Interview隊員インタビュー

特集Vol.09 新潟県十日町市 食への興味から縁あって出会った地域と隊員活動 観光客や移住希望者を地域につなげたい

宮原大樹さん(その1)自身が育てる鶏50羽と積雪地帯の冬越し。住民の自立や外部者へのもてなしに触れる。

Q.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えていただけますか。

鶏生後10か月。引越直後でご機嫌斜め。

鶏生後10か月。引越直後でご機嫌斜め。

出身は横浜なのですが、いわゆる田舎暮らしに憧れていたので農業生産法人に就職し栃木県にいました。また、食べものへの興味から、岐阜の養鶏家さんのところや、その方に紹介いただいた、十日町の田んぼなどに何度か足を運んで見学していたんです。そのときに「いいところだなあ」と思っていたら後日地元の農家さんから十日町市の地域おこし協力隊のことを教えていただけたので応募しました。

生き物を育てることも好きで、栃木で飼い始めた鶏をこちらでも50羽ほど世話しています。将来はもっと規模を大きくして本格的に養鶏をしたいとも考えましたが、雪の多いこの町で鶏の冬越しをさせるのは大変でした。11月に就任し、現地のみなさんに助けていただきながら「雪かき」ならぬ「雪堀り」をして春を迎えました。ひと晩で1m45cmも積もり、ブルドーザに来てもらうこともありました。

Q.その地域での活動を通じて感じていることを教えてください。

4月 苗代作りをするご夫婦。70代はまだまだ働き盛り!

4月 苗代作りをするご夫婦。70代はまだまだ働き盛り!

この地域にも過疎高齢化問題があり、7割以上が高齢者、60歳ぐらいの方々が若手と呼ばれる状況です。しかし、「80歳までは米作り」とおっしゃって、自立した意識で、できることをできる範囲でして暮らしてらっしゃいます。誰も困っていない事が当初の私の困りごとでした。着任の頃は、農作業や除雪など労働部分でのお手伝いをメインにしていましたが、今はそれも続けながら、協力隊任期満了後にも成果が残るような長期的な目線での支援もしたいと考えています。

また、世界最大規模の国際芸術祭である「大地の芸術祭」や、都市部の中学生を受け入れる「田舎体験」などのおかげか、外から来た人に対しての閉鎖的な雰囲気などがない上に、着任時の挨拶に一件一件うかがったときには、自己紹介より前に家に上げお茶を下さる温かさでした。妻も地域にとけこむほどにおつきあいいただき、そのことに私が救われることも多く、妻の人柄にもみなさんの優しさにも感謝しています。

次は、実際の活動内容や将来の展望、応募検討中の方へのアドバイスなどです。

1 2

記事の続きを読む