Interview隊員インタビュー

Vol.65 佐賀県江北町 - 高塚 都喜子さん「経験がないこと」が強み

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

子供の頃から自然が好きで、自然に関わるような仕事がしたいと漠然と考えていました。
大学4年生になり、なんとなく就職活動を始め、一般職の会社に内定をもらいました。内定をもらった安心感から「本当に自分がやりたいことはなんだろう」とゆっくり考える時間ができ、その時間の中で《自然》と関わりたいという思いが段々と強くなっていました。

それから就職活動をやり直し、農業法人で求人を探していたところたまたま「地域おこし協力隊」を見つけ、絶対にやりたい!と強く感じました。複数の地域に応募していたのですが、江北町の方は面接の前にわざわざ福岡まで来ていただき、町のことや任期後の仕事内容など、イメージしやすいような説明を具体的にお話しして下さいました。会話をしている時に違和感なく話せたのもあり、江北町に移住を決めました。

町のお祭りに参加した時の写真。ポニーのジュジュちゃんを引いて、町を練り歩きました。

町のお祭りに参加した時の写真。ポニーのジュジュちゃんを引いて、町を練り歩きました。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

主に空き家や空き店舗を活用した取り組みを行っています。
空き店舗を改修した、よりあい処「おへそのおへそ」では、コミュニティスペースとして町の方とおしゃべりしながら情報共有したり、チャレンジショップとして町内の方が作った手作り雑貨の販売や、高校生が月に一度カフェを開くなどしています。大学時代は人見知りで、アクティブに動いたり自分の好きなものを人に話す事もあまりありませんでした。協力隊になって色々な方と関わり、自分を表現する場面が増えた事で、それに共感してくれる人が自然に集まり、企画が生まれ一緒にイベントを行ったりと、普段何気ない会話、やり取りに自分でワクワクするような事が沢山隠れていることが分かりました。

今は自分の興味のあることに積極的に挑戦をしていて、その中で「人」との繋がりを一番大切にしています。

月に1回手作り新聞を発行しています。内容は活動内容や宣伝など。回覧板での配布や、町外にも配っています。

月に1回手作り新聞を発行しています。内容は活動内容や宣伝など。回覧板での配布や、町外にも配っています。

ある一日の活動
7:30 [起床] → 9:30 [出勤] → 10:00 [担当者と1週間の情報共有、ミーティング] → 11:00 [事務処理] → 12:00 [昼休み]  → 13:00 [よりあい処「おへそのおへそ」開店。来店者と会話をしたり情報発信。また企画作りやイベントチラシの作成など] → 18:00 [閉店作業] → 18:30 [町の方から借りている畑で農作業を教わる。そのまま一緒に夕飯] → 21:00 [帰宅] → 24:00 [就寝]

Q3.実際に暮らしてみた感想を教えてください。

移住をする前は、町の方に受け入れてもらえるかとても不安でした。
現在、私たちが活動している江北町・上小田は元々宿場町だった影響もあるのか、皆さんとにかく優しく元気で明るくて、子供も多く活発な印象で、移住した際も快く迎えて下さいました。協力隊の活動も積極的に応援して下さり、アドバイスをくれたり、情報をくれたりと背中を押して頂いています。

また、自分で「何かやりたい」というチャレンジ精神を持っている方が多く、実際に一日限定でカフェをオープンさせたり、イベントを企画したりと、自分でまずは実行するという方が沢山います。
江北町だけではなく、佐賀県が全体的に食べ物が美味しい印象で、歴史的建造物も数多く残っており、住んでいて飽きないほど魅力がたくさんあります。

空家で、インド映画を見たあとにカレーを食べました。カレーはプロに作っていただきその後、トークセッションも行いました。

空家で、インド映画を見たあとにカレーを食べました。カレーはプロに作っていただきその後、トークセッションも行いました。

Q4.今後の目標を教えてください。

「自然」に常に関わって行けるような仕事をしたいです。それが自然を守る事なのか、魅力を伝えていく事なのか、何か新しい事を生み出すのか、暮らしの中に取り入れていくのか、どういう関わり方をしていくか模索中ですが、何かしらの形で接点を持ちたいです。

そのため現在は、狩猟や林業、自然指導員など自分が興味のある研修などに足を運んでいます。現在活動の中で放課後児童クラブにも携わっており、子供たちが普段施設の中でこもりきりなので、森に連れ出してネイチャーゲームをやってみたりなど、安全面を考えながらまずはやってみたいです。また、保存食作りに興味があり、実際に町の料理上手な方を先生にして味噌作りや梅干し作りを行ったことがあります。
若い人はおばあちゃん世代からそのような知恵を学ぶ機会があまりないので、そのきっかけ作りができたらと思います。

町で流鏑馬が144年ぶりに復活しました。その際、チラシと法被のイラストを書かせていただきました。

町で流鏑馬が144年ぶりに復活しました。その際、チラシと法被のイラストを書かせていただきました。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください。

私は大学を卒業して新卒で協力隊に赴任しました。
1年目は町の事を知ろうと自分なりに必死に動いていましたが、2年目になりある程度町に慣れてくると、町の魅力は沢山発見できても、そこから追求しどんな問題があって何を生み出せるのかという考えや方法が浮かばず、社会人経験がないという事にすごく悩むことが多くなりました。しかし、経験がないという事が自分の強みであり、若いからこそたくさんの事に怖がらず挑戦できてたくさん失敗もできるという事に気がつきました。

協力隊になり沢山の初体験があり、様々な人と関わることで任期前とは比べものにならないほど視野が広がり、毎日が新鮮で学ぶことが本当に多くあります。なので協力隊も、自分の直感でピンときて「楽しそう」と感じることができるのなら、新卒でも挑戦する意味はあると思います。

協力隊でウクレレをしています。時々お祭りなどに呼ばれて演奏しています。

協力隊でウクレレをしています。時々お祭りなどに呼ばれて演奏しています。

PROFILE / 高塚 都喜子さん

高塚 都喜子さん
年齢
23歳
着任年月
2014年4月
出身地
福岡県福岡市
前職
学生
隊員になって良かった事は?
「人」との繋がりが沢山でき、自分の「好き」なことを共有できる仲間ができたこと。

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