Interview隊員インタビュー

特集Vol.28 島根県雲南市大東町 神話の中の夫婦のようにここに礎を築く 大東町・塩田の温かい“てご”にいつか恩返しを

三瓶裕美さん(その2)今はまだ“協力してもらう隊”でも定住して、いつか地域のために

実際の活動の様子や感じていることなどを教えていただけますか。

とんどさん(1月)正月飾りなどを焼き、餅を焼いてお酒をいただく。自治会の新年のごあいさつでもあります。

とんどさん(1月)
正月飾りなどを焼き、餅を焼いてお酒をいただく。自治会の新年のごあいさつでもあります。

昨年の8月に着任したものの、夫婦でどうしたらいいか分からないことだらけ。協力隊であるはずの私ですが、住まいや食など正直なところ協力(してもらう)隊な状態です。

まだまだこれからですが、塩田地区で始めてとなる広報紙は3月に第3号を発行しました。始めは取材で半分ぐらいしか聞き取れなかった年配の方の出雲弁も、今ではだいぶ聞き取れるようになりました。
また小学校が廃校になったあとのコミュニティの再構築にも取り組んでいます。子どもたちが放課後遊ぶ機会を作ったりしていますが、保護者の皆さんとともに地域がつながるイベントなども企画していきたいです。

そして将来的には、農村体験をしてもらう民泊や人が顔を合わせてつながるカフェなど、やってみたいことも沢山あります。ちなみに夫は現在、島根県の産業体験制度の研修生として農業を学んでいます。協力隊の活動が終わって、夫婦でこの土地に根付きたい。そのためにも今年は畑作りから始めて、来年には田んぼをやろうって考えています。

地域おこし協力隊への参加を検討している方へのアドバイスを教えていただけますか。

結婚式(3月)古事記の中で、スサノオとイナダヒメが暮らしはじめたとされる、大東町の須我神社奥の宮で式を挙げさせていただきました。

結婚式(3月)
古事記の中で、スサノオとイナダヒメが暮らしはじめたとされる、大東町の須我神社奥の宮で式を挙げさせていただきました。

みんなで歩こう会(4月)体を動かすことと、地区の中をより深く知ろうと、2月からはじまりました。このときの行先は塩田ダムです。

みんなで歩こう会(4月)
体を動かすことと、地区の中をより深く知ろうと、2月からはじまりました。このときの行先は塩田ダムです。

地域おこし協力隊に求められることや置かれる状況は、受け入れる自治体によって随分と違う―。着任後の協力隊の研修に参加して感じたことです。そこには広報活動のプロ、コンピューターが使える人、学校を出たての元気な若者などいろんな人たちがいました。相手の求めることをよく聞き、自分のしたいことを正直に伝え、まずはお互いが理解しあえるよう努めることが大切だと思います。

応募前にその地域を訪れて、地域の人々、雰囲気、地理を知ることもお勧めします。私は1泊2日でしたが、それでもここでの営みをイメージすることが出来て良かったですね。

また無理しないことも大切だと思います。来てすぐに何かできるものでもありません。最初は「てご」(出雲弁で"手伝う")してもらってばかりだとしても、都会から来た人だからこそできる「てご」が次第に見えてくるはずですから。

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