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田舎暮らし特集

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3.地域と向き合う

二地域居住生活のよさ

現在、1週間ごとに東京、島根を行き来する二地域居住生活を続けている尾野さん。自らの役割を「都会と地方の通訳」として、双方のよさを伝える活動も行っています。

「ずっと川本町にいることができないので、地元の方にはよくお叱りを受けます。商工会青年部にはほとんどいけないし、地域の集まりも欠席がち。でも、せっかく地方をひとつの拠点として活動するのであれば、その人にしかできない専門性を発揮できた方が、地域全体の活性につながると思うんです。今後、若い人が地方にIターン、Uターンしてきたときに、活動の幅を広げやすくなるよう、二地域居住というスタイルを少しずつ浸透させていきたいですね」

地域活性のための活動

“エコカレッジの社長”以外に、NPO法人「てごねっと石見」の副理事長や、中国地方での連携組織の立ち上げプロジェクトに携わるなど、活動範囲は年々広がっています。若者が地方で定住を考えるには、自ら仕事を作り出す機会こそ大切だと言います。

「自治体が、田舎のきれいな自然を若者に見せて『緑に囲まれて暮らしませんか』という従来のやり方では、誰も移住を考えません。“地方だからこそ活躍できる”、“自分が主人公になれる”というフィールドが大事。そこで、「若手起業家発掘のためのビジネスコンテスト」を開催したり、統合になりかけた高校の再生を目標にプロジェクトを発動させたりと、具体的な活動を通して、地方で働くのっておもしろい!と思ってもらえるような働きかけを続けています」

移住・起業希望者に伝えたいこと

新しい地に足を踏み入れ、丸7年。移住・地方での起業を考える人と話す中で、必ず伝えていることを聞くと、「今いる環境から急に飛び出すな!」という意外な言葉が出てきました。

「行動力はもちろん大切です。でも、今いる会社や、今やっている仕事を“急に”やめる必要はない。人は弱いもので、組織から突然放り出されると、不安感から、それまでのエネルギーが消えてしまうことがあります。まずは、今の環境で生活を続けながら、週末など空いた時間で、行きたい地域に足しげく通うこと。地元の事情を知り、人脈を形成すること。1~2年間かけて、ネットワークをつくり、地方での具体的な生活イメージができてから動いた方がいいと思います。新しいことを始めるってエネルギーがいる。万全の状態で動き出せるよう、じっくり準備を進めて来てほしいですね」

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  • ※2013年8月執筆

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