町屋の雰囲気を感じさせる店内

銀座一丁目駅から徒歩1分。平日はビジネスパーソンが多く行き交う大通り沿いにあるのが、石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」です。地下1階から2階まで、3フロアにわたり、石川県から生まれた約1,900もの商品が並びます。
店内に足を踏み入れると、目に入るのは和菓子や加賀野菜などの生鮮品、地元の新鮮な魚介類を使った水産加工品の数々。加賀地方と能登地方、二つの地域を持つ石川県が、豊かな海の幸・山の幸に恵まれていることを実感します。入口では、金沢の特産品・金箔をのせた「金箔ソフトクリーム」も楽しめます。
店内にいるとどこか懐かしさを感じるのも、このアンテナショップの魅力の一つ。壁には町家をイメージした木格子のデザインが施され、床は金沢市で採れる戸室石（とむろいし）をアクセントに使った石畳になっています。

1F 和菓子、生鮮品コーナー。

石川の日本酒に魅了され、酒蔵に就職したお客様も

地下1階に降りていくと、県内の酒蔵で丹精込めて作られたお酒がずらり。イートインコーナーでの試飲も可能です。利き酒師が常駐し、夜は厳選した「地酒３種類」と「おつまみ」のセットを、季節替わりで提供しているそうです。
また、月に1回「利き酒会」を行っており、3種類の日本酒を飲み比べる人気のイベントになっているそう。店内を案内してくれたバイヤーの鈴木美栄子さんによると、利き酒会に参加しているうちに石川県のお酒に魅了され、その後、酒蔵に就職したお客様もいたのだとか。「こんなにおいしいものがあるなら、ぜひ一度訪れたい！」と旅に行く方も少なくないといいます。

B1F 地酒・珍味コーナー。「加賀の酒」「金沢の酒」「ギフトにおすすめ」など、ジャンルごとに陳列されている。

ゆったりとした空間で、伝統工芸技術に触れる

2階にあるのは、伝統工芸品のコーナーとカフェ、観光案内コーナーや移住UIターン関連のパンフレットコーナー。輪島塗や山中漆器、珠洲焼の食器、お箸など、上品な色合いの伝統工芸品が出迎えてくれます。伝統工芸技術を生かしたアクセサリーや雑貨も並び、目にも楽しい空間。石川の伝統工芸として知られる水引で作られた色鮮やかな小物は、ここでしかお目にかかれない一品です。
2階を利用したイベントやワークショップでは、月に1回「水引体験会」も行っているそうで、夏は風鈴づくり、冬はお正月の飾りづくりなど、季節にあった体験会を開催。常連さんも多く、スタッフの鈴木さんは「みんなどんどん上手になっていきます。石川県にゆかりのない方も、食や伝統工芸などを通じて石川好きになっていく。その様子を見ているのがうれしい。」と話します。

2F 伝統工芸「加賀水引」。水引の紐は、和紙のこよりに水糊をつけてひっぱり、乾かし固めて作られている。

カフェでは、石川の「加賀棒茶」やコーヒーに金箔を飾った「金箔コーヒー」も楽しめます。鈴木さん自身、アンテナショップで働き始めるまで石川を訪れたことはなかったそうで、はじめて訪れた時は人の温かさにほっとしたといいます。
「旅好きで、全国いろんな場所を巡ってきましたが、石川の人たちは穏やかで優しい。ものづくりに真摯に向き合う生産者の方たちと話すと、『このおいしさを一人でも多くの人に届けたい』と元気をもらいます」と、石川県の魅力をたくさん話していただきました。
城下町の風情が残る金沢、加賀温泉や山中温泉など全国的に有名な温泉郷、千枚田の情景、日本海に囲まれた能登半島など、一つの県のなかにさまざまな景色があるのが、石川県の魅力。日本の古き良き風景に出会うため、少し足を延ばしてみたくなりました。

2F 灯籠流しをイメージした一つ一つ模様の異なる照明が、空間をぜいたくに照らしている。

いしかわ百万石物語・江戸本店 - http://100mangokushop.jp/