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エンターテインメントで地域を元気に!
エンターテインメントで地域を元気に!
ポニーキャニオンによるコロナ禍の取り組みとこれからの課題
2021.2.2

レコード会社として1966年に創業した総合エンターテインメント企業、ポニーキャニオン。音楽はもちろん、アニメ、映画、映像、書籍、イベントにいたる幅広い事業展開を行っています。
2017年に立ち上がったエリアアライアンス部ではこれまで100を超える自治体事業に携わり、エンターテインメントの力で各地域の課題に取り組んできました。地方創生に影を落とした2020年のコロナ禍では、どのような活動を進めてきたのか。部長の村多さんに聞きました。
地域の話題を少しでも増やそうと、「バーチャル背景」で町の魅力を発信
リアルイベントの中止が余儀なくされた2020年。地域活性プロジェクトにおいても、プロモーション活動自体の自粛の流れがあったといいます。
「人の往来に制限がかかるタイミングだからこそ、今プロモーション活動を止めてしまえば忘れられてしまう。これまでの努力が水の泡になってしまう、と自治体の方に伝え続け、リアルイベントはいち早くオンラインに切り替えました。ワークショップなど、対面型だから意味があると思われていたものでも、オンラインになれば距離と時間の制約がなくなります。『興味はあるけど現地には行けない』と思っていた方が気軽に参加できるようになり、コロナ禍を逆手にとってターゲット層を広げられた側面もありました」
緊急事態宣言が発令された4月には、自治体職員とのコミュニケーションが一斉にリモートに。そこで、地域の魅力を発信する一つの手法として「バーチャル背景」のアイデアを提案し、多くの自治体に採用してもらったといいます。
「部員の発案です。とにかく、それぞれの地域のことが話題になるアクションを起こしたかったんです。リモートワークが広まった4月は、みなさんオンライン画面の背景をどうするか、何を見せるかをあれこれ考えていましたよね。そこで、自分の町のキレイな景色をオンライン会議の背景画面に設定すれば、『背景写真がキレイですね。どこの景色ですか?』という会話が生まれる。お金も手間もかけずに、地元の良さを伝える仕組みになるかなと考えました。JOINさんと連携して進めたことで、コミュニケーションの一つのきっかけにつながったのではないかと思っています」
今後力を入れたいのは、データ分析と活用だと村多さんは話します。
次の事業につなげる上で、これまでの取り組みがどんな影響を与えたのか、精度高く見ていく必要性を感じているのだそう。

長野県大町市のキレイな景色をオンライン会議の背景画面にしている大町市の左右田さん。
「今の地域活性において、欠かせないのは2つの軸です。一つが、関係人口や移住促進など外から地域に来てくれる方に向けたPR。もう一つが、今住んでいる方の満足度を高める“シビックプライドの機運醸成”です。
自分たちの町をよりよくしようと主体的に関わる人が多い地域は、定住率が高い。これはあらゆるデータから明らかになっています。SDGs17目標のうち、11つ目の『住み続けられるまちづくりを』とは、まさにこのことです。
主体的に関わりたいという思いを持てなければ、人はよりいいところを求めて出ていってしまう。しかも自分たちの地域の本当の良さを知らないまま、去っていってしまうんです。エンターテインメント・コンテンツで、今、住んでいる町がどれだけ素敵な場所なのかを伝えていくのはとても重要なテーマです。もはや自治体の方は、シビックプライドを意識せざるを得なくなっています。
これまでの事業成果をデータで分析し、地図上のデータとかけ合わせたりSNSとかけ合わせたりできれば、本当に価値あるコンテンツへより近づけると思っています」

次回の最後のコラムでは、JOINの事業を活用してポニーキャニオンが長野県大町市と取り組んだ、動画制作プロジェクトをご紹介します。シビックプライドの機運醸成にどう取り組んでいるのかを見ていきましょう。
エンターテインメントで地域を元気に!シリーズ

一般社団法人
移住・交流推進機構(JOIN)
JOINは、自治体と企業が協業しながら、地方を元気にすることを目的とした組織です。知られざる地方の魅力を伝え、その場を訪れ、味わい、暮らすための具体的な情報を提供していく。私たちは、地方への移住や交流希望者へのニーズに合った情報提供、地域活性化のサービスを提供して日本をより元気に、活性化したいと考えています。