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田舎暮らし特集

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畜産がやりたい

ケージの中で飼われる鶏たち

畜産については2つのハードルがあります。1つ目は設備投資。2つ目は家畜の排せつ物処理の問題です。設備投資として牧場はもちろん、自給飼料を与える給飼装置、小屋などを整備するには多額のお金が必要となりますし、家畜の排せつ物については、家畜排せつ物法によって処理を適切に行わなくてはならない義務があります。このため自然と北海道や、福島の山の中、那須の高原など、場所が限られてくる特徴があります。育てる家畜の種類によってずいぶん性格が異なります。

鶏

鶏たち

朝はコケコッコーの声で目覚めて、卵を取りに行って目玉焼きをつくるのは楽しそうに思います。しかし、現実は違います。 養鶏の分野は寡占化と工業化がとても進んでいて、鶏の多くはケージの中で効率的に飼われており、養鶏場には1000〜数万羽の鶏がいたりします。
また飼料会社が余剰飼料を吸収させるためにブロイラー(食用鶏)を買っていたりするなど、個人レベルで新規参入して競争するにはとてもハードルが高くなっています。
実際には、数羽〜100羽ほどの小規模で飼っている農家も少なくありません。鶏が生む卵の数は、そのときの気温や鶏の年齢によっても違ってくるので安定した収入を得るのは難しいです。しかし、地域によっては、一個20円〜30円ほどで売ることも可能なので、稲作と養鶏など何かと掛けあわせてやってみることをおすすめします。

豚

3匹の豚

映画『ブタがいた教室』で愛情をこめて育てた豚を最後は子供たちで食べるかどうかを話し合います。大切な命について学べますよね。しかし、現実に営みとしてやっていくのはまた違います。豚も設備投資がかかるのは同じで、畜舎用地(豚小屋)をたてるとそこは宅地並みの固定資産税がかかってきます。養豚を主業にしている農家は全国で6,500戸程度、やはり狭き門です。
また、よく豚をスーパーで買った時に鹿児島県産や宮崎県産などを見ることが多いと思います。 この地域には養豚農家が多いのですが、降灰対策の補助金が7割補助ででるので、経済的には有利という特徴があります。そういうエリアを当たってみるのも一つの選択かも知れません。 実際に養豚を営んでいくと冬の暖房代などをどうするかが気になってきます。暖房代を節約して寒い中で、餌を多めにして飼料代を出していくのか、それとも暖房であたたかい環境で豚を育てて、体に脂肪を蓄積させて、飼料代を節約していくのか。こんな2択が現実になります。始める前にはなかなか思いが及ばないことですよね。

牛

牛たち

大きくは乳牛を育てる酪農と、肉用牛を育てる畜産(繁殖・肥育)の2つがあります。
最近だとバターの供給が追い付かなくて、酪農家になってバター不足の問題を解決したい!と意気込まれる方がいるかも知れません。肉用牛を育てたい方は、霜降りのブランド牛をいつかは育てたいと意気込まれることでしょう。鶏や豚と比べれば、牛の方が小規模で営んでいる農家の数が多く、畜産の中ではまだ参入が可能な分野かも知れません。

酪農

酪農のメリットはミルクの価格がほぼ決まっている点です。そのため牛の頭数に合わせて大よそどれくらいの収益が見込めるのかが計算できるのが良いところです。酪農家になってバター不足を何とかしたいと情熱をお持ちなら北海道に行くのがよいでしょう。北海道の良いところは、農業公社による「リース農業制度」が充実している点です。これは離農などで、後継者がいない農地や施設を公社が買い上げて整備し、新規就農者に一定期間リースして、売却する仕組みです。15〜20年のローンを組むことができるので負担は和らぎます。例えば、浜中町や標茶町など、リース事業の補助制度をもっている自治体を当たってみるのも手かも知れません。

繁殖・肥育

肉用牛を育てる場合は、育てて市場に出荷するタイミングでまとまった収入が得られるので、安定して経営をしていくためには十分な頭数の牛が必要になります。その年によって牛の価格に変動がありますが、東北の子牛市場では、だいたい一頭50万円前後で取引されています。確かに数頭の牛を得て、副業として営んでいくことは可能かもしれませんが、これを主にしようとすると設備投資はもちろんのこと、牛の飼料代はばかになりません。可能性としては、2年程度の研修を受けつつ、人工授精師などの資格を取り、ヘルパー組合に入って酪農家の手助けをしたり、農業法人に入社してコツコツと技術を身に着けて、後継者を目指すということがあります。畜産は新規就農者にとっては、かなり大変な道のりなのです。

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  • ※2015年10月執筆

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