Interview隊員インタビュー

特集Vol.27 静岡県松崎町 大好きな棚田を未来へとつなぐ 棚田を守り、地域資源として生かすために

豊嶋学さん(その2)焦らず、自然体で地域のためにできることを。

実際の活動の様子や感じていることなどを教えていただけますか。

棚田百笑くらぶに畦塗りを指導

棚田百笑くらぶに畦塗りを指導

現在は、大きくわけて3つの活動をしています。

まずはじめが、棚田の維持保全作業ですね。これは、棚田保存推進委員会の方の指導を受けながら4.2ヘクタールの棚田で、代掻きや草刈り、田植え、稲刈り、脱穀などの農作業をしています。ちょうど今は、畦きりが終わって、モグラの穴をコツコツ埋めているところ(笑)。棚田のオーナーさんに「頑張ってくれてありがとう」と声をかけてもらった時は、本当にうれしかったですね。

もうひとつが、地元の松崎小学校の児童や保護者を中心に地域学習を行う「棚田百笑くらぶ」の手伝い。月に1回活動があるのですが、農作業をはじめ、蛍の観察や新米を使った料理体験などを企画したり、イベントのお知らせを作ったりしています。

最後が、松崎町の地域振興にかかわる仕事ですね。こちらはまだまだこれからの分野ですが、松崎町が企画する「田舎暮らし応援ツアー」の手伝いや「ふじのくに美しく品格のある邑づくり」フォーラムへの参加などを行っています。農業体験プログラムの整備や、自然学校のような展開など、棚田を使ったグリーンツーリズムの推進にも力を入れていきたいと思っています。

地域おこし協力隊への参加を検討している方へのアドバイスを教えていただけますか。

棚田百笑くらぶの子供たちに田植えの指導

棚田百笑くらぶの子供たちに田植えの指導

棚田資源の魅力化と整備保存をテーマとした設計

棚田資源の魅力化と整備保存をテーマとした設計

まだ1年目なので、あまり偉そうなことは言えませんが、「地域おこし協力隊」に参加する前に、地域のことをよく調べて、実際に何度か訪れてみるといいと思います。やはり田舎暮らしには良い面だけでなく、大変なことや不便なこともあります。わかる範囲で調べておいた方が、田舎のイメージに期待しすぎてがっかりする心配がなくなるんじゃないでしょうか。

とはいえ、あまり深く考えすぎず、自然体で望むことがなによりも大事なのだと感じています。田舎の人って、やっぱり優しいし、すごく人間関係を大事にしています。少なくとも僕の場合は、素の自分を出せるようになってから、石部の人たちにものすごくかわいがってもらえるようになりました(笑)。また、活動を頑張りすぎないことも大事ですね、地域の方の理解を得ながら、ゆっくりとやった方がいいこともある。たまには息抜きもしながら、ひとつひとつ積み重ねていくことが大切なのかなって。

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