インタビュー隊員インタビュー

朝一の仕事は牛舎の掃除から

Vol.98 北海道三笠市【現役隊員】    -   出口 太郎 さん 歴史ある牧場を正しく引き継ぎ、酪農を広めていく為に

Q1. 地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

近隣の岩見沢市を拠点に酪農ヘルパーをしていた際、担当エリアだった三笠市の竹内牧場(明治時代から4代続く)が地域おこし協力隊の制度を利用した後継者を募集していて「自分にやらせてもらえないですか?」と持ち掛けたのが、きっかけです。元々、三笠市での酪農の歴史は古く、明治時代から複数の酪農家が牧場を運営していて、市の中心部にはミルクプラントもあり、クミアイ牛乳という商品名で発売もしていましたが、牧場は徐々に減っていき、現在は竹内牧場を含めて2軒しか残っていない状況です。その酪農の火を消さない為にも、引き継ぐことを決心しました。

牧場の外観

牛舎入り口

生乳を貯蔵するタンク

絞った牛乳の保管室

Q2. 日々の活動内容や嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。

地域おこし協力隊員の活動は、牧場の運営(親方に師事してノウハウを吸収)がほとんどです。毎朝5時から7時半、毎夕17時から19時の時間帯で牛舎の掃除、搾乳、餌やり、寝床の藁の交換を行っています。各作業のポイントとしては、掃除は前日のエサをリセットし衛生環境の維持を行います。搾乳は機械を付ける前に1頭毎に乳頭をマッサージします。こうすることでオキシトシンが分泌されて乳の出が良くなり、1頭から1度に15~20リットル搾乳し、これを1日2回12時間の間隔で行っています。エサは市内の豆腐工場から分けていただいているオカラ、配合飼料、敷地内で栽培している牧草を与えています。牛がエサを食べている隙を見計らって、寝床の古い藁を回収して新しい藁に入れ替えます。古い藁は糞と合わせて、捨てずに堆肥として再利用しています。

このルーティンの作業以外に日中は、夏場は牧草栽培や麦わらロール(牛の寝床に敷く藁)の作成、地域イベントへの参加、冬は雪かきなどを牛舎周辺で行っています。

嬉しいことは、やはり子牛が生まれる瞬間に立ち会えること。また牛乳の生産量が上がるのもやりがいを感じます。

大変なことは、牛の体調管理です。乳の出に影響してくるので、良い環境で生育する様に細心の注意を払っています。また、これはしょうがないことですが生き物を相手にしている仕事の性質上、定期的な休みを取るのが難しい点です。

任期終了後は、引き継いだ牧場の運営に加えて、体験型ファームステイ、アイスクリームの製造販売、ゆくゆくは三笠近郊では初となるチーズ工房を開業する展望を持っています。

搾乳の準備

乳絞り作業

餌のオカラ

餌のおから

Q3. その町の魅力について教えてください。

三笠市を代表する炭鉱遺産をはじめとしたジオパークが好きで、パーク内を案内してくれるツアーやイベントによく参加しています。三笠名産の食べ物は沢山ありますが、特徴的な粘土質の土壌から採れる地元産のコメが美味しすぎて、三笠に移住してから10kgも太ってしまいました(笑)。三笠は都会が適度に近く、田舎の暮らしや牧場がある風景も楽しめる絶妙の立地条件も魅力ですね。

藁の交換

餌を食べている最中に新しい藁に入れ替え

搾乳、餌ヤリ後の牛たち

出口さんがんばってモ~

PROFILE /  北海道三笠市【現役隊員】 出口 太郎 さん(2020年3月掲載)

年齢
37歳
着任年月
2019年4月
出身地
北海道岩見沢市
前職
酪農ヘルパー
仕事のやりがいは?
大好きな牛たちの世話を思いっきり行えるところです。

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