Interview隊員インタビュー
Vol.76 京都府福知山市 - 紀氏 浩太朗 さん「新たに利益を生み出す仕組みを」
Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。
大学で公共政策を学び、将来的にいつかは地域づくりに携わることができればと感じていたところ、偶然、JOINのホームページにて実際に現地に入って地域づくりを担う地域おこし協力隊の制度を知り、興味を持ちました。
農山村地域に対する知識や経験もなく、なかなか難しいのではないかという不安もあったのですが、良いきっかけになるのかもしれないという思いもありました。
まだ気持ちが固まっていない中でしたが、「もし自分が地域おこし協力隊をするとしたらどこか?」と考えた時に、「京阪神からアクセスしやすい立地にあり、それを活かした地域づくりもできる場所」と考え、募集地域を探していると福知山市を見つけたので応募してみました。
Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください
担当している三和町友渕地区では、「友渕(ともぶち)」という同名地域である大阪市都島区友渕町との農村都市交流をしており、その運営を活動の1つとしています。主に、大阪の方に筍掘り、田植え、稲刈り等の農作業体験をしていただくイベントをしたり、大阪で農産物等の販売をさせていただいたりして交流しています。
現在まで交流を続けてこられていますが、過疎化・高齢化の影響により、地域の力が弱まってきているので、持続可能なものにしていく必要を感じています。
両極端な田舎と都市の二地域ですが、車で1時間30分程度で行き来できる位置関係にあるので、人やモノの往来をもっと増やすことでさらなる発展はできないかと考えています。
- ある一日の活動
- 8:30 出勤・メールチェック → 9:30 特産品開発のため加工業者・地域の方との協議 → 12:00 昼食 → 13:00 新規移住・就農希望者の方との現地立会 → 16:00 事務処理作業(イベント企画書、資料作成)→18:00(退勤)→19:30 農村都市交流イベントのため企画・協議 → 21:00 帰宅
Q3.実際に暮らしてみた感想を教えてください。
三和町は周辺に里山が広がり、自然豊かなところですが、人口減少や少子高齢化の影響から耕作放棄地や空き家等の課題を抱えています。公共交通機関はバスのみで、生活には車が必要なところです。市の庁舎に車で通勤しているのですが、朝の出勤時は田園風景が広がっており、天気が良ければその景色がとてもきれいで、ちょっとしたドライブ気分でいつも出勤しています。
こちらに来る以前は買い物等にとても不便な場所かと思っていたのですが、車で20分程度の距離で市街地と農山村の行き来ができるので、実は田舎暮らしを希望される方の初心者向けの場所としてオススメではないかと思います。また、Iターン者の方が様々な地域活動の場で多く活躍されていて、外部の方の受け入れについて寛容な地域といえるかもしれません。
Q4.今後の目標を教えてください。
地域の特産物に「三和ぶどう」があるのですが、今までは生食用のみで販売しており、生食用として販売の難しい規格についてはぶどう園の肥料というかたちで処分していました。
順調に収穫できる年でも、生食用として販売の難しい規格の粒は一定量出てしまうようで、それを処分ではなく、活用してお金を生み出すことはできないかと思い、ジュースへの加工・販売について試験的に取り組んでいます。
それによって、生食用であれば賞味期限が1~2週間程度であったものが1年間の長期化を図ることができ、外部地域への販路拡大や知名度アップが可能になりました。現在は、地域イベントへの出店や道の駅にて販売させていただいており、地域に新たにお金を生み出す仕組みになるようにしていきたいと考えています。
Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください。
着任前に思っていたイメージどおりに物事を進めることはなかなか難しいのではないかと思います。また、最初は仕事なのかプライベートなのか自分でも分からないということが多々ありました。福知山市では初めて地域おこし協力隊事業に取り組みだしたところであったため、現在も隊員と地域と行政が手探りの中で取り組んでいる状況であり、市としてのノウハウを確立しているところです。
地域づくりは数字等の結果として目に見えづらい部分も多く、本当に難しい仕事だと感じています。
急に思わぬところでトラブルが起こる想定外なこともありますが、自分が思っていた以上の成果が得られることもあります。その成果が地域貢献につながりますし、この仕事に求められている役割ではないかと思います。
PROFILE / 紀氏 浩太朗 さん
- 年齢
- 29歳
- 着任年月
- 2015年3月
- 出身地
- 京都市
- 前職
- 会社員(商社)
- 隊員になって良かった事は?
- 農山村地域を体感できるところ。現場で地域振興に携われるところ。
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