Interview隊員インタビュー

特集Vol.33 茨城県 常陸太田市里美 地域の華 美しくひたむきに “つなぐ”日々 女性ばかり5人のチーム「ルリエ」の一員として、人や地域、文化をつなぐ

長島 由佳さん(その1)初めて野菜作りで実感 農業=地域に根差し、生きること

地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えていただけますか。

常陸太田市の「ルリエ」メンバーは現在5人。フランス語で「つなぐ、結ぶ」といった意味があるそうです。

常陸太田市の「ルリエ」メンバーは現在5人。フランス語で「つなぐ、結ぶ」といった意味があるそうです。

母校は東京・品川区にある清泉女子大学。私の学科で必修だったフィールドワークを行う地域の中に、常陸太田市・里美地区があり、その関係から地域おこし協力隊に応募することになったんです。大学が地域と学生を繋いでくれたということや、女性ばかりのチームという点では、他の協力隊とは経緯や体制が、少し違うのかもしれません。

卒業後にそのまま応募して隊員となった2人と違って、私は社会人を3年間経験してから隊員になりました。いつかは国際関係の仕事をしたくて旅行会社で働いていたのですが、ちょうど次のステップを模索していたときこの募集を知ったんです。今秋で1年半になります。

同じ大学出身の女性ばかりということもあって、着任後すぐ3人でチーム名を考えました。フランス語で「つなぐ、結ぶ」といった意味の「ルリエ」です。半年前に、別の地区の担当として採用された2人の女性も合わせて、常陸太田市の「ルリエ」メンバーは現在5人。もうすぐ27歳で、また隊員として先輩にあたる私は"お局"とか"姉さん"って言われることも。ただ「しっかりしている」という自覚はなく、本当におっちょこちょい……。それでも全員、未熟な部分をフォローし、また悩みを共有してバランス良くまとまっています。

実際に地域に暮らしてみての印象をお聞かせください。

イノシシに襲われながらも、心をこめて作ったという里川かぼちゃの畑。

イノシシに襲われながらも、心をこめて作ったという里川かぼちゃの畑。

コンビニもあり、都会にいたときみたいに生活に不便はありません。

……なんて言うものの、ここに来るまで畑と田んぼの違いすら、よく分かっていませんでした。お米も精米されたものしか見たこともなかった。お恥ずかしい話です。もちろん私が育った横浜市内にも田んぼや畑はあったはずですが「自分には関係ないもの」として、認識していなかったのでしょう。

実際に暮らしてみて、環境以上に意識が変わったんですね。

そして今は、早朝から農作業にも励む毎日です。自分の畑で作った野菜を自分で食べる。あまった分をおすそ分けして、人との交流が生まれる。そして地域に根差していく……。

食を育て、そこで食べるということが、暮らすということ、生きていくということだと実感しています。農業はライフワークとして続けていきたいですね。

また隊員になってからは、将来の夢や興味の対象となる舞台が、海外から国内に変わりました。

都会で育った私にとって田舎での日々の暮らしが魅力的だったことも理由の一つです。里美には、大家族のような人間関係がある。そこから生まれる新しい"何か"を発見することが、本当に面白いんです。

次は、実際の活動や今後の展望、これから地域おこし協力隊になる方々へのアドバイスなどです。

1 2

記事の続きを読む