Interview隊員インタビュー

Vol.41 徳島県三好市 - 藪下 敬太さん音楽イベントで人と人をつなぐ

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

私の妻が徳島県三好市出身ということもあり、就任前から三好市には何度か来ていました。いつも高速道路を降りてからの吉野川の雄大さ、景色の素晴らしさ、山の緑が本当に素敵な町だと思っていました。

妻の実家は畑をしており、採れたての野菜を頂いたり、古民家の縁側ではしゃぐ子供の笑顔やじいちゃん、ばぁちゃんの笑顔を見ていると「こんなノスタルジックで素敵な町にのんびりしながら、仕事が出来たらいいなぁ」と想像を膨らませていました。

そんな時、妻から「三好市地域おこし協力隊」の募集情報を知らされて、京都での私の活動や仕事が少しでも三好市の地域活性に繋がればいいなぁと思い、田舎暮らしについて真剣に考えるようになりました。移住に対する不安はもちろんありましたが、地域との関係性や仲間が生まれる仕事という魅力にとても心惹かれて応募に至りました。

ライブ会場として使わせてもらっている国の有形登録文化財「百年蔵」

ライブ会場として使わせてもらっている国の有形登録文化財「百年蔵」

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

地域の若者が楽しめる場所があまり無い、ということで古民家や空き家、有形登録文化財を利用し、若者から大人まで楽しめる音楽イベントの企画をメインに活動しています。

イベントを通じて知り合った市内外のたくさんの方が、スタッフとして支援してくれたり、音楽にあまり興味が無い高齢者の方も共に考えてくれたりしますし、地域活性化というテーマに対し、進んで協力してくれる地元愛の強い人が多いと強く感じました。

三好市地域おこし協力隊の利点は、担当部署である地域振興課、そして担当者がとても協力隊の活動に対して寛容な所だと感じています。皆さん気軽に相談に乗ってくれますし、悩んでいることに関して決して否定せず、無理をしないでできる事をやる、というスタイルは、私の気持ちをとても軽くしてくれて、「じっくり考えていこう」という、まさに田舎の気の長さを感じています。

活動のメインは企画ですが、アーティストとしても出演する時があります。

活動のメインは企画ですが、アーティストとしても出演する時があります。

ある一日の活動
7:00 [起床] → 8:30 [市役所に出勤] → 9:00 [有形登録文化財「百年蔵」にてライブ会場の設営] → 12:00 [百年蔵の店主に作って頂いたカレーを百年蔵の方と一緒に食べる] → 13:00 [地元タウン情報誌の取材を受ける] → 15:00 [イベントのポスター、販促を制作する] → 17:00 [ポスターを地元の商店に配りに行く] → 18:00 [地元のお祭りの実行委員会の会合] → 19:30 [帰庁]

Q3.実際に三好市に暮らしてみた印象を教えてください

実際、三好市で暮らしてみて、私はとても幸せな生活を送っていると感じています。

三好市での暮らしは、都会の生活に比べてとても落ち着いていて、子供と遊ぶ時間が増えました。また、子供が身近に川遊びができたり、おばぁちゃんの家に行って一緒に縁側で昼寝をしたり、麦わら帽子をかぶってお茶摘みをしたり、阿波踊りを体験したりと、とても素敵な暮らしができています。

さらに自分自身の活動である音楽イベントでは、京都で作れなかった新たな関係や仲間、繋がりを作ることができ、そして徳島と京都、さらには関東のアーティストも繋ぐような活動が出来て、本当にこの町に来てよかったと感じています。

プライベートも仕事もどちらも充実している事は、私にとってとても大切で、その要因の大半は三好市で出会えた人の優しさに尽きると感じています。

イベントに出演して頂いたアーティストが百年蔵を気に入り描いてくれたイラスト。

イベントに出演して頂いたアーティストが百年蔵を気に入り描いてくれたイラスト。

Q4.今後の目標を教えください

今後の目標は、協力隊を卒業した後も、仕事と並行して今までの活動を持続できるようにすることです。

協力隊の期間は、言わば「土台作りの期間」だと思っています。ここで就職をして余暇で活動するのではなく、この3年で培ったものを、今後どのように地域の方と一緒に大きくしていき、次の仕事にどう活かしていけるかだと考えています。ここで就職するという事は、町おこしというワードは切って離せないという事であり、常に外から来た目線を持ち続けて三好市を愛していきたいと考えています。そして自分のフィールドをさらに増やし、今までの活動をより濃いものにしていきたいと思っています。もちろんプライベートでも、三好市を楽しんでいきたいです。

百年蔵でのライブの様子。旧酒蔵の雰囲気はライブにマッチします。普段あまり見かけない若者が多く集まります。

百年蔵でのライブの様子。旧酒蔵の雰囲気はライブにマッチします。普段あまり見かけない若者が多く集まります。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください

地域おこし協力隊は、私が思っていた固いイメージの活動ばかりではありませんでした。

当初は、スーパー勤務の経験を活かし産業の活性化を目標に三好市に来ましたが、今ではライブイベントを主催しています。もちろん産業の活性化は重要ですが、地域で求められている事や、自分が本当に地域おこし協力隊でやりたい事が何かを、三好市で出会った沢山の仲間たちに教えてもらいました。

地域おこし協力隊の仕事は、私にとってとても大切な経験であり、今まで「町おこし」という言葉に対して大きいイメージを持っていましたが、今私がしている活動は、文化や音楽に特化した小さな活動です。しかし、とても意義のある仕事であり、達成感を感じられる仕事ですし、仲間と共有しながら、一つ一つ作り上げていける喜びは私の核となりました。地域おこし協力隊に参加を考えている方はぜひ動いてみましょう!!

出演アーティストとスタッフでの集合写真。たくさんの交流が生まれます。

出演アーティストとスタッフでの集合写真。たくさんの交流が生まれます。

PROFILE / 藪下 敬太さん

藪下 敬太さん
年齢
24歳
着任年月
2011年7月1日
出身地
京都府
前職
スーパー勤務
隊員になって良かった事は?
協力隊の活動を通じて、沢山の仲間と出会えた事。自分が本当にやりたい事を田舎のゆったりした時間軸で自分のペースで考えながら、仲間と共有し、達成できた事。

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