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田舎暮らし特集

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  • エンターテインメントで地域を元気に!ポニーキャニオンが手がける地域活性の取り組み事例

レコード会社として1966年に創業した総合エンターテインメント企業、ポニーキャニオン。音楽はもちろん、アニメ、映画、映像、書籍、イベントにいたる幅広い事業展開を行っています。
そんなエンタメ・コンテンツを生み出してきたノウハウやネットワークを活用しようと2015年に生まれたのが地域活性化事業です。新規事業ローンチから部門立ち上げを進めてきた村多正俊さんに、これまで手掛けた地域活性プロジェクト事例についてお伺いしました。

映像、アニメ、音楽、イベント…事業の軸にあるのはエンターテインメント

地方活性化事業の専門部署として、2017年にエリアアライアンス部を立ち上げた村多さん。映像制作、アニメ制作、音楽制作、宣伝広報を担う9名のプロ集団が、全国の地方自治体とPRプロジェクトを手掛け、これまで100を超える自治体事業の実績を誇ります。

立ち上げ当初は、PR動画等、映像制作案件が中心でした。少しずつ信頼関係を深めていく中で、動画を作った先に誰にどう訴求するのか、次のアクションにつなげていくにはどうすればいいのかという議論が生まれていったといいます。

「実写ではなくアニメを作ってみよう、プロジェクションマッピングに挑戦してみようなど提案内容は多岐にわたり、今では、地域全体のプロモーションまで事業レンジを拡大しています。でも、私たちの核にあるのは“エンターテインメント”。そこがブレることはありません」

2018年度に手掛けた事業の一つには、愛媛県松山市道後温泉本館の観光資源化プロジェクトがあります。重要文化財である道後温泉本館が保存修理工事を行うことになり、工事期間中もエンターテインメント・コンテンツを発信しようと、「道後REBORNプロジェクト」を発案。手塚治虫の「火の鳥」をシンボルにアニメーションやプロジェクションマッピングを制作・発信し、工事期間中も「道後温泉本館を見に行こう」という人の流れを生み出すことができたといいます。

他にも、岐阜県大垣市とのアニメ制作プロジェクト、神奈川県相模原市との東京オリンピックに向けた自転車ロードレース映像制作プロジェクト、千葉県とのダンスコンテスト企画など、さまざまな切り口での地方創生を手掛けます。

「大垣市は、2016年に公開されたアニメーション映画『聲(こえ)の形』の舞台となった地域です。映画のヒットとともに国内内外からファンが聖地巡礼として同地にやってきました。アニメが持つ影響力の大きさに自治体職員の皆さんが衝撃を受けたんです。「では自分たちでアニメを制作し発信してみてはどうだろう」と一緒に取り組んだのが大垣アニメプロジェクトでした。当初は観光を重視していましたが、今は地元の人に自分たちの町の魅力を知ってもらおうという“シビックプライドの機運醸成”にも力を入れている。継続してプロジェクトが進んでいます」

「大垣まつりにいこうよ!」 - https://youtu.be/z7-jSa0emyA

その地域に住んでいる人にこそ、地元の魅力を知ってもらいたい――。相模原市の映像制作でも、関係人口と交流人口を増やすことを重視してプロジェクトを立案したといいます。

「相模原市のPR映像は、東京オリンピックのロードレースコースになった市内を、リオ五輪出場選手と人気YouTuberが試走したものです。自分たちの町を世界のトップ選手が疾走し、世界中がその様子を見つめる。そんな経験はなかなかできないことです。普段過ごす町を、動画を通じて見ることで、町への愛着を深め『よりよい町にしていこう』という気持ちを高められたらと考えました」

事業に携わる上で欠かせないのは、「ビジョンの共有」だと村多さんはいいます。
自治体は10年先を見据えた総合計画に基づいた事業立案を進めています。大きなゴールを常に共有しながら、現場のニーズ、状況に沿った提案が大切なのです。

「静岡県沼津市や三重県桑名市とは、首都圏在住の人をターゲットにしたプロモーションを実施中です。沼津市は御用邸記念公園やワーケーションの拠点としてのPRを、桑名市は蛤(はまぐり)をはじめとした地元の産品を、ブランディングの軸として発信。桑名市長を陣頭に『本物力こそ桑名力』というブランディングコンセプトを掲げ、首都圏発のプロモーションやブランディング事業を行っています。」

こうしたさまざまな事業の軸にあるのがポニーキャニオンの「エンターテインメント」の力です。動画やアニメ、それに付帯した音楽、トークイベントやライブに関わるスタッフィングはすべてエンターテインメント畑。提案の真ん中にエンターテインメントがあり、そこから派生しているプロの人材を選ぶからこそ、クオリティにブレがありません。それこそが、ポニーキャニオンが地域活性化事業で実績を残す強さなのでしょう。

次回コラムでは、自治体プロモーション活動にも大きな影響を与えた、2020年のコロナ禍での取り組みについてお伺いします。

エンターテインメントで地域を元気に!シリーズ

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JOINは、自治体と企業が協業しながら、地方を元気にすることを目的とした組織です。知られざる地方の魅力を伝え、その場を訪れ、味わい、暮らすための具体的な情報を提供していく。私たちは、地方への移住や交流希望者へのニーズに合った情報提供、地域活性化のサービスを提供して日本をより元気に、活性化したいと考えています。

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