Interview隊員インタビュー

特集Vol.30 北海道 白糠町 心が“パッ”と晴れる景色と温かい挨拶 「出来ないことはない」を信念に“超”楽観的に何でも挑戦

根津真枝さん(その1)大変そうでも、未経験でも「楽しそう」なら一歩、踏み出します

地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えていただけますか。

アイヌししゃも祭り 白糠のアイヌ民族の三大祭りのひとつ、アイヌの歴史を学ぶのも町を知ることにつながります。

アイヌししゃも祭り
白糠のアイヌ民族の三大祭りのひとつ、アイヌの歴史を学ぶのも町を知ることにつながります。

生まれも育ちも札幌です。でも協力隊になるまで、白糠(しらぬか)のある道東は、家族旅行での阿寒町に来た以外では来たことがありませんでした。そういう人って多いんですよ。だって同じ北海道内でも距離にして300キロ以上です。ただ道外の人にとっては、札幌もその他の地域も同じ北海道なので「クマは出る?」なんて聞かれることも。札幌でクマは、動物園でしか見られません。北海道は広いんです(笑)。

応募は、テレビ局の元同僚に「白糠で募集がある」と教えてもらったのがきっかけです。じつは「地域おこし協力隊? 海外協力隊じゃなくて?」なんて言っていたほど、活動のことを知りませんでした。ただ私にとって白糠は、すごく印象が良い土地だったんです。白糠をよく知る友人が多かったし、その人たちが、みんなすごく白糠を愛していた。だから「楽しそう。やってみよう」と。

それでも実際に来るまでは「シソ焼酎の鍛高譚で有名な町」という程度の知識。心配してくれる友人もいましたが、好奇心旺盛な私の性格をよく知る人たちは、みんな背中を押してくれましたね。

実際に地域に暮らしてみての印象をお聞かせください。

シソ作業 自分たちで育てたシソを町民の皆さんに協力いただいて、ラムネやしそ醤油などの商品の原料にしています。

シソ作業
自分たちで育てたシソを町民の皆さんに協力いただいて、ラムネやしそ醤油などの商品の原料にしています。

動物園でしか見られない動物、ここなら見られます(笑)。初めて野性のタンチョウヅルが大空を飛ぶのを見たときは、あまりの美しさに感動しました。 すべてが想像できなかったスケールの大きな自然で、漁港、山に川、牧場……と、全部あるんです。

「着任後のストレスは?」と聞かれて考えたんですが、これが全くない! 都心に住んでいたときはそれなりに悩むこともあったのに、今はどうしても感じない。そうですね、何かあっても気分がぱっと晴れる景色や自然がこの町には溢れているから、ストレスフリーなのかもしれません。

地域の方の気質にも助けられています。知らない人にも町の方は必ず挨拶してくださる。あと食べ物が最高です。すべての地産のものがおいしいですが、ここでは生産者の顔が見え、たとえば生きている羊も身近にいますよね。すると"食す"という意味が変わりました。つまり感謝して食べるようになった。それが食べ物に対する姿勢につながって、よりおいしく頂けるのかもしれません。

次は、実際の活動や今後の展望、これから地域おこし協力隊になる方々へのアドバイスなどです。

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