Interview隊員インタビュー

Vol.42 北海道中頓別町 - 三浦 毅さん都会の生活をリセットし、田舎で「得たもの」

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

もともと田舎暮らしへの思いがなんとなくあり、「いつか田舎で暮らせると良いね」というのが夫婦の一致した意見でもありました。当時は30歳を目前にしており、「そろそろ行動を起こさないと動きづらくなるかな?」「このまま首都圏で暮らした方が良いかな?」ということを考えている時でした。

そんな中、たまたまインターネットで見つけたのが中頓別町の「地域おこし協力隊」の募集でした。業務内容も「自然公園のガイド」ということでアウトドア好きの私にとってはこれ以上無い内容で、妻も乗り気だったので早速応募し、選考を経て採用となりました。

中頓別は酪農の盛んな町なので、広大な牧草地がどこまでも広がっています。冬にはご覧のような絶景になります。

中頓別は酪農の盛んな町なので、広大な牧草地がどこまでも広がっています。冬にはご覧のような絶景になります。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

年間を通すと、5月~10月の半年間は「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」での勤務(公園が冬季は閉鎖になるため)で、11月~4月の半年間は役場での勤務となっています。夏季の公園勤務では、インターネットを使った情報発信や園内のガイド、表示物や展示物の作成・設置などをしています。冬季の役場勤務では、公園に関する事務的な作業や、地域振興に関する事など様々です。昨シーズンは都市部の大型ショッピングモールで行われた地域振興のステージイベントに出演したりしました。

これ以外には町内にあるNPO法人「そうや自然学校」のサポート業務が年間を通してあります。釣り体験やカヌー体験など、人手不足の時にサポートスタッフとして参加します。先日はそうや自然学校で行われた「東日本大震災子ども支援プロジェクト」に参加し、子供たちの送迎や期間中のプログラムサポートを行いました。

夏季の勤務地「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」です。自然とふれあい、神秘的な鍾乳洞を見学できる場所です。

夏季の勤務地「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」です。自然とふれあい、神秘的な鍾乳洞を見学できる場所です。

ある一日の活動
8:20 [役場出勤] → 8:30 [朝礼] → 8:35 [中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園へ] → 8:45 [公園勤務開始] → 8:50 [園内見回り・写真撮影(情報発信用写真)] → 10:00 [フェイスブック・ツイッター・ブログ等更新] → 12:00 [昼休憩] → 13:00 [園内ガイド] → 15:00 [園内表示物作成・設置] → 17:00 [公園勤務終了・役場へ] → 17:15 [役場着・勤務終了]

Q3.実際に中頓別町に暮らしてみた印象を教えてください

本当に自然が豊かです。家のすぐ近くでも春は山菜、秋はきのこが採れ、川ではヤマメが釣れます。こういった自然の恵みを少し頂きながら生活するのは、まさに田舎暮らしの醍醐味です。

しかしその反面、都会では味わえない自然の厳しさを感じることもあります。中頓別では今年の1月に-31.9度になりました。これはこのシーズン日本一の記録です。雪も非常に多く、家が埋まってしまうこともありましたが、全てひっくるめてここでの生活を楽しんでいます。

また、人との距離が非常に近いです。野菜ができれば分けてくれたり、サークルに誘ってくれたり。私は、草野球と走友会と消防団に入りました。妻はバレーと農園のお手伝いに行っています。

休日は趣味の釣りに出かけることが多いです。毎週町内外走り回ってます。

休日は趣味の釣りに出かけることが多いです。毎週町内外走り回ってます。

Q4.今後の目標を教えください

やはり、最大の目標はここに定住することです。「地域おこし協力隊」の任期は最大3年なので、その後は自分でどうにかしなくてはなりません。どこかに就職するのか、独立するのか、現在はまだ全くの白紙ですが、今やっているガイドの仕事を広げてどうにか形にできればとは考えています。

いずれにしても、私の移住はまだ完結しているわけではなく、まだまだ正念場だということを常に認識して、残された時間でいろいろな事にチャレンジしていきたいと思っています。

スタッフとして参加したスノートレッキングツアーです。一般参加した妻と記念撮影。

スタッフとして参加したスノートレッキングツアーです。一般参加した妻と記念撮影。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください

都会を捨て、田舎へ行くのはとても勇気がいることだと思います。職場でのポジション・都会での人間関係・収入など全てリセットすることになります。

でも、それ以上に「得るもの」もたくさんあります。この「得るもの」は時間だったり、豊かな自然だったり、田舎の人づきあいだったり、人それぞれだと思います。地域おこし協力隊を考えてる方は、その「得るもの」に興味があったり、憧れていたりするのではないでしょうか。

一度しか無い人生、チャレンジするのは今ですよ!

開放感のあるこの景色に毎日癒されています。

開放感のあるこの景色に毎日癒されています。

PROFILE / 三浦 毅さん

三浦 毅さん
年齢
31歳
着任年月
2012年8月
出身地
札幌市
前職
東京都 IT関連
隊員になって良かった事は?
一般的な移住に比べて、地域との関わりを持つ機会が多いので、町に溶け込みやすかったと感じています。

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