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- 不安やお悩みを一緒に解消!都会でもできる田舎暮らし相談〜インタビュー編〜


東京メトロ表参道駅から徒歩約5分。南青山のおしゃれな街並みの一画、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」の中に「福井県ふるさと帰住センター」はあります。2009年に設置された同センターでは、主に社会人と学生のU・Iターン就職の支援をしており、現在、板倉光子さんはUターンアドバイザーとして様々な相談を受けています。
青山という立地から、窓口の利用は学生さんが多く思われがちですが、学生さんとはセンターの窓口よりも学内のセミナーでの出会いが多いです。相談窓口に直接訪れるのは90%が社会人です。相談内容は就職についてがほとんど。
福井県は「ものづくり」が盛んなため、専門・技術職の即戦力を求める求人が多いという特徴があります。また、最近は「匠の技」といった伝統産業や職人の技術を学びたいと考えている人もいます。打ち刃物、和紙、焼き物、漆器類のほか、メガネなどのデザイン関係に関心がある人もいます。

社会人の就職支援に対する同センターの強みは、福井商工会議所の中に構えている福井オフィスが無料職業紹介事業所であることと、専用のサイト「ふくいUターン就職ネット」があることです。
交通費や時間のロスをなくすため、東京オフィスで相談者から希望や悩みなど十分に聞き取りをしたうえで福井オフィスにつないで、福井オフィスではセンター独自に受付しているU・Iターン向けの求人から、求職者にマッチした企業を紹介するほか、求人がない場合には、求職者にマッチした企業を探し、求職者を売り込むやり方を取っています。
また、福井県は有効求人倍率が高いことも強みの一つです。(平成26年6月の有効求人倍率は1.50で全国3位)
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福井県では毎年多くの学生が県外の大学へ進学していますが、就職時にUターンするのはこのうちの4分の1程度。これは、福井県出身の人でも福井の企業をよく知らないこと、さらに福井での就職を望んでいても、就職活動のために東京から福井まで何度も往復するのは、経済的にも体力的にも負担が大きいといったことも一因だと思われます。そこで、福井県では、東京で福井県の企業を集めて合同企業説明会を開催するなどして、学生さんと企業とが出会う場を作って、就職活動の支援をしています。
また、県が学生向けに企業情報サイト「働くなら、福井!」を設けていて、このサイトでは企業情報以外に就職イベント情報も掲載しています。さらにメールマガジンに登録していただくと、よりタイムリーにイベントのお知らせや申込期限の告知などの情報がメールで届くようになります。学生さんには、これらの機能も活用して、就職活動を効率的に進めてほしいですね。
「帰りたいけど、地元には仕事がないのでは」と諦めている人にも、「実はこんな企業がありますよ」と、幅広い企業の情報を提供します。時には大学のキャリアセンターをまわって就職関連イベントなどの告知をしたり、学内のセミナーなどで相談に応じることもあります。福井県の企業を知っているからこそできるアドバイスがあるのです。
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年齢層は、35歳くらいまでの方が多いですが、理由はみなさんそれぞれ異なります。東京で数年働いたが都会の生活に魅力を感じなくなったとか、家を継ぐため、あるいは親の介護をするため、結婚を機に、子供のことを考えてなど、相談者により状況はさまざまです。
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何と言っても、食べ物がおいしいこと。とれたての野菜や果物、新鮮な魚介類がスーパーで買えるところです。土地が安いので、マンションを借りるより土地を買って住宅を建てる方や建売住宅を購入される方が多いです。都市部に比べれば生活費はおおむね安くすみますし、保育施設も多く待機児童がゼロであるなど、女性が働きやすい環境が整っていて共働きの世帯が多いことから、世帯当たりの貯蓄現在高も高くなっています。

福井県は全国の都道府県の中で最も幸福度が高い県です。たとえば病院や介護施設の数が多かったり、火災や犯罪が少なかったりということも理由の一つでしょう。
また、3世代同居の多い福井県では、両親は働き、祖父母も社会参加をしながら夕方には保育園へ孫の迎えに行くなど、それぞれが役割を持って生き生きと生活しています。それが幸福度の高さにつながっているのです。