Interview隊員インタビュー

特集Vol.36 岡山県美作市梶並 若者が踊って暮らせる農村! 「山村シェアハウス」でビジネスプラン・コンテストで最優秀賞受賞

藤井裕也さん(その1) 田舎への“入り口”になるシェアハウスを作る!

協力隊に応募されたきっかけとそれまでの生活など教えてください

梶並でもっとも広大な耕作放棄地の水路を20年ぶりに開通させました。

梶並でもっとも広大な耕作放棄地の水路を20年ぶりに開通させました。

現場に入る――。それが、都会で「若い力と田舎を結び付けたい」「自立した地域のモデルは?」などといった社会の課題を議論していた学生時代に出た結論だったんです。

それで大学院を途中で辞めて農山村に行き、採用前から協力隊の人々と交流していました。美作市の上山地区はすでに“熱く”て「この人、ヤバイ!」と思わずにいられない経験や経歴を持つツワモノ揃いでしたね(笑)。

大学で考古学を研究していた僕は、コンサルタントとして活躍していたり、東京で起業していたりしていた先輩メンバーたちを見て、かなり焦りました。学生時代には社会教育や国際協力も学んでいたのですが、やはり「発掘しかしてないよね」って気もしていまして……。無事に協力隊員に採用された後もとにかく他のメンバーに必死で食い付いていっていました。

11年の4月の着任からずっと上山地区で棚田再生の活動などをしていましたが、今年の4月から梶並地区の担当になり移住。これで自分の“現場”を持ったという気持ちでしたね。ただ最初は広い家に1人で住むことになってしまい「仲間がおらん!」状態。1人だと、本当に寂しかったです。

新しい地区に着任してみての感想や活動の様子をお聞かせ下さい。

梶並に150軒ある古民家。その中の古民家の改修作業を山村シェアハウスのメンバーと行いました。

梶並に150軒ある古民家。その中の古民家の改修作業を山村シェアハウスのメンバーと行いました。

「俺、さみしいっす!」という想いは、シェアハウス構想へ向けた一歩でもありました。
まずは、やはり仲間が大切だと実感。同じく梶並に移ったもう一人の協力隊員と「鹿肉食い放題!」で呼び寄せた(?)合計3人で、地域の活性化を担う「山村エンタープライズ」という任意団体を設立しました。僕は、ここに協力隊員として参加して、仲間と話し合い行動する日々になりました。

この地域は高齢化率56%で若者が必要です。また空き家は、住人がいなくて朽ちていく。でも都会の若者は、田舎に興味があっても収入など不安要素がいっぱいあって踏み出せない。だったら空き家を活用して、部屋は個別に貸し出し、台所や風呂、トイレなどは共用の複数人で住めるシェアハウスを作ろう。さらに農林業などのアルバイトを提供しよう。これが僕らの「山村シェアハウス」です。

メンバーたちと空き家を改修し、仕事の情報を集めるといった活動を続け、11月にオープンした「山村シェアハウス」事業。これがなんと12月に発表された美作地域のコミュニティビジネスの普及を目的とした「ビジネスプラン・コンテスト」で最優秀賞をいただきました。客観的にも評価いただいたことは嬉しかったです。

次は、実際の活動や今後の展望、これから地域おこし協力隊になる方々へのアドバイスなどです。

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