Interview隊員インタビュー

Vol.50 北海道東川町 - 竹田 良和さん町のみんなの生涯学習を創り、支えてゆく

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

知人から、東川町で地域おこし協力隊の募集があることを聞いて応募しました。

東川町は、日本で一番早くスキーができる「聖地」で、学生時代の部活動でクロスカントリースキーをしていたことからスキー合宿で何度も訪れていた所縁のある地でもありました。

私的事情で北海道に移住することになり、1年間充電しながら何をしようかなと考えていたときに、東川町での募集があることを聞き、地域おこし協力隊が何たるかもわかりませんでしたが、ネーミングから想像して、地域や人のためになり、やりがいを見いだせそうだなと。

募集内容も社会教育活動やスポーツの普及に関することだったので、教育行政に興味があった私にとって「東川が僕を呼んでいる」と思い応募しました。

選手だった経験を活かしクロスカントリースキー少年団を立ち上げ、指導している他講習会なども開催している。

選手だった経験を活かしクロスカントリースキー少年団を立ち上げ、指導している他講習会なども開催している。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

現在、東川町教育委員会に席を置き、生涯学習推進員という肩書で活動しています。

主に、町民の皆さんに学習や体験の場を提供するために各種講座の開催など、町職員や地域のみなさんと協力しながら企画実施しています。対象は子どもからシニアまで幅も広いのですが、その場をとおして参加者のみなさんと交流を図りながら、自分も一緒になって楽しく活動ができています。

また、学生時代にクロスカントリースキー選手だった経験を活かし、スキー少年団を立ち上げて子どもたちに指導したり、小学校の授業や町民の皆さんの健康づくりのためのレッスン、海外から研修で町に来た研修生などにスキー体験をしていもらっています。

東川町に来て感じることは、町長を先頭に発想が大胆で、前例を踏襲ぜず新しいことをどんどんやろう!という「町風」があります。大胆な発想が求められ、頭をフル回転させている毎日です。

小学校に出向き新1年生への絵本の読み聞かせ。ゲストを招いて、毎月 「親と子の移動朗読会」という読み聞かせを開催している。

小学校に出向き新1年生への絵本の読み聞かせ。ゲストを招いて、毎月 「親と子の移動朗読会」という読み聞かせを開催している。

ある一日の活動
8:00 [出勤] → 8:30 [打合せ・スケジュール確認等] → 9:00 [小学校での絵本読み聞かせ] → 10:00 [事務作業、窓口・施設貸館業務] → 12:00 [昼休憩(職場近くの福祉施設でランチ)] → 13:30 [別の小学校にて読み聞かせ] → 14:00 [事務作業] → 15:30 [少年団活動] → 18:30まで [ブログ・FB更新] → 19:00 [帰宅]

Q3.実際に東川町に暮らしてみた印象を教えてください

スキー合宿で、東川町には何度か訪れたことはありましたが、暮らしてみて「水道がない」ということまでは知らず驚きでした。

というのも、各家庭で地下水をポンプでくみ上げ、大雪山の自然フィルターを通して何千年とかけて大地に蓄えられた天然水が飲み放題なんです。水は命の源です。今の時代、水は買って飲む時代ですが、水道代もかからずおいしい水が飲めるというのは最高な贅沢です。この環境を求めて都市部から移住されて来られる方も増えていて人口も右肩上がり中です。

また、東川は農業が盛んで、おいしいお米や野菜がたくさん採れます。私は新潟県出身で米の味には敏感ですが、「東川米」はホントにうまい!それにお洒落なカフェなども点在していて、近隣市町村からの交流人口もあり活気を感じます。

自然に囲まれた東川町。町のシンボルは旭岳。水に恵まれ、農業が盛ん。「東川米」はブランド米。

自然に囲まれた東川町。町のシンボルは旭岳。水に恵まれ、農業が盛ん。「東川米」はブランド米。

Q4.今後の目標を教えください

自分の得意分野を活かしながら、やるべきことの基本線は崩さずなんにでも挑戦したいと思います。

現在、教育行政の中でお仕事させていただいていますが、町の教育目標は「日本一の教育」を目指しています。未来を担う子どもたちはもちろん、シニア世代までが、健全で、健康に、生涯学べる学習環境を整え、その担い手になっていきたいと思います。

また、スキー少年団の指導も行っているので、子どもたちが、いずれ道内から全国へ、全国から世界へとつながるような選手を育てる土台を作りができればなと。教育的観点からも、スキー留学や国際交流的な意味で、スキーの盛んなフィンランド(町としてフィンランド教育を推進)や姉妹都市のカナダ・キャンモアと子どもたち同士が交流できるような環境にしたいなと思っています。その他にも町として「合宿の里」を打ちだしていてるので、合宿のためのスポーツ環境の整備にも携わっていきたいと思います。

子ども対象の地域の自然資源を活用した野外体験教室の開催。

子ども対象の地域の自然資源を活用した野外体験教室の開催。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください

協力隊員の活動は、自分の「個性」を活かせる場であり、やる気次第で活動の幅がどんどん広がっていきます。

町(自治体)の理解がないと当然広がりはありませんが、やりたいこと、やろうとしていることを明確にして行動していけば、自治体の方や町民の方が見ていて、必ず応援してくれる方があらわれます。地域おこし協力隊の任期は3年ということで、決して長くはありませんが、その中でやりたいことを思う存分やってみたらいいと思います。

「地域のために」行動していれば必ずその地域で必要とされる人になり、3年後の道も開かれるはずですから(と自分を励ましながらやっています)。今年度から新隊員の仲間も2名加わりました。同じ志を持った仲間ができ、今年度は何ができるか今から楽しみです。

町内の子どもたちに外国の文化を知ってもらうため外国語指導助手とともにクリスマスパーティーなど開催。

町内の子どもたちに外国の文化を知ってもらうため外国語指導助手とともにクリスマスパーティーなど開催。

PROFILE / 竹田 良和さん

竹田 良和さん
年齢
41歳
着任年月
2013年4月1日
出身地
新潟県妙高市
前職
富山県で地方公務員
隊員になって良かった事は?
北海道の秀峰・旭岳の麓で、自然に囲まれ自分の好きなスキーが思う存分できることと、仕事がら「毎日」地域の人とのコミュニケーションがとれ楽しく過ごていること

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