Interview隊員インタビュー

Vol.80 島根県仁多郡奥出雲町   -   玉井 圭太 さん人と人を繋げる役割を担いたい

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

約10年前から移住を考えていて、移住した友人や協力隊になった友人に話を聞いていました。
移住地も悩んでいたのですが、それ以上に、住むには仕事が必要不可欠です。前職であった介護ではなく、新しい何かをしたいと考えていた時に、東京のしまね定住財団に相談に行き、地域おこし協力隊の案内をみつけました。
実際に、島根県の移住候補地をまわりながら、役場の方や地域の方の話を伺ったところ、奥出雲町では定住コーディネーターというジャンルの協力隊を募集していました。移住するまでに、迷ったり悩んだりしていた時、UIターンフェアに行って参考になったことが多かったので、自分と同じような人の手助けになりたいと思い選びました。
もう一つの理由は、縁もゆかりもない土地に移住して、急に田舎の自治体に入る自信がなかったのですが、協力隊なら入りやすいと勧められたからです。

力を入れているUIターンフェアのブースセッティング後に仲間と。

力を入れているUIターンフェアのブースセッティング後に仲間と。

Q2.日々の活動内容や活動を通じて感じていることを教えてください

着任以降、定住コーディネーターとして、移住相談や首都圏でのUIターンフェアに参加しました。移住希望者が奥出雲町に来られたらアテンドを行い、移住した方もいますが、それよりも奥出雲町との関係人口の増加を身をもって感じています。
移住というとハードルが高く感じますが、遠方からでも奥出雲と関わっていける、関わっていきたいと思える環境作りが、今は大事だと考えています。そして、たくさんの価値観や情報をもつ関係者が、奥出雲を通して交流することで、新たな風土が生まれると思います。

この仕事に就いて改めて感じたことは、自分が悩んで移住したからこそ、移住希望者の気持ちに共感でき、移住が全てではなく色々な角度からその人に合った良い方法を探せるということです。

協力隊として「まち・ひと・しごとセンター」で情報発信事業を担当。

協力隊として「まち・ひと・しごとセンター」で情報発信事業を担当。

ある一日の活動
7:00 起床、猫の世話 → 8:00 車でまち・ひと・しごとセンターに移動 → 9:00 移住相談や仕事紹介、電話による問い合わせ → 12:00 仁多米食堂で昼食 → 13:00 空き家物件調査 → 15:00 調査書類整理 → 17:15 車で帰宅 → 18:30 GUESTHOUSEオープン → 20:00 お客さんや地域の方と交流会 → 24:00 片付け、SNS更新 → 2:00 就寝

Q3.実際に暮らしてみた感想を教えてください。

初めて訪れた時は、よくイメージするような田舎の町で、特に奥出雲に移住したい!という気持ちはありませんでした。
しかし、島根県を訪れるたびに足を運び、奥出雲の人や文化、歴史に魅了されていき、奥出雲への移住を決意しました。そのため、実際に住んでからの大きなギャップは感じませんでした。
暮らしてみての印象は、豪雪地帯と知らなかったので、初めての冬では積雪量に驚きを隠せませんでしたが、四季を味わえるのは東京にないものだったので感動しました。
また、それ以上に暮らしてみて良かったと感じたことは「人のあたたかさ」でした。県外から来た見ず知らずの自分に声をかけていただいたり、すれ違う子供たちが挨拶やお辞儀を丁寧にしてくれたりと、希薄になったコミュニケーション社会だと思っていましたが、田舎暮らしに求めていた大事なものに改めて気付かせてくれました。

奥出雲の冬の凛とした朝。

奥出雲の冬の凛とした朝。

Q4.今後の目標を教えてください。

協力隊としての目標は、ミッション型なので定住コーディネーターとして一人でも多くの人に情報発信をして、奥出雲町に興味を持っていただくことです。移住まではいかなくても、関わっていきたいと思える環境作りをしていくことが重要だと考えています。
その為には、町内との繋がりを増やして、町のことをもっと知り、人と人を繋げる役割を担いたいと思っています。
また、任期後の目標は、現在プライベートで運営している奥出雲町唯一のゲストハウスを軌道に乗せることです。ゲストハウスを拠点として、自分が協力隊の中で築いてきた人の繋がりを活かした、関係案内所の役割をもつ場所にしたいと思います。宿泊だけではない、田舎ならではの人のあたたかさの醍醐味を提供できるようなゲストハウスにしていきたいです。
寒暖差が厳しい場所なので、体調管理に日々気を付けていくことも目標です。

個人経営しているゲストハウスをキャンプ場で出店。

個人経営しているゲストハウスをキャンプ場で出店。

Q5.地域おこし協力隊への参加を考えている方にアドバイスをください。

協力隊と言っても、各地域によって仕組みが違い、一概には言えないこともあります。私が協力隊になって良かったと思うことの一つは、自分と同じような立場の仲間がいることで、何よりも心強いと感じられることです。
地域によっては、まだまだ協力隊が浸透していなかったり、勘違いされているところもありますが、逆に知ってもらうチャンスでもあります。協力隊になるにあたって、理想と現実の差はあるかと思いますが、まずは情報収集と実際に現地に行って生の声を聞き、自分に合うか合わないかを判断するのが良いと思います。
困っている時、助けてくれる人もいると思いますが、最後に決断するのは自分自身です。だからこそ、協力隊へ参加する前にもう一度「どう生きたいか」を考えてみてください。

日本の原風景が残るガイドマップに載っていない棚田の隠れ癒しスポット。

日本の原風景が残るガイドマップに載っていない棚田の隠れ癒しスポット。

PROFILE / 玉井 圭太 さん

玉井 圭太 さん
年齢
36歳
着任年月
2016年4月
出身地
東京都葛飾区
前職
介護士・就労支援員
隊員になって良かった事は?
地域に馴染めるのか心配していましたが、隊員になった事で地元広報で紹介していただき、活動や生活していくうえで地元の方に助けてもらえたことです。

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