Interview隊員インタビュー
Vol.72 香川県香川郡直島町 - 山岸 紗恵 さん「隊員としての活動と子育てを両立!」
Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
募集があった際、私たち家族は直島町へ移住することを既に決めていました。そして、家族での暮らしを考え、直島町がこれからも若い人が移り住んでくるような、魅力的な場所でありつづけてほしいと考えていました。
移住に向けて準備をする中で、過疎地域が抱える諸問題を直島町も同様に抱えていることがわかってきました。特に住宅の供給が大きな課題の一つとなっていることがわかりました。そこで、これまで建築やデザイン、まちづくり関係で働いてきた自分の経験と、空き家への興味・関心という2つの点で、私自身と直島町のニーズが一致していると考え応募しました。
もちろん、家族の後押しもあります。また、面談時には子育てとの両立や将来を見据えた副業についてご理解頂いた事も大きな理由の一つです。
Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください
現在は、「NAOSHIMA COLORS」という直島への移住・定住者向けの情報サイト及びSNSの運営/各種問合せの対応や、空き家バンクの運営を行っています。また、「直島のここが好き。」写真コンテストの企画・運営、香川大学からのインターンの受け入れ等も主な活動内容です。できるだけ行政のルールや枠組みにとらわれず活動をすることが、行政・隊員双方にとってのこの制度のメリットだと思います。そして、隊員と行政それぞれが持ち味を理解し、円滑なコミュニケーションを心がけることが活動の第一歩です。
活動を通して、過疎化・少子高齢化という問題は数で解決するものではないと感じ始めました。町のソフト面(物事に関わる人材やその教育など、直接目には見えない人の働きが関わっている要素)を柔軟に変えて行く事で、人口が減っても豊かな暮らしが送れると思います。そのためには年配者が勇気を持って若者にバトンを渡すべきだと考えています。
- ある一日の活動
- 起床・朝食 → 娘を幼児学園に送る → 空き家物件の調査 → 昼食 → 打合せや取材、図面の作成等 → 娘のお迎え → 夕食・お風呂など → 就寝
Q3.実際に暮らしてみた感想を教えてください。
直島町は、ちょっと変わっています。三菱マテリアル株式会社の大きな製錬所があるため、約100年前より島外から来る従業員の方がたくさんいらっしゃったようです。また、気さくに声をかけてくださる島民の方も多く、移住する身としてはスタートから親しみやすい環境でした。
移住して3年目となる現在、世界中から人々が訪れる島であることにとても驚いています。移住前は、近所のおじいちゃんおばあちゃんとお話ししたり、地域の子ども達と駆け回ったりするような暮らしを想像していました。実際は、地域の方はもちろん、英語を使わない日がないほど海外の方ともコミュニケーションをとる機会があります。暮らしの中で自然と英語力が上がり、世界が広がりました。
Q4.今後の目標を教えてください。
一番は、子どもと家族にとってよい環境をつくっていくことです。具体的には仕事だけでなく、住まい、食べ物など様々な要素があります。また、あと半年で隊員は卒業となりますが、卒業後も町への提案をしたり、より良い町になるようなお手伝いをしたいと考えています。
卒業後は、まず隊員の副業として家族で経営している「島小屋(shimacoya.com)」や、地域おこし協力隊の活動から生まれた移住体験住宅「宮浦の家」をしっかり軌道に乗せていきます。
そして、子育てに奮闘し、趣味に奮闘し、遠くない未来に小さな事業として実を結ぶよう歩んで行きたいと思います。
Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください。
地域おこし協力隊は、任期が3年です。応募前に3年後のビジョンをぼんやりとでも思い描いてください。私は、実際に直島で暮らしてみてビジョンがよい方向に大きく変わりました。初めにビジョンを持っていれば、条件が変わってもそれを修正したり、発展させたりすることは容易です。
また、行政のニーズ(課題)が明確に示されている自治体が働きやすいと思います。その際、示されたニーズが自分の興味や経験とマッチしているかが最も重要なポイントです。
ご家族で移住を検討されている方は、メリットデメリットはありますが、夫婦で隊員となることも一つの選択肢だと思います。
応募前には必ず、その土地に足を運び、自分の目と耳で確かめましょう。
PROFILE / 山岸 紗恵 さん
- 年齢
- 34歳
- 着任年月
- 2014年5月
- 出身地
- 茨城県
常陸太田市
- 前職
- 東京都で建築やデザイン関係のフリーランス
- 隊員になって良かった事は?
- 活動内外で様々な人と関わることで、自分がこれから暮らして行くまちについて、より色々な角度から知ることが出来た。
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