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田舎暮らし特集

旅とは、仕事を休み、お金と時間を“消費”して行くもの。そんな既成概念を崩し“旅を仕事に”するために生まれた、すごい旅人求人サイト「SAGOJO(サゴジョー)」。全国・世界を巡りながらコンテンツ制作の「シゴト」をすることで、企業から「リターン」を受け取ることができます。
実際に「SAGOJO」で仕事をするライター兼編集者の加藤あやなさん、ライター兼フォトグラファーの片岡力也さんに、印象的だった取材エピソード、身についたスキルや経験について伺いました。

外者の旅人だから、発見できる魅力がある

―「SAGOJO」での印象的な仕事は何ですか?

加藤:2018年に行った、青森県・おいらせ町の移住PRの取材案件です。 急な案件だったので事前準備ができないまま現地入りしたのですが、行ってみると、外国人が多くいる国際的な街の空気に驚きました。三沢基地が近いため、そこで働く外国人やそのご家族がおいらせ町で暮らしているんです。地元の方や移住者に話を聞き、暮らしに密着した地元のスーパーも取材しましたが、街全体に、いろんな人をオープンに受け入れる雰囲気がありました。おいらせ町のことをまったく知らずに行ったからこそ、新鮮に感じられる魅力に気づけた。旅人ライターの価値は、こういう発見にあるのかなと思いました。

片岡:まさにそうですよね。地元の方はずっとその地にいるからこそ、すぐ近くの魅力に気づけない。僕も奈良県吉野町に行ったときに実感しました。
吉野町へは、自治体から「観光客への地域PR素材を提案してほしい」というオファーを受け、調査という形で行きました。行って驚いたのは、「こんなところに来て何がいいの?」「吉野には何もないよ」と口にする地元の方の多さでした。吉野川と山々に囲まれた情景は吉野にしかなくて、すごく心地いいところなのに、地元の目には「何もない」と映ってしまう。食に関しても、ジビエ食材に恵まれているのに、それを提供する飲食店がほとんどありません。「吉野で採れた新鮮ジビエ」として出せたら、観光客には価値があるはずです。
そうして数日間滞在して感じた魅力や改善案などは、自治体の方に提案書として提出させていただきました。外者だからこそ気づけることがあり、たくさんの国や地域を自分の目で見てきた旅人だからこそ、ほかの地域との比較で語れる。旅人の価値はこんな風に発揮できるんだと感じた経験でした。

沖縄県今帰仁村の赤墓ビーチにて、新婚夫婦の結婚式の前撮り撮影。

―旅だけではなく「旅×仕事」だからこその出会いもたくさんありそうですね。

片岡:そうですね。地域行政の方と関われるのは「SAGOJO」の仕事ならではです。地域のことを本気で考えている方ばかりなので、その周りにも熱量の多い方がたくさん集まってくる。都心では出会えない方たちとコミュニケーションがとれるのは、この仕事の特権だと思います。
また、インタビュー対象者の多くが、地元のオーナーや経営者など、何かをやり遂げようとしている方たち。失敗や挫折を含めた人生経験を聞いているだけで面白く、自分の人生に生かせることも多いです。

加藤:人はもちろん、場所との出会いもどんどん広がっていきます。個人的には、将来の移住先リストが溜まっているのがうれしい。「移住したくなったらこの人に連絡しよう」というネットワークが全国にできています。また、「SAGOJO」でライターとして以外にも、多くの記事に編集者として携わらせていただき、ほかのライターさんの視点に学ばせていただくことも多くあります。
「旅×仕事」になることで、純粋に旅として楽しめない部分ももちろんあります。「ここで写真撮っておこう」とか「情報を掴んでおこう」と常に仕事マインドで動いているので。「SAGOJO」での仕事は、どこにいても“今は仕事、今はオフ”と切り替えるセルフコントロール力が鍛えられると思います。

青森県おいらせ町で移住PR記事作成のためインタビュー。ハワイから移住したご夫婦に話を伺う。

―今後どんな働き方、生き方をしていきたいですか?

片岡:シェアハウスの運営をしながら旅を仕事にする、今の生活をずっと続けることが理想です。そのためのスキルアップはマストなので、できることを増やし、職種の幅を広げ、常に新たな一手を打ち続けたい。例えば2年前くらいから「次は動画コンテンツのニーズが来る」と考え、動画撮影のために機材購入に投資し技術もつけてきました。今では、フォトグラファー、ライター業に加え、動画クリエイターとしても仕事をいただけるようになっています。自分のライフスタイルを貫くためには、変化するニーズに適応できなければいけないと思っています。

加藤:私は、旅先と「それ以外の場所」を両輪で回していきたいですね。新しい場所と人に会い続ける旅仕事も大好きですが、一方で、同じメンバーとチームを組んでプロジェクトを進めるような仕事の進め方もあるといい。半分旅人、半分会社員といった働き方もありなんじゃないかと思っています。

地域おこし協力隊の方に「おいらせ阿光坊古墳館」を案内していただく。

現在、すごい旅人求人サイト「SAGOJO」以外にも、宿泊費と引き換えにその宿泊施設の魅力を伝える「TENJIKU」など、新たなコンテンツ制作サービスを展開している株式会社SAGOJO。次回記事では、代表取締役・新さんにSAGOJOが目指す未来を伺います。

旅をしながら“シゴト”するシリーズ

一般社団法人
移住・交流推進機構(JOIN)

JOINは、自治体と企業が協業しながら、地方を元気にすることを目的とした組織です。知られざる地方の魅力を伝え、その場を訪れ、味わい、暮らすための具体的な情報を提供していく。私たちは、地方への移住や交流希望者へのニーズに合った情報提供、地域活性化のサービスを提供して日本をより元気に、活性化したいと考えています。

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