- なにより、自己実現を応援しあえる友人を得たことです。
目立つ場所に立っていれば、自身の理想に共鳴してくれる人に出会えます。
協力隊は「自己実現のチャンス」……ではなく、「"自己実現のチャンス"を生みだせる立場」だと感じています。