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田舎暮らし特集

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ビジネスのためのローカル拠点~大野邸~

産地と消費地を直接つなぐビジネス

神山町を東西に流れる鮎喰川のほとり、豊かな木々と田畑に囲まれた下分地区に、サテライトオフィス「大野邸」が建っています。3社合同で入居する古民家の2階、日当たりの良い一室にオフィスを構えるのが、産直通販サイト「Peace!」を運営する株式会社ローカルアクション。代表の平松玲さんは、東京生まれの東京育ち。渋谷でITベンチャーの役員を務めていましたが、「ローカルから時代を作りたい」という思いから今年3月に同社を立ち上げました。徳島県との接点は、奥様が徳島市出身だったこと。「何度か訪れるうち、徳島には豊富な食の資源があることを知りました。たとえば、近畿地方を中心にたくさんの徳島産の食材が流通しているんです。でも、かつての僕も含めて首都圏の人はそのことをほとんど知りませんよね。インターネットは時間と空間を越えるツール。徳島をはじめとする産地と消費地を直接つなぐビジネスを展開したいですね」と平松さんは言います。

ローカル拠点だからこそできること

「ローカルから時代をつくる」ことを目指す平松さんが、都会ではなく地方に拠点を構えることは自然な流れだったのかもしれません。それでも、いくつかの選択肢の中から、神山町を選んだのは理由があります。それは、整備されたITインフラとオフィス運営コストのメリット、そして「人」との出会いでした。この町には企業と地域社会との橋渡しを精力的に行うNPO法人グリーンバレーやその思いに共感して集まったIT企業の人々がいます。「それぞれ手段や目的は違いますが、見ている未来が私と非常に近いと感じました。もちろん最初は、立地的な問題から本当に神山で良いのだろうかとも悩みましたが、最後は『こんなに志が高い人が集まっている地域はない』という妻のひと言が決め手になりました」。

ローカルアクションの事業は、あくまでもビジネス。しっかりと商いをしながら地域の経済を回すことがミッションだと平松さんは言います。そんな平松さんは現在、自社サイト「Peace!」で扱う食品の開拓のため、県内各地の生産者のもとを訪ね歩いています。「今までアポイントメントをお願いして断られたことがないんです。グリーンバレーの取り組みは県内では多くの人が知っているので『最近よく聞く"神山のサテライトオフィス"』という風に、すぐにご理解いただけるのです。まさに伝家の宝刀です(笑)」。ローカルに拠点を置くからこそできる、ビジネスの形がそこにありました。

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  • ※2013年5月執筆

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