Interview隊員インタビュー

特集Vol.20 福島県伊達市 誇りをもって地域を元気にしていく活動 伝統や風習への興味を広げて形にする

石森 禎枝さん(その2) 震災対応のための子どもキャンプも企画。外からの目線を、中での活動に生かして。

Q.実際の活動の様子や感じていることを教えていただけますか。

月舘町の老人福祉センター「やまゆり」にて、月1回お風呂とお食事のボランティアを行っています。

月舘町の老人福祉センター「やまゆり」にて、月1回お風呂とお食事のボランティアを行っています。

ここは太陽がさんさんと輝き、初夏にはホタルが飛びかう土地です。人々の暮らしにも四季ごとのあつらえがあり、道で会えば笑顔で挨拶しあうというような「当たり前」があります。
採れたての野菜やお料理などもいただくのですが、東京でしがちな「お礼をしないと悪い」という気づかいは必要ありません。ですから、私は私で、お手伝いなどの形でお役に立てたらと思っています。

就任して9カ月。すべてがスムーズではないこともわかりましたが、協力して下さる方も現れありがたく、やりがいを感じています。
また、3月の震災では、幸いなことに家は壊れても家族は無事で、この地域の被害も現地ほど大きくないですが、夏休みには、放射能を避けての子どもキャンプも企画しています。

Q.活動への想いや、地域おこし協力隊への参加を検討している方へのアドバイスをお願いします。

毎年5月に行われる蚕の神様を奉る月ノ宮神社祭礼の様子。

毎年5月に行われる蚕の神様を奉る月ノ宮神社祭礼の様子。

「しないことへの後悔」よりも、「することへの後悔」の方がいいと思います。協力隊員になったら気負いすぎず楽しんで下さい。
最初は自分から笑顔で挨拶するといいです。私も、着任当初は、一軒一軒ご挨拶し、名刺の裏に好きな食べ物をラーメンなどと書いて(笑)、話題のきっかけにしたりしました。
今後も、地域を下から支える一員として頑張りたいと思います!
フットワークを軽くすることも大切です。良い意味で「よそ者」としてあり続け、外の人たちの声をきき、自分も外からの目線もとりいれると、伝統文化や風習などの価値に気づけます。たとえば、私が担当する月舘町上手度2番組には「月ノ宮神社」神社があるのですが、名前の美しさや、ウサギをまつる風習などが私には印象的でした。そこには、かつて地域の女性が手作していたウサギのお守りがありました。今は作り手がいなくなってしまったこのお守りを復活させ、もっと広げたいと思っています。

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