Interview隊員インタビュー

Vol.69 山口県山口市   -   奥山 早紀 さん「人とのつながりで、暮らしが豊かになる」

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

協力隊になる前に生活をしていたオーストラリアで、これまで日本にいた頃とまったく違った暮らしを経験したことや、自然の中で自給自足をしながら毎日充実して暮らしている人に出会ったことがきっかけで、「自分がしたい暮らしとはなんだろう」と暮らしのスタイルに興味を持ち、世界各地を周遊しました。
旅中は、アジアでは安宿に泊まったり、ヨーロッパでは民泊やヒッチハイクをしたり…。この旅でさまざまな人々の暮らしを知ることができて、たくさんの人々の親切や人と人とのつながりの大切さを感じたため、私自身もこの旅で出会った人たちのように人のつながりを大切にしながら自分らしく暮らすために自分で生活を築いていきたいと思い、帰国してすぐに一緒に旅をしていた友人の出身地、山口で協力隊に応募しました。

友人の改装中の古民家でパーティーや飲み会を開催。この時は外国人観光客を招いて山口名物の瓦そばパーティ。

友人の改装中の古民家でパーティーや飲み会を開催。この時は外国人観光客を招いて山口名物の瓦そばパーティ。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

活動を初めた最初の頃は地域のことが知りたくて、さまざまな場所へ行ってみたり、人を訪ねたりしていました。もともとマンション育ちの私にとって田舎や自然は憧れでした。地域の方々にとって当たり前の景色や知識、技術、料理レシピなど出会うものすべてが新鮮でとても好きになりました。

地域の方々と出会うと、自分がなぜ協力隊として山口に来たか、どんなことに興味を持っているかを話す機会がとても多かったです。こうした会話を繰り返していると、“類は友を呼ぶ”のごとく、たくさんの気の合う人たちとの出会いが増えてきて、今ではそうした方々と一緒にイベントを企画したりすることができるようになってとても楽しいです。こうした人とのつながりがあるからこそ、活動がしやすくなるし、なにより自分が暮らしやすく、なおかつ暮らしを楽しめるのだと思います。

毎年行われるお大師まいりを紹介するために、山口県のマスコットキャラクター“ちょるる”とお寺の住職と一緒にプレイベントを開催しました。

毎年行われるお大師まいりを紹介するために、山口県のマスコットキャラクター“ちょるる”とお寺の住職と一緒にプレイベントを開催しました。

ある一日の活動
7:00[起床] → 7:20[朝食] → 8:00[車で小郡総合支所に移動] → 9:00[支所で制作業務] → 12:00[支所で昼食] → 13:00[染色工房で商品づくり] →17:00[支所に戻り事務作業] → 19:00[地域交流センターでふれいあい祭の打合せ] → 21:00[帰宅しデザイン制作] → 24:00[就寝]

Q3.実際に暮らしてみた感想を教えてください。

車がないと生活しづらいことに一番の衝撃を感じました。ペーパードライバーだった私にとって、活動が始まっていきなり車で通勤、勤務中は公用車で移動というのはあまりにも高いハードルだったように感じました。必要に迫られ運転をするようになって、9ヶ月。今はようやくスムーズに運転できるようになってきました。(自信はないですが。)

けれど、身の回りの自然や環境にはとっても満足しています。
家のすぐ近くには静かできれいなビーチも山もあるし、スポーツ施設はいつでも空いてて利用ができるし、温泉も混み合うことはほとんどない。千葉にいる頃はせいぜい混み合ったスーパー銭湯だったし、そもそも近所に温泉があるとういのも恵まれています。山口に暮らし始めてから感じたストレスよりも、減ったストレスのほうが断然多く、のびのび生活できていると感じています。

山口市南部の海や山、公園を活用して行うヨガやトレッキングなどのフィットネス事業展開のための体験会を実施。

山口市南部の海や山、公園を活用して行うヨガやトレッキングなどのフィットネス事業展開のための体験会を実施。

Q4.今後の目標を教えてください。

私が目指すのは、自分らしい暮らしを実現させることです。これは協力隊に応募したきっかけでもあり、卒業しても変わらない目標です。そのためにあらゆることに挑戦し続けたいと思っています。

また、食べ物やエネルギーを自給できる暮らしや、それに必要な知識や技術を習得すること、近所づきあいやシェアすること、物々交換といった人とのつながりで、暮らしが豊かになることを意識しながら、協力隊としてこれまでの経験をいかしながら地域の方々が日々の暮らしに更なる魅力を感じられるような活動をしていきたいと思っています。地域に根付いた風習や文化の紹介や企画をしたり、外国人との交流を通して地域の魅力を再発見したりと、人との交流やつながりを楽しんでもらえるようなまちづくりをしていきたいです。

地元でたくさん生産されているたまねぎの皮を使った商品作り。地域のマルシェやイベントで販売しています。

地元でたくさん生産されているたまねぎの皮を使った商品作り。地域のマルシェやイベントで販売しています。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください。

最近は全国各地で地域おこし協力隊の募集が始まっています。私は友人の出身地ということがきっかけで、他のエリアでの募集を探すことなく山口市に応募しましたが、もし何もつながりがないところへ応募するとしたら、どの市町村へ応募したらいいか到底決め切れなかっただろうと思います。協力隊募集を行っている市町村が全国から集まる東京でのフェアに出展で行った際に、はじめてその現状に気づきました。その中で自分のものさしとなるのは活動内容(ミッション)と自分の意思だと思います。

移住して何がしたいか、なぜ協力隊という選択をしたかを自分の中で明確にしていくことが、活動期間を有効に使って定住するための土台作りにいかしていけると思います。

日本最古の写し四国といわれる秋穂八十八ヵ所霊場。地域に根付いた文化を絶やさないためにPR活動をしています。

日本最古の写し四国といわれる秋穂八十八ヵ所霊場。地域に根付いた文化を絶やさないためにPR活動をしています。

PROFILE / 奥山 早紀 さん

奥山 早紀 さん
年齢
30歳
着任年月
2015年7月
出身地
千葉県市原市
前職
オーストラリアの農場
(ブドウ畑)
隊員になって良かった事は?
以前よりずっと社交的になりました。協力隊という立場でたくさんの人と知り合い、話す機会ができたことで人との出会いや人と人がつながっていくことの楽しさを知りました。

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