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田舎暮らし特集

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すごい地域おこし この11人

佐藤恒平さん

福島県出身。大学卒業後、関東でサラリーマンをしていたが、大学院時代にやっていた「地域振興研究」を再開しないかと声がかかり、2010年から3年間山形県朝日町の地域おこし協力隊として活動。主に、自身がデザインした着ぐるみ「桃色ウサヒ」を使い「地域おこしがしやすい地域づくり」をテーマに活動した。現在は、朝日町で地域振興サポート会社「まよひが企画」を開業。地域振興プロジェクトの運営サポートなどの活動を行っている。

無個性な着ぐるみが生み出す地域の自信と誇りの熟成

桃色ウサヒと子供たち

人口7000名ちょっと。鉄道駅や高校はなく、高齢化率は、県内で2番目の中山間地域。ここでの活動は、着ぐるみをまとって、地域情報を取材し、それを役場のHPにでて紹介する情報発信業務。使用する着ぐるみは僕がデザインしたウサギの着ぐるみで朝日町の非公式PRキャラクター「桃色ウサヒ」である。地域の特産品などをキャラクター化したご当地キャラクター(ゆるキャラ)ではなく、見た目に地域の特性を全く盛り込んでいない無個性な着ぐるみだが、狙ってデザインしている。結果から言うと、これが大きな成果を生んだ。WEBのアクセス数は3倍に、イベントへの参加者は最大4倍にまで増えた。それ以上に大きい成果は、地域住民がウサヒを使った企画を自主的に提案してくれるようになったことだ。不完全なキャラの外見は、住民の改善への意見を誘発するための仕掛けだ。「ウサヒに言えば何かカタチになるかも!?」そんな期待が住民のポジティブな遊び心をくすぐった。

協力隊の活動で大切なのは、仲間と家族を大切にすることだと考えている。協力隊にとっての仲間は地域住民。仲間は、好きになれる人と付き合い、増やしながら、楽しい生活を創っていく存在。一方家族とは、役場の担当職員のことだ。親は選べないので、どんな人にあたるかは分からない。しかし、金銭的な支援と成長を見守り助けてくれている。協力隊の仕事は協力隊(自身)と住民(仲間)役場職員(家族)との三角関係をいかにデザインするかである。その関係の中にこそ、新しい地域の活力が生まれていくのだ。

水柿大地さん

東京都あきる野市出身。2010年に大学を休学して、美作市に移住。同市地域おこし協力隊として、上山地区の棚田再生を軸に活動を展開。任期が終了した現在も美作市上山地区に住み、再生した棚田での米作り、にんにくなど農産物の生産、冬は林業や炭焼きをしている。加えて、みんなの孫プロジェクト、古民家カフェの運営、大芦高原キャンプ場の運営など複数のナリワイをつくり暮らしている。

過疎化によって影を潜めた棚田と古民家の再生

活動中の隊員たち

上山は68世帯、人口はおよそ190人で、かつては8300枚100haもの棚田が築かれ米作りが盛んにおこなわれていた地域である。しかし、高齢・過疎化に伴い耕作放棄地が増加し、棚田はその影を潜めていってしまった。我々協力隊はその棚田の再生(草刈りや木の伐採)を活動の軸にしてスタートした。まずは、棚田や古民家の再生を進めていった。そうして徐々に整備されていったスペースを活用し、住民とヨソモノの交流を促進する場づくり、棚田の空間を利用したイベントの企画、地域内外の仲間を増やすための仕掛けを行っていくこととなる。
活動を進めていく中で意識したのは、いかに日頃活動している自分たちの姿を地域の人々に見てもらえるか、ということ。棚田の再生という行為それ自体がとても成果が見えやすく、住民にも行政の方にも何をしているかが非常にわかってもらいやすかった。「今日も元気にやっとるのー」「差し入れ持って行こうか?」という地域の人々との会話がどんどん増えていった。私は個人的にも住民と触れ合う機会を積極的につくるために、集落内で人を見かけたら車を絶対に止めて窓を開けて挨拶、その後少し雑談をするというルールを1年目は徹底して行った。古民家を再生して、住民もヨソモノも集まり意見交換ができる空間「いちょう庵」をつくったのもその一つである。

手を差し伸べて助けるべき存在だと思っていた農山村が、協力隊期間を通じて実は豊かなものであり自分たちが暮らしていくのに良い地域なのではないかということに気づかされた。今行っている仕事をより確かなものに作り上げていきながら農村地域の伝統文化を継承しつつ、自分の家庭、暮らしを築いていきたい。

冨田敏さん

東京都世田谷区出身。大学卒業後、都内の広告代理店に勤務。その後、世界同時不況の影響を受け退職、起業を目指した。しかし、東日本大震災と原発事故の発生を受け、当時4歳の娘を守るため移住。2011年7月に愛媛県伊予市の地域おこし協力隊に着任した。通常協力隊の任期は、最長3年だが、地域の皆さんによる署名活動で、任期を9カ月伸ばした。そして今年春、任期を終えていた冨田さんは、そのまま伊予市に住み続けている。

いちばんの地域資源は「ひと」だった

よもくれ茶屋の集合写真

「まちづくり学校双海人(ふたみんちゅ)」は「じぶんたちでできるビジネスを考えよう」を合言葉に2012年四月からスタートをした住民による学びと実践の場である。参加は、いつでもだれでもOK!おおらかでユーモアたっぷりの住民と取り組むワークショップは大好評で、大きな盛り上がりとともに四年目を迎えている。「まちづくり学校双海人」の校訓は「ふるさとを愛し、楽しく学び、みんなが幸せになる」である。「ふたみ」から一文字ずつとって作られたこの校訓のもと、子育てをほぼ終えたお母さん方を「美女軍団の校夢員」、地域おこし協力隊と地域事務所の職員を事務局として運営に携わる「用夢員」とし、さらに事業全体を統括する役割を担う「校長」を置き、五十人ほどの「学生」とともに地域づくりに取り組んでいる。
また、高齢者や子どもたちが集い、一緒に遊び、食事をしながら語り合う出張型のサロン「くるくるはうす」、商店街に賑いを取り戻すための「しずむ夕日が立ちどまる町の軽トラ市」、無人駅に人が集 まる仕組みづくり、地域住民を主体に「少子化からの脱却」を目指した「移住者の受け入れ」を積極的に推進する活動など「ひと」を主役にした取り組みを行っている。

地域に暮らす人々はみな純粋でナイーブだ。すこし身体が辛いときでも寄り合いに出席し酒を飲み、おどけて虚勢を張る。そうやってコミュニティを繋ぎ、守ってきた。協力隊はこれを尊重し、尊敬と感謝を忘れずに、寄り添いながら暮らしていくべきである。
これからは築130年の古民家を拠点とし、地域の皆さんへの恩返しと、さらに元気な双海町の地域づくりに貢献しながら暮らしていこうと思っている。

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