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田舎暮らし特集

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運命の工房との出会い

榎並谷さんは滋賀県庁に勤める清水さんに、「移住して工房を持ちたい」という話をした。清水さんは、榎並谷さんから熱意と強い意思を感じ、工房と住まい探しのお手伝いを始めてくれた。「清水さんは地域の方々に声をかけてくれて、2年という長い間、私のために物件を探してくれました」。

2年後、清水さんが見つけてくれた物件は、工房として非の打ちどころが無い立派な建物と、2人で住むには十分すぎる住まい。このチャンスを逃すわけにはいかないと思った榎並谷さんは、すぐに愛知県から滋賀県高島市への移住を決意した。

「工房は以前着物の帯を織っていた建物のため、広くキレイで木材にとって敵となる湿気もありません。ようやく出会えた運命の場所だと思いましたね」

幸せとやりがいを感じる日々

岐阜県で5年、愛知県で6年半を過ごし、ようやく高島市に工房をかまえることができた榎並谷さん。高島市に住み始めると、馴染みやすく歓迎してくれる風土があることに驚いたと言う。

「最初は、清掃活動や運動会、日帰り旅行など地域の行事が多いことにとまどいましたが、参加することで地域の結束力が強くなり、安心して生活ができることが分かりました。最初に岐阜県に移住したときは周りに頼れる人がおらず、妻には寂しい想いをさせてしまいましたが、今はお互いに気遣える近所の方々がたくさんいます。高島市に移住して、本当に良かったと思っています」。

現在、榎並谷さんが作っているのは、オーダーメイドの収納家具やテレビボード、イス、テーブルなどの家具と、展示会に出展する作品。お客様のニーズを聞き出して図面を書き、良い意味で期待を裏切るような家具作りを心がけているそう。

「以前、愛知県で働きながら工房を間借りさせてもらっていたこともあって、私のお客様はほとんど愛知県周辺にいらっしゃいます。ですから、車で打ち合わせに出向き、そのまま材料を買い付けて帰ってくるというのが基本スタイル。実際に家具を置く場所を見て、希望されている形や大きさ、デザインなどがマッチしているかを確認するために、必ず訪問するようにしています」。

自分の工房で職人仕事をするという夢が叶った今、幸せとやりがいを感じながら、榎並谷さんは日々成長を続けている。

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  • ※2013年5月執筆

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