- 田舎暮らし特集
- 地域おこし協力隊に聴く〜海女さんとして、壱岐の魅力を発信!〜
地域おこし協力隊の仕事 | 外から来た人間だからこそ、気づけることがある
漁期が終わる10月~4月の間は、地域おこし協力隊として、壱岐市、壱岐島の魅力を伝える観光情報発信の仕事が始まります。地元の食材を扱う直売所に行き、特産品の開発を手掛けたり、壱岐市内イベント情報をまとめた冊子を作ったりと、業務範囲は多岐にわたります。
「先日は、ここで獲れるおいしい昆布を使って『昆布入りコロッケ』を試作しました。県外から移住してきた人間だからこそ、地元の方が当たり前に享受しているものも、とても新鮮でありがたく、価値あるものに思える。その私なりの視点を持って壱岐市の魅力を内外に発信していくことが、地域おこし協力隊として出来ることなのかなと思います。まずは地元の人に、壱岐ってこんなに豊かで恵まれているんだと、誇りに思ってもらえるような『壱岐・再発見!』情報を出していきたいですね」
今後の夢や目標 | 人と人とが、つながる場所を作りたい
移住して1年未満ながら、すっかり壱岐市の魅力、海女という仕事の魅力に惹きつけられている合口さん。今後やりたいことを聞くと、こんな構想プランが返ってきました。
「海女を始めてから、自分が獲ったものは、誰がどんな風に食べているんだろう…と思うようになりました。だから、やってみたいのは『ゲストハウス』をつくること。旅に来た人と、地元の人とが同じ場所で時間を共有し、コミュニケーションできる場があればいいなと。そこで、私がとったウニの『ウニかき体験』をしてもらって、顔が見える距離感で食べてもらいたい。人と人がつながる場所が生み出せたらいいな…なんてことを、漠然と考えています」
- 東日本大震災のとき、家族と一時避難してきた場所が、長崎だった。子どもの頃から海で遊んでいた日々を思い出し、もう一度、海に囲まれた暮らしがしたいと思った。
- 約半年。震災があった年の12月には移住していた。
- 引っ越し費用程度。壱岐市の住まいは、海女の先輩の持家で、家賃は市が負担するのでゼロ。生活にかかるのは光熱費1万弱くらいと少々の食費。
- 「海女さんになりたい」と周囲に言い続けていたら、地域おこし協力隊の知り合いが、壱岐島で後継者募集していることを教えてくれた。
- 地元の人とのつながり、ずっと続けたいと思える仕事、おいしい魚を囲む食事。海から元気をもらい、体も心も健康になった。
- 日々の食事に感謝するようになった。自分の地元・岩手のことを考えるようになり、陸前高田のこともどんどん好きになっている。
- NHK朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」の影響で、海女さんになりたてなのに取材が殺到。例年通り仕事をしたい先輩海女さんたちにも、撮影協力などが入り、迷惑をかけてしまったこと。取材を受けてしっかり情報発信したいという思いと、先輩たちの日常を守りたいという思いとで葛藤していた。
- 虫の大きさにはびっくり。ムカデやゲジゲジ(ともに特大サイズ)が部屋に出没し、夜も眠れないこともあったが、いまでは動じなくなった。
- 海女としてスキルを磨くこと。趣味の釣りもうまくなって、自分で獲った魚を自分で食べる生活をしていきたい。
- 半分不満というわけではなく、残り50%でやりたいことをひとつひとつ実現していきたい。