Interview隊員インタビュー

Vol.83 和歌山県串本町   -   アルカン アイシェギュル さん外国人だから気づけた、最高の田舎暮らし

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけ、赴任するまで不安だったことを教えてください。

2012年9月から1年間、大阪大学に留学していた際に、一度串本町に遊びに来たことがありました。 串本はトルコ人にとって特別な場所です。地元の方は本当にトルコ人に対して優しくて、おもてなしをしていただき、もう一度串本に行きたい!機会があれば住んでみたい!と思っていました。
127年前、日本に友好のために来ていたトルコの船が、日本から帰る途中に、串本の大島の沖で沈没してしまいました。その時、串本の町民はすぐに助けに来てくれました。そして、救助活動がとても大変な中、自分達の食料まで全て差し出し、トルコ人を助けてくれました。その後、亡くなった587人のために慰霊碑を建て、今でも温かく見守ってくれています。串本町民の真心に、トルコ人は今でも感謝しています。
そんな串本町で、協力隊になりたいトルコ人を探していると聞き、すぐに申し込みをしました。不安は、もちろんありました。串本町には来たことがありましたが、その時は観光で訪れていたため、あまり町並みを覚えていませんでした。イスタンブルのような大都会から田舎に行くため、スーパーがなかったらどうしよう、大好きなカラオケがなかったらどうしようと不安でしたね!

串本にはじめて来たとき。駅前のこの看板をみて、嬉しくて、感動しました。

串本にはじめて来たとき。駅前のこの看板をみて、嬉しくて、感動しました。

Q2.日々の活動内容や嬉しかったこと、大変だったことを教えてください。

私が赴任してすぐに、トルコ日本友好125周年式典という大きなイベントがありました。その際に、トルコ政府、海軍関係の方や、日本の総司令官がいらして、皆さんの通訳をしました。とても大変でしたが、一生懸命頑張って無事に成功しました。その時は、串本町に来ていなかったら、こんなに大切なイベントで、こんなに多くの偉い方々にお会いすることはなかったと思い、串本に来てよかった!と思いました。この時のことは、私にとって大変誇りに思うような仕事になりました。
大変だったことももちろん沢山あります。自分で自由にしたいこともありましたが、行政という立場であったため書かなければならない書類も多く、「もう日本のシステムはいやや!」と思う時期もありましたね!笑

トルコ日本友好125周年式典の様子。

トルコ日本友好125周年式典の様子。

ある一日の活動
6:30 起床 → 6:40 海までランニング → 8:00 朝ドラをみる → 8:15 登庁・学校で串本町と友好関係についての説明、トルコ記念館でガイド等 → 17:30 帰宅 → 19:30 トルコ語講座や子供用英会話教室、トルコ料理教室、バドミントン、ランニング → 23:00 就寝

Q3.実際に串本町に暮らしてみた印象を教えてください。

串本町は、海も山も川も滝も、自然の何もかもが素晴らしくて、田舎ですがスーパーやコンビ二もあり、車がなくても生活ができるので、生活には何の不便も感じていません。
みんなに、「串本町で、若い人が週末にすることってあるの?こんな田舎に…」と言われますが、私は毎週末、新しいところを発見したり、新しい穴場を見つけたり、地元の人々と友達になったり、色々なところに誘われたりと、とても楽しい生活を送っています!串本町を満喫していますよ!
串本町は、ちょっと田舎で、ちょっと都会。人々が温かく、年に何回かは、エーゲ海のように青くきれいに染まる海がある。私の愛する場所です!

串本の大自然!

串本の大自然!

人々が温かい町で、この町の自然と人々が大好きです!

人々が温かい町で、この町の自然と人々が大好きです!

Q4.今後、取り組んでみたいこと教えてください。

私はこれまで、串本とトルコの友好関係がこれからも発展していくような活動をしてきました。トルコのことを紹介したり、串本とトルコの友好関係を全国にPRしたり、フェイスブックなどで、串本の情報を毎日トルコ語でも発信したりなどしました。
串本のことを知らないトルコ人や日本人は沢山いましたが、せめて私の周りの人達だけでも、串本町を知ってもらいたいと思い活動を続け、知ってもらうことができました。
私はこれからもどこへ行っても、ずっとずっと串本町のことを紹介し続けますし、トルコと日本の友好関係が始まったこの串本町への恩返しを絶対に忘れません。
もっと知ってもらえるように、どこへ行っても説明します!

串本についてスピーチしている様子

串本についてスピーチしている様子。

友好を大事にしてくれる町。トルコ語講座に参加してくれた方々。

友好を大事にしてくれる町。トルコ語講座に参加してくれた方々。

Q5.外国籍で地域おこし協力隊への参加を考えている方へアドバイスをください。

外国人で、日本が大好きで日本語を勉強していて、日本で働きたいという人は沢山います。日本に住み、働き、生活する中で、きっと一番望んでいることは、「日本の文化・伝統を知りたい」、「いろいろなことを経験したい」ということでしょう。
そんな気持ちを持ちながら、日本の大都会の会社でずっと働き、仕事が大変で残業ばかりで、日本を嫌いになってしまう人も多くいます。でも、この地域おこし協力隊で、住みたい地域を選んで、地域に入れば、地域の皆さんと友達になれます。また、その中で自分が本当にやりたいと思うことができるので、私はこの仕事をとてもお勧めします!
ぜひ、自分が住みたいと思う、日本の素晴らしい地域を見つけてみてください!

田舎に居たら、日本の文化を知ることができて、色々な体験ができます!

田舎に居たら、日本の文化を知ることができて、色々な体験ができます!

PROFILE / アルカン アイシェギュル さん

アルカン アイシェギュル さん
年齢
27歳
着任年月
2015年6月
出身地
トルコ共和国
前職
通訳・翻訳者
隊員になって良かった事は?
前よりも社交的になれたこと。自分の意見を言える場を作れて、やりたいことをやれて、やりがいがあることです。

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