Interview隊員インタビュー

Vol.48 岩手県西和賀町 - 菅田 敬さん自分の果たすべき役割を見出して

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

協力隊になる以前は、埼玉県の病院で看護助手をしていました。しかし、都会の空気が自分には合わないと感じていました。

何もかもが競争意識の高い空気に挫折し始めていた頃、若い男性が高い給料をもらえる証券会社をやめて、北海道の田舎で協力隊の活動をしている特集番組を見たんです。彼が様々な人と交流し、笑顔で楽しんでいる姿を見て、やってみたいと思いJOINですぐに調べました。

その時、家族が岩手県北上市に住んでいたこともあり、西和賀町が募集しているのを見つけて応募しました。

協力隊活動拠点の湯田庁舎屋上から望む錦秋湖の景色。この町で一番好きな風景です。

協力隊活動拠点の湯田庁舎屋上から望む錦秋湖の景色。この町で一番好きな風景です。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

1年目は、役場の担当者から「地域の様々なことを知るところから始めてみて」とアドバイスを受け、いろいろなことに挑戦しました。

結果、地域をよく知ることはできましたが、2年目に自分のキャパシティを越えてしまいました。その時は、役場と町の人たちに優しい言葉をかけていただき、とってもうれしかったですね。

また、活動していく中でまちづくりの主役は町民の方々と考えるようにもなりました。そして、私たちが活動を終えても、町民の皆さんが継続してまちづくりを進めていける形を作っていこうと思いました。

以上の経験から、自分の「外部から来た利点」を最大限に生かそうと考えるようになり、町の人と人・役場・町外の人を結ぶ役目と物事の調整役である「コーディネーター」に注目しました。

具体的には、若い人たちが集まって農作物を作る「西和賀4Hクラブ農園」の開設、町の銀河ホールを活用した滞在型演劇制作合宿交流事業「学生演劇祭」の企画委員などに携わっています。

自分が果たすべき役割を明確に見出だせたことが、一番大きな成果ではと考えています。

西和賀4Hクラブに所属し、自分達で野菜を作って、販売し、活動資金を得られる仕組みにした4H農園開設に携わりました。

西和賀4Hクラブに所属し、自分達で野菜を作って、販売し、活動資金を得られる仕組みにした4H農園開設に携わりました。

ある一日の活動
6:00 [起床] → 7:00 [朝食] → 8:20 [役場出勤] → 9:00 [事務作業] → 10:00 [観光コンサル事業会議] → 13:00 [学生演劇祭実行委員会会議] → 18:00 [所属課の役場のみなさんと懇親会]

Q3.実際に西和賀町に暮らしてみた印象を教えてください

西和賀町は豪雪地帯。冬は雪かきに追われる毎日で1年目は大変でしたが、2年目は不思議とあまり苦労はしませんでした。住めば都とはこのことなんだなと思いました。

あとは、みなさん暖かい人ばかりです。私自身は左草地区というところで住んでいたのですが、外からの人間を暖かく迎え入れてくれてすんなりと地区行事へ入ることができました。特にも区長さんとはお互い親身に相談できる関係です。

また、西和賀町は山菜の宝庫です。特にも「西わらび」はとてもとろっとしていて美味で、ここに来てからの大好物になりました。

西和賀町の特産品「西わらび」。他のわらびと比べて太くて粘りがありとても美味しいです。観光客にもおすすめしたい一品。

西和賀町の特産品「西わらび」。他のわらびと比べて太くて粘りがありとても美味しいです。観光客にもおすすめしたい一品。

Q4.今後の目標を教えください

今後は、町の交流人口を増やしたいです。

現在企画に携わっている「学生演劇祭」は、首都圏や関西方面から参加者が来てくれるので、その糸口になると考えています。さらに面白い形を作っていけると思うので、学生がこの町でやってみたいことをなんとか形にして、地域の人たちと共に作っていきたいです。

最終的な目標は、コーディネーター役に専念し、町の人と大学生の交流の機会を増やし、この町に定住できる環境を整えていくことです。

また、4月以降も協力隊OBとして、3年間の経験を生かして全国の協力隊員にアドバイスや相談を受けることができればと思っています。

Facebookでも私自身管理人をやらせていただいてる地域おこし協力隊グループがありますので、興味のある方はぜひ活用してみてください。

毎年夏と冬に行われている「銀河ホール学生演劇祭」。全国各地から大学生などが西和賀町を訪れます。

毎年夏と冬に行われている「銀河ホール学生演劇祭」。全国各地から大学生などが西和賀町を訪れます。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください

協力隊の魅力は、都市以上に人と接する機会が多いことです。

今までいた場所から、知らない地方へ行くことはとても不安な部分があると思います。

しかし、そこから自分の新たなスキルなどが身につき、新たな世界が広がります。自分のスキルアップに地方で自分だけの役割を見つけることも楽しいですよ。

そして、協力隊になり時折壁などにぶつかり悩みができたら、他地域などの先輩協力隊員に相談してみてください。みんなで「地域おこし協力隊」を魅力あるものにしていきましょう。

人形送りという地区の行事。特にも区長さんとはなんでもお話できる仲で、地域の文化など様々なことを教えてもらいました。

人形送りという地区の行事。特にも区長さんとはなんでもお話できる仲で、地域の文化など様々なことを教えてもらいました。

PROFILE / 菅田 敬さん

菅田 敬さん
年齢
28歳
着任年月
2011年5月
出身地
青森県八戸市
前職
看護助手
隊員になって良かった事は?
町内のいろいろ人から毎日声をかけられる。ちっぽけなことかもしれないけれど、ただそれだけのことで、都会とは全く違う充実した楽しい毎日を過ごせています。

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