Interview隊員インタビュー

Vol.58 沖縄県渡名喜村 - 吉田 勇一郎さん家族で移住した島、地元の人たちの関わりに感謝

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

新生児の子育てが落ち着いて、趣味の園芸と料理に対する関心が強くなりました。植物×食の流れで、持続可能なライフスタイルを追求するパーマカルチャーを知り、自給自足の暮らしに憧れるようになりました。移住の準備をはじめたのはその頃からです。

まず会社員をしながら勉強のために、栃木県那須町にある非電化工房の「地方で仕事を創る塾」へ参加しました。そのときに仲間から「地域おこし協力隊」の制度を教えてもらったのが応募のきっかけです。山梨県に移住し都留環境フォーラムで活躍している仲間の姿をみて応募を決めました。

渡名喜村は、JOINのWEBサイトの募集自治体一覧を見ていて、キービジュアルがユニークだったので応募しました。海に浮かぶ島を空撮したものでした。

クジラのジャンプ。2~3月はクジラが回遊しにきます。

クジラのジャンプ。2~3月はクジラが回遊しにきます。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

現在2年目です。昨年は、農産加工品を製造販売する生活改善グループのお母さんたちと、特産品である島にんじんを使った商品をつくりました。

渡名喜の農業は小規模ですが里海のサンゴ礁を守るために、長年、無農薬・有機肥料を貫いています。手間をいとわず環境への影響を考慮したこだわりが、時代が求める素晴らしい味につながっています。沖縄県内の小規模離島5つが集ったPRキャンペーン「おくなわ」では、島の日々の様子を撮影し、facebookで島とつながりのある皆さんにお伝えしています。透明度の高い海、ウミガメやクジラ、伝統行事など島ならではのひとコマが人気です。

1年目はいろいろな方々と知り合いになれるように、進行中のプロジェクトのなかでいっしょに仕事をする機会をつくってもらいました。島の人の配慮に感謝しています。

特産の島にんじん。無農薬有機肥料栽培です。砂地なので長く立派に育ちます。

特産の島にんじん。無農薬有機肥料栽培です。砂地なので長く立派に育ちます。

ある一日の活動
6:00 [起床] → 6:30 [朝起き会参加] → 7:10 [朝食] → 7:40 [自転車で役場に移動] → 7:50 [スケジュール・メール・SNSチェック] → 8:30 [企画立案] → 12:00 [自宅で昼食] → 13:00 [打合せ準備] → 14:00 [特産品加工センターで生活改善グループさんと打合せ] → 15:30 [PR用写真撮影] → 16:30 [掃除] → 18:00 [帰宅] → 20:00 [通信員の原稿作成] → 22:00 [就寝]

Q3.実際に渡名喜村に暮らしてみた印象を教えてください

畑をやりたくて移住したのですが、島に住んでからは海の魅力に夢中です。遠浅の海は大潮になると砂浜から1km以上離れたリーフの端まで歩いていけます。サンゴ礁の魚はカラフルで見とれる美しさです。釣り、イザリ、シュノーケリング…楽しみ方も多彩です。子育てに恵まれている点も意外でした。

村の子育て支援制度も充実していますが、いちばん感動したのは、地域みんなで子供たちを見守っているところです。交通量も少なく、子供たちはほんとうにのびのびと外で遊びまわっています。子供たちがさまざまな伝統行事に参加するなかで地域の人たちとかかわりあい、普段から仲間になっていることが大きいと思います。

先月三男が生まれましたが、地域の皆さんがとても喜んでくれました。三男誕生がこれくらい喜ばれる地域はなかなかないと思います。

東側のイノー(里海)。大潮のときは白い波のところまで徒歩でいけます。

東側のイノー(里海)。大潮のときは白い波のところまで徒歩でいけます。

Q4.今後の目標を教えください

渡名喜村の最大の課題は人口減少です。移住希望者は多いのですが、残念ながら仕事がネックになっています。

渡名喜島は、離島ならではのユニークな自然環境(渡名喜県立自然公園)があります。また、掘り下げ屋敷とフクギで構成される独特の集落景観(重要伝統的建造物群保存地区)も保っています。これらの地域資源を活かして来島したみなさんによりよい体験をしてもらえるようなスローかつ参加型のサービスに可能性があるのではと考えています。

今年は地方創生の戦略策定が予定されており、渡名喜村にとって大きなチャンスの年だと思っています。ひとりひとりがやりがいを感じながら未来へのビジョンを描くことをお手伝いしたいと考えています。

フクギの防風林と伝統的な掘り下げ屋敷。砂地ならではの強風対策です。

フクギの防風林と伝統的な掘り下げ屋敷。砂地ならではの強風対策です。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください

自分は地域に対して何かをしたいという明確なイメージがあったわけではなく、自給自足への憧れから応募しました。

それでも1年間暮らすなかで、お世話になっている島に恩返しをしたいと感じるようになり、島のいちばんの課題は何か、それに対して自分がひとつでも貢献するにはどんなアプローチをすればよいのか、というイメージができつつあります。 自治体によっては、地域おこし協力隊をどういう位置づけでどのように活かせばよいのか手探りというところもあると思います。あまり性急に成果を出そうと気負うのではなく、まずは地域に受け入れてもらって、ひとりひとりが望む未来を一緒に描いてゆくというスタンスでもよいと思います。自分が求めるもののために日々準備をしつづけていれば、チャンスが飛び込んでくるときが必ずあります。

海神祭のハーリー。漁業の島ならではの伝統行事です。

海神祭のハーリー。漁業の島ならではの伝統行事です。

PROFILE / 吉田 勇一郎さん

吉田 勇一郎さん
年齢
37歳
着任年月
2014年2月
出身地
秋田県
前職
WEB制作
隊員になって良かった事は?
コミュニティの一員として迎え入れてもらい、地域の未来を描いていくプロセスに参加できていることにやりがいを感じています。

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